ボーダーレスゲスト対談 第一回

株式会社レオパード スティール 代表取締役

東海林 龍

代表取締役

向井 宏

  • 東海林 龍

    株式会社レオパード スティール 代表取締役

    東海林 龍

    2014年7月、株式会社レオパード スティールを設立し、代表取締役に就任。
    俳優養成所『松濤アクターズギムナジウム』の実績を活かした、
    タレントマネージメントを行なっている

  • 向井 宏

    代表取締役

    向井 宏

    ボーダーレス設立前はマレーシアにて観光PVなどの制作に携わる。
    2007年日本に帰国し、同年ボーダーレスを設立。
    代理店に頼らない直接営業や提案型の映像制作で、例年売上を右肩上がりで伸ばしている。

お互いの第一印象、その後のギャップ

向井

今回は芸能プロダクション「株式会社レオパード・スティール」の代表・東海林さんをお招きしました。東海林さん、よろしくお願いします。

東海林

よろしくお願いします。

向井

僕は最近出会った人の中で、すごく気持ちが通じるというか、正しいなというか、仲良くなりたいな、ギブアンドテイク以外の関係でもやっていけるかなって思うんです。なんでかと言うと、第一印象は「なんやねんこいつ」って思ったんですよね(笑)

向井

最初はボーダーレス主催の懇親会に来ていただいて、誰やろうと思って、話かけにくいし、ちょっと遠目で見てたんですね。けど、話してみると全然違っていて、すごく丁寧で優しくて、品があるっていうんですかね。 ヒョウ柄の、大阪のオバちゃんかっていうようなのをいつも履いてはるんですけど、品がある。そのギャップに僕はやられましたね。 後々聞いたら、芸能界という華やかなところで活動してるっていうことを、ちゃんと服装でも表現することがすごく大事なんだっていうお話を伺って、この人ってすごいなって。深いなって。それが第一印象でした。東海林さんはいかがでした?

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東海林

弊社に所属しているナレーターの宮崎さんが、ボーダーレスさんにお世話になっていて、お誘いいただいて懇親会に参加しました。僕の場合は事前情報でめちゃめちゃ面白い人がいると。以前より宮崎さんから「ねぇねぇ聞いて。ボーダーレスの社長超おもしろいの。」って。 彼女はあまりそういうことを言わないんですよ。特定の人物に特化して、この人面白いとか、絶対に東海林さんに会わせたいっていうことを言ってくることは過去になかったんですよね。

向井

会って話してみて、音楽の趣味が合ったり、飯を食べたり。お酒が呑めないし呑まないのに…。お酒、まったく飲めないんですか?

東海林

まったくです。下戸なんですよ僕。

向井

けど、なんか酔っ払ってる(笑)

東海林

あれ酔っ払ってない(笑)変なクスリやってるみたい(笑)

向井

テンションが高い(笑)脳の中でアルコール作ってる人なのかなとか思ったりした(笑) 色々面白いですね。なんか格好つけないし、華やかですし、かといってほんと地味な部分も持ち合わせてて。すごく深い人だなと。

東海林

光栄です。

向井

ボーダーレスの会社の印象はどうでしたか?

東海林

会社の印象を本当の意味で知ったのはつい最近です。それまでは会社の印象というよりも、個々に窓口になってくれている人の印象が強いじゃないですか。組織としての空気感であったり雰囲気を知ったのは、先日の飲み会に参加した時だったんです。 めっちゃノリがよくて、雰囲気がよくて、僕、森さん(ボーダーレス・グラフィックデザイナー)に思わずメールで打っちゃったんですけど、この人たちと一緒にいたいなって思ったんです。 その先にビジネスとして生産性のあることをしなければいけないんですけど、まず人ありきで楽しい、いいなと思いました。人をいい意味で巻き込んでいくエネルギーがある組織だなと思いました。

