ボーダーレスゲスト対談 第三回

ayato@web運営者

藤井 彩人

CGデザイナー

篠原 智子

  • 藤井 彩人

    ayato@web運営者

    藤井 彩人

    まだAfter Effectsによるモーショングラフィックス制作が浸透していない頃に、ayato@webを立ち上げ
    独自のセンスを活かしたTipsを数多く公開。日本のモーショングラフィックス業界の先駆けとなる。
    このWEBサイトを参考にして、技術を習得したクリエイターは数知れず。

    ayato@web
    http://www.ayatoweb.com/

  • 篠原 智子

    CGデザイナー

    篠原 智子

    設立時よりボーダーレスに参加。
    トップグラフィッカーとしてボーダーレスを牽引するクリエイター。

ayato@webを立ち上げたきっかけ

本日は「ayato@web」の運営者である藤井彩人さんにお越しいただきました。さっそくですが、「ayato@web」を立ち上げたきっかけというのは?

藤井

当時、ホームページを作るというのが流行っていて、僕も作ってみたはいいものの、載せられるネタがなくって(笑) そこで普段メモしていたAfter Effectsのことを、テクニックというほどではないですが、WEBで出してみようかなと、最初は5つだけ公開したんですよ。 それでページの形を保っていたのですが、そこのページだけやたらアクセスが集まり、質問のメールも徐々に増え始めて、もっと見せようとなったんです。

篠原

当時、TIPS専門で立ち上げているサイトは少なかったのですか?

藤井

なかったですね。今みたいにWEB上ではなくて、本屋さんに行って、解説本を買うような時代だったんです。しかも、After Effectsの本ってあまりなくて…。

篠原

そうですね。本もあるといえばあるんですけど、テレビで見たことがあるようなモーションが作れるというのがなくて、それで「ayato@web」を見たんです。

藤井

意地悪な作りになっていませんでした?

篠原

周りは「できないできない」って言っていましたけど、私はすごく分かりやすいと感じました。

藤井

分かりやすくすることもできたんですけど、分かりやすくし過ぎるとよくないのかなと思い、分からなくて試行錯誤する、ちょうどいいラインにしとこうかなと。 実は批判的なメールも来ていて、「種明かしするな」と、編集所で何時間もパーティクルを出すだけで、仕事をとっている人もいる時代でしたので。今はないんでしょうけど。

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篠原

学生時代に、「ayato@web」のTIPSを作れたよという自慢が結構ありましたね。

藤井

なぞ解きみたいですね。

篠原

みんなが「作れない作れない」といっている中で、「作れたよ」と喜んでいました。

藤井

手順どおりにやればできる!?

篠原

そうなんですよね。今もデザインは変わっていないんですか?

藤井

ずっと変わっていないですね。実は変えたくてしょうがないんです。今となっては画像が小さいですし。

篠原

見やすいですよ。デザイン的にも無駄がないというか。

藤井

ソースコードもぐちゃぐちゃなので、何とかしなきゃと思いつつも、あれはあれでレガシーなものとして、そのまま残しておこうかなという感じですかね。

今もアクセスは多いんですか?

藤井

意外とあるんですよ。ピーク時と比べたら、少なくなっているかもしれないですけど、継続的にありますね。

私が今40歳なんですけど、篠原さんが29歳。一回りくらい若いじゃないですか。それでも、「