向井

ありがとうございます。一昨日の飲み会なんか、まさにそうでしたよね。会社っぽくなかった。

東海林

僕もいろいろな会社さんの集まりに、お招きされて行ったことが少なくともあるんですけど、初めてですね(笑)

向井

仲良いですしね。

東海林

すごく向井さんが信頼してて、その信頼感が伝わって浸透しているから、向井さんはトップなのに、別にそこの輪にずっと入らなくってもいい。 みんな普通気にすると思うんですよ。「あっ、社長があそこの席に座った」って。

向井

ほったらかしですからね(笑)

東海林

(笑)そのほったらかしが良い空気を作っていて、それは悪いことではなくて、そこの場を楽しむようにという空気感が伝わって、このエネルギーを次の仕事の原動力にしていく。 これは日報とかでこうしなさいって言って浸透することではなくて、日々の積み重ねの中で伝わっていって、浸み込んでいったものだから、その染みは落ちにくい。上から塗ったんじゃなくて、染みてる感じがして、こういう組織はいいなと思いました。

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教育への意識

向井

僕は教育って2つあると思っていて、まず、声優さんとかタレントさんの卵の人達、なりたい人達を集めて、教えていくじゃないですか。プロの技術や心構えを。 もう一つはプロになって事務所に所属している人達に対して、プロとして先輩として経営者としての接し方ってあると思うんですけど、そのあたりの切り分けとかどのようにお考えですか?

東海林

今お話いただいたとおり、僕も2つあると思いまして、お金を払って習う教育と、お金をいただいて社会人としていちプロとして、プロとアマチュアではないですけども、そこに境界線があると思います。 そこが弊社で言うと、養成機関が松濤アクターズギムナジウムで、プロはレオパード・スティールというところで、組織は分けてはいるんです。 育成中の子達との接し方として、なるべく目線を合わせてシンクロしながら、その子達のソフトの部分をまず構成することをイメージしております。 プロダクションに入った後は、養成所の時代に培ったものを、今度はビジネスにどう変えていくかというところでのコミュニケーションを取るような形でやっています。 意識的な切り分けと、要求に関して大きく変えるようにしていますね。

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才能の有無

向井

養成所って、ベタに若者が集まるじゃないですか。この子いけるなとか、そういうのは分かるものなんですか?

東海林

分かる子と分からない子がいるって答えだとちょっと曖昧かもしれないんですけど、明らかに何かが違う子っていうのはいるんですよね。会った瞬間、何かが違うって興味を持つ子っていうのはいます。 そういう子っていうのは、逆にこちらが興味を示すので、この子の何が他の子と違うんだろうってところを、こちらが探るような形になってくるんです。もう一つのパターン、分からないっていった方は、うちの養成所は2年間はなんですけど、これは駄目だろと思ってた子が、その2年間の中でぐーっと上達するっていう子はいます。

向井

僕らもクリエイターをたくさん面接していて、ほんと毎日のように面接してるんですけど、コイツすげえなっていう圧倒的な人と、ちょっと人足りないからとりあえず入ってもらおかと思っていたら、いきなり伸びたりする人がいますね。

東海林

先天的な才能でいうと、ビジュアルであったり声であったり身長であったり、後でつけることがなかなか難しいものを持っている人間はいるんです。 けど、根底にあるものは、やっぱりどれだけ欲があるかだと思うんです。演劇の世界で食べていきたいっていう欲。憧れではなくて、しっかりとそこの青写真を職業として捉えて、そこで自分がやっていきたいという欲。 この業界で飯を食っていくんだ、服買うんだ、車買うんだ、うまい飯食うんだ、みたいな気持ち。やっぱり欲望が強い人間っていうのは芯がしっかりしています。 続けたもん勝ちみたいなところは、演劇の世界に限らず、どの仕事もそうかもしれないんですけど、経歴を積んでいくことが大事な世界で考えていくと、そこの欲望がしっかりと明確で強い人間が、生き残っていくのかなと僕は認識をしていますね。

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好きなものだけしか触れようとしない

向井

若い人たちと話をしていて思うのが、好きと嫌いだけで世の中を見ていて、映画でも音楽でも、好き嫌いとは別に良いと悪いってあると思うんですよね。僕も個人的に好きな映画とか好きな音楽、好きな芝居とかありますけど、好きじゃないけど認めてるものもあるんです。 クリエイターでも演者の方でも、その2つの構図を持ってるんですよね。けど、最近の若い人たちと話をすると、好きなことしか喋らない。

東海林

そうですね、分かります。声優になりたいって言って、じゃあ「どんな芝居がしたいの?」って聞くと、どんな芝居がしたいというよりも「あういうアニメに出たい」。「あぁあのアニメいいね。他にはどういうの見てるの?」と聞くと「アニメしか見てません」。 「どんなジャンルで活躍したいの?」と聞くと「舞台もやりたいです」。「舞台、最近何を観たの?どの劇団が好きなの?どういう演出家が好きで…。」と聞くと、「劇場に観に行ったことないですねぇ」。なんじゃそりゃーみたいな感じが多い。

向井

そうですね。僕らも声優の方とか演者の方とお会いする機会も多いんですけど、「えっここでこれ言う?」っていうようなベタな、ハリウッド映画の大作が好きですとか。いやいや、これみんな好きやでっていう。スターウォーズなんて、みんな好きじゃないですか。

東海林

スターウォーズのどこが好きで、どういうところが魅力的でってとこまで語れる人はいないですよね。

向井

その自己アピールのところが、やっぱり弱いかな。嘘でもいいから何か、「えっ」ていうような。 ちょっと大げさに言ってもいいから、「どんなお酒好きですか?」「ビールです」で終わるところを、「サル酒って知ってますか?」ってきたら、「えっ、なにそれ?」っていう風になるような。

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東海林

好きだからその話に対して集中したり、盛り上がりを逆に発信してくるはずなのに。

向井

そう、演技しない。嘘はよくないですけど、フィクションを織り交ぜながら。僕、演者の人ってすごく憧れがあって、自分以外の人になった瞬間、普段の自分以外の声を出したときに、自分の能力を1番発揮できるっていう。自分以外の人になったときに、1番自分が輝けるっていうのって格好いいなと。特殊ですよね。

東海林

俳優は人にあらずっていう感じ。なるほどねって思いますよね。逆に向井さんは、スタッフ、クリエイターの方を選ぶときに、その人が過去やってきた作品をご覧になって、人柄も当然あると思うんですけど、どういう基準なんですか?

人を選ぶ基準

向井

僕らの場合は2種類ありまして、ひとつはまず具体的にソフトをどれくらい使えるのか。技術力。技術っていうのは才能があるとかないとかっていうよりも、映像の才能って演者と違って、ある程度の技術が身に付かないと、才能があるかどうか分からないんですよね。 すごく才能があって、世界的有名なクリエイターになれるポテンシャルを実は秘めてるけど、ソフトの使い方を知らない状態だったら分からないんです。 もうひとつは、やっぱり好き嫌いと、良い悪いと切り分けて考えれる柔軟性があるかどうかいうところを見ます。正直若い子で切り分けて考えてる子っていないんですよね。特に新卒の子とか。思考の柔軟性ですかね。

東海林

スタッフの方の年齢層が若いっていうのは、頭の中での柔軟性であったりとか、これから何か出してくる発展性に期待を込めたりしているんですか?

向井

うちのリーダー格の役員が若いっていうのもありますし、やっぱり若さが正義というか、若さからくるエネルギーが正義かなっていうのが僕の信念でもあるので、自然とそうなるんですかね。

東海林

新卒の方を入れた場合は、社会で仕事を始めるのが初めての方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、技術力以外の教育っていうのは何かプログラムを持たれているんですか?

向井

具体的なプログラムは無いんですけど、堂々としろと。媚びるなと。 偉そうにする必要は全くないんですけど、どうしても今の若い人達って気を使い過ぎだり、すぐ謝る。悪くもないのに。 そうじゃなくて堂々としろと。ボーダーレスの一員なんだからっていうのは、いつも謝るなって怒られたりしています(笑)

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東海林

謝るなって「すみません…」って。どうしたらいいんだみたいな。(笑)

向井

僕らの世代ってみんな尖ってましたし、何か言ったら噛み付く人たちが多かったと思うんですけど、今の世代の人達って、やっぱり気を使いすぎる。すごく気持ちが優しいんでしょうね。

東海林

そもそも争わなくなってる気がするんですよね。なんか争い事をするんであれば、争い事が起きる2歩前に、話変えちゃったりとか。 怒る芝居が出来ないんですよ。なんで出来ないのっていうと、怒ったことがないっていうんですよ。喧嘩してるシーンとか、胸ぐら掴んで顔近づけてっていうと、「えっそんなこと…」って。 学校で喧嘩とかないの?って聞くと、「いや、LINEで」って言われるんですよ。LINEで喧嘩するんです。 ツッパるとこ間違えちゃいけないと思いますけど、自分の胸張ることって確かに若い人がしなくなってるなって思いました。

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向井

僕らの世代やったら、お前のこと気に入らんから呑みにいこうぜっていう世界じゃないですか。嫌いやけど認めるとかっていうのもあったり。 正直に告白すると、会社を経営したりするって大変です。どこからパワーが出ているのっていうと、やっぱり怒りなんですよね。僕は若いときに報われなかったこととか、小バカにされたこととか、理不尽な思いしたことっていうのが根底にある。 怒りって汚い感情ですし、美しくはないですけども、怒りのパワーなのかなって。

自分を動かすパワー

東海林

その原動力はまだコアなところに?

向井

あるでしょうね。それは認めざるを得ない。報われなかった自分の若いときに対する復讐であったり、怒りです。東海林さんはどうですか?

東海林

僕は悔しさですね。自分自身が役者として成功できなかった、ひとつそこで挫折なんですけど、悔しさだったり。 今は一緒にチームとして関わってくれる子たちを、役者という世界で成功させたい。自分ができなかったからっていうのも、非常に強いです。 卑屈なんですけど、僕はダメだったからこそ、うちの子達は成功させたい。そういう業界に対する悔しさっていうのが、キレイな話じゃないですけど常にあります。

向井

今の若い人達で、そういうのを感じてる人たちって少ない。僕らがオヤジになったらかそう思ってるのか、その母数が全然ないのかは分からないけど、どうしても感じてしまいますよね。

東海林

そう、だから薄いんですよね、やりたいエネルギーが。変な話ですけど、うちみたいな組織に所属して、週に1回2回レッスンをして、ある種それでも楽しめちゃう世界ではあると思うんです。やってる気になってるとか、目指してる気になってる、でレッスンしてる。 でもそこは一番大事なところじゃなくて、その中で自分がどう昇華していくかだと思うんです。今自分ができないことを見つめなおして、そこにちゃんとターゲット絞って、ブラッシュアップしていく。 そこを見ようとしない子たちが多いので、そこはこれからうちの課題でもあるんですよ。1人でも多く、優秀な演者を世に送り出して、そしてボーダーレスさんと一緒にお仕事をする(笑)

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向井

僕らの時代って情報がなかったじゃないですか。今みたいにインターネットとか。だから感情が出やすいというか、ロマンチックなんですよ。すごくロマンがあるというか。 よく分からんけど役者になるんだ、壁にぶち当たってもまだいけるとか、自分と向き合う時間って多いじゃないですか、情報がないからこそ。 今って情報があるから、簡単に分かるんですよね、未来予想図が。ロマンが無い時代。自分と向き合えないのかなって。

東海林

おっしゃる通りです。インターネットで声優、俳優、オーディションって探したら腐るほど出てきますもんね。

向井

行く末もだいたい予想がつくじゃないですか。

東海林

ロマンがないですね。

向井

今の時代って戦略かなって。戦略性をもってやるってことが、唯一のやり方なのかな。僕らの世代は戦略とかなかったじゃないですか。

東海林

がむしゃらでしたね。

向井

がむしゃらで、感情のおもむくままでやって、色んなことを学んで自分を知っていったけど、今はすぐ自分のことが分かっちゃうし、情報がある。こういう綿密な戦略、人生に対してしたたかになるとか、そういうのが今の若い人たちに教えることなのかなって思います。

若者を動かすということ

東海林

実際に若いスタッフと、そういうコミュニケーションは取れられてるんですか?

向井

君はこういう子だから、こうやってこういう風になっていけよみたいな話や、どういう風になりたいのってのは、細かく具体的に聞くようにはしています。

東海林

具体的っていう言葉はいいですね、漠然としてなくて。

向井

それを達成することでロマンを感じて、ロマンを感じれたら人間って前に進めるし、やめないと思うんですよね。 最初は自分達と世代とのギャップがあるから、もっと感情的になれよとか、冷めやがってと思ってたけど、よくよく考えたら時代背景が僕ら違うんですよね。僕が今みんなにできることって、一緒に戦略を練ってあげるってことですかね。

東海林

戦略の指示じゃないですけど、話をするときにどこまで伝えるかとか、本当は自分から考えてもらいたいこととか、向こうから発信してもらいたいことみたいなのもあるじゃないですか。 例えば10あるうちの5までを伝えるのか、8まで伝えるのかというと、どういうスタイルで話されてるんですか?

向井

僕は思ったこと全部言っちゃいます(笑)上から言えないというか、僕が正しい答えを持ってるわけでもないんで、僕はこう思うけど、でも僕が言ってることが正しいわけじゃないよと。

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東海林

一つの意見だよと。

向井

少しずつ一緒に考えるようにしていますね。

東海林

それに対していいレスポンスがあったら、年長者としては嬉しいですね。そう来たか、みたいな。

向井

そうですね。あまり年齢とか、常識には捉われず。関係ないのかなって。経験も大事ですけど、経験っていうのはさっさと忘れて、形に残る技術は残していって、経験論を言い出したら歳取ってる方が強いですしね。

東海林

間違いないですよね。っていうかそれで負けたらどうしようですよね。

向井

そんな気持ちで社員の人達とお話しますかね。

東海林

役者の事務所って特殊っていうか、毎日顔を合わせているわけでもなく、下手したら1ヶ月会わなかったりとか。

向井

そうですよね。

東海林

連絡がメールだけということもザラにあるので、スキルはボイスサンプルとって送ってって言えば分かるんですけど、それ以外の内側のことを把握するコミュニケーションを取る時間が、思っているより無いなっていうのが、正直あります。 うちに役者がいますってなると、「しょっちゅう会ってるのかな」って思われると思うんですけど、会わない子は会わない。 でも仲間は仲間であって、同じ方向でやっていきたい仲間だし、そういった意味では、プロダクションとしての人材育成というところに関しては、これからより良い方向性になるための、アイディアをどんどん取り入れていかないといけない。 今いるメンバーは初期メンバーなので、そんな必要すら無い。でもこれから組織が大きくなるにつれて、そういったところが一つ課題となりながら、僕も成長していきたいなと思ってるんです。

向井

お互いのシナジー効果が得れるような関係にできればね。ライバルっていうよりも、お互いプラスになるような。クリエイターはそうなりやすい。チーム組んでやる仕事なんで、みんなが共に切磋琢磨しやすい環境がボーダーレスにはありますね。

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面白さの発見

東海林

クリエイターでチームを組むときは、撮影班があって、ディレクション班があってと いうことですか?

向井

そうですね。得意不得意があるんで、グラフィックが得意な人と編集が得意な人、そして編集でもイメージ的な編集が得意な人と、ロジックを組んで編集するのが得意な人。 野球で言ったら4番で長打力はあるけど、技巧派じゃない。これを組み合わせて一つのチームを作るのがクリエイターで、切磋琢磨しやすいですね。

東海林

新しい方が入ってきた時は、当然その人のやりたい方向性っていうのものを、皆さん個々にもっておられると思うんですね。 僕はプロモーションビデオみたいなの撮りたいっていう人もいれば、ドキュメント撮りたい、生物的なもの撮りたいって人。 そういう希望に対して、向井さんは第一希望を優先して、仕事やチーム分けを決めていくんですか?それともそれは関係なく決めていくんですか?

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向井

一通りやってもらいますね。向き不向きもありますし、気づいていないと思うんです。やってないのにやらず嫌いというか、クリエイターの新人や若い子って、音楽PVや映画、いわゆる格好いいとされているもののほうが、やっぱし誰でもやりたいんですよ。 例えば商品の説明映像とか、ピンときてないんですよね。好きとか嫌いとか。でも販促の映像ってロジックを組んで、作るのはかなり面白いんですよ。 結果がでたら、クライアントさんが喜んでくれて、数字として成果がでるんで、やりがいがあるんですよね。そういった喜びを知ってもらえたら、PVよりも販促用の映像のほうが面白くて、気付く人はそっちをもうガーッと勉強しだしたり。

東海林

そこは役者と一緒ですね。アニメやりたいって子でも、いや君はナレーションだろ、フリートークでMCのほうがいいでしょとか。本人がやりたいことで、一番可能性が伸びるとは限らないですよね。

基礎を怠るな

向井

そうですね。声優の方にも言えることかもしれないんですけど、基礎能力がついてない子が多いですね。映像ってきっちり撮影してちゃんと並べて編集するっていうのは基本で、大事な当たり前なことなんです。 その上に技術や器用さ、格好よくみせる方法とかがついてくるものだと思うんですけど、学生のときって簡単な基本のところは無視するんです。タレントさんや声優さんのオーディションをしていても、ナレーションの人だったら、大きな声で話し続けるとか、同じトーンでとか。 一番根本の部分だとと思うんですけど、そこのトレーニングを無しに可愛い声を出すとか、イントネーションだけを変える。その上の分かりやすいところばっかしやっていて、基本ができてないから、伸び悩んでるのかなと。

東海林

そこじゃねーんだよ、っていうところですよね。

向井

そうなんですよ。そこはその次でいいからって。

東海林

そこに意識を置けてない子は確かに多いですね。

向井

やっぱり基本って大事。何回も何回も反復して、基本っていうことは立ち戻っていかなくちゃいけないから、若い人達にそれをやってほしいですね。映像の人でも。

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東海林

映像は特に大事ですよね。僕も若い頃、スクリプターがちょっと動きだすとすごく怖かったですもん。あれっ今手あげるタイミング間違ったかな、みたいな。 でも、そういうのとを全く気にしないというか、存在を知らないですよね。そこの繋がりを大事にしなければいけないという感覚、考え。

向井

演者の人でも芝居をつけたり、演出をしているときでも、可愛かったり笑顔の作り方はうまいんだけど、ちゃんと歩けないっていうんですか。

東海林

それは…すごく課題です…。

向井

すごい良い素材なのに。歩く練習ってつまらないと思うんですよ。鏡見ながらね。その単純なことの繰り返しをやってないな、もったいないなって。

東海林

人前に立つっていうことの意識、見られる立場である意識、意識というか考えが薄いんですよね。

向井

それって才能じゃなくてもいいんですよね。反復さえすれば誰だって身に付く。僕だって見に付くと思いますし。それをやってなくって、その上の技術というか器用さみたいなのが身に付いている。

東海林

口先だけでちょっと喋って(笑)

向井

それでなんとかなってる。けど、いや基本は勉強しよって、それなりに出来るんだから。基本さえやればグッと伸びるのに、若い人たちは特に。

東海林

板の上に立つって言葉がよくありますけど、立つ歩く座る、所作的なところですかね。そういったところが本当に上ずっちゃうんですよね。 舞い上がってしまうというか。舞い上がった状態、上ずった状態で台詞を言えば、言葉は全てハネてしまいますし、音も通らないし、表情も本当に表面だけになってしまう。見てる僕からしたら薄っぺらいなと。

向井

映像や撮影だと、見るっていうのが大事だから、きっちり見る訓練をしてなかったり。

東海林

教育という過程で伝えることは非常に難しいですね。ステップアップとして、体作りから僕はやろうと思ってるんですけど、まず筋力ありきで自分の身体を支える。普段はラクに生活できちゃうじゃないですか。普通に喋れるし、普通に歩けるし、普通に駅まで自転車に乗って行けるし。 その普通の楽な筋肉では、人前に立つべき身体作りができないと思うので、心もそうですけどまず身体をしっかりと作る。という教育をして、浸透させていきたいなと思っているんです。

若者に伝えること

向井

僕らはいやがおうでも若者の上に立って何か発信していく、発言していく立場にあるじゃないですか。僕らはどういうことを発言していくべきなんでしょうか?

東海林

質問返しで失礼なんですけど、若者全般のイメージで答えるべきか、うちの所属というか僕が関わりを持つ役者の卵の若者たちに対する思いだとしたらどちらですかね?

向井

卵ですかね。僕らの職業に憧れている若者たちです。

東海林

僕は常に言っているんですけど、芸能界は運と縁と勘だっていう話。

東海林

持って生まれた運、生活して生きていく中で培っていったご縁、そしてそのご縁を嗅ぎ分ける直感、その自分の直感を信じてご縁を繋いでいくと、元々もっていた運がプラスアルファして、この作用がすごく広がっていくということを必ず話すんですね。 なにが言いたいかというと、ちゃんと自分で自分自身のことを信じてあげて、やりたいものを見失わないように、演劇の世界で頑張っていってくださいってことを、必ず僕は伝えています。

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向井

僕は映像とかって憧れた瞬間があると思うんですよ。10代のときか20代になってからか、これでやりたいなという時の気持ちを常に忘れずに、最初はすごくピュアな気持ちだと思うんです。 そのうち色んな情報が入ってきて、色々迷うと思うんですけど、最初はこれ格好ええな、映像作りたいな、って思った瞬間の感情っていうのは振り切れているというかね。それで、色々知ることによってブレると思うんですよね。

東海林

そうですよね、知るとブレるんですよね(笑)

向井

知るとブレるんですよ。技術が付くとまたブレるんです。だからある日突然、映像やってみよって思ったときの気持ちを、くじけそうになったり、迷ったときに思い出してほしいですね。そして持続させてほしいですね。何度も呪文のように。その時の感情を。

東海林

初心忘れるべからず、的なところですね。

向井

そうですね。初心忘れるべからず。その時の感情を忘れるべからずというか。

東海林

心に芽生えた瞬間、そこの中心にあるものってすごく大事ですよね。

向井

後は才能や運とか、いろいろなものが関わってプロになって、商売ができてってあると思うんですけど、それはやってみないと分からないので、もう辞めたら終わりじゃないですか、結局のところ。

東海林

ほんと、辞めたら終わりですね。

向井

辞めるんだったらさっさと辞めたほうが。

東海林

後の人生には(笑)

向井

後の人生には(笑)でも僕らとしてはやっぱり辞めるなと、信じてやれと。 信じるというのは、途中で色々言われてきた言葉じゃなく、最初に自分が映像に憧れたときの感情を信じてほしいなというのが、やっぱみんなに伝えたいことかなと思います。

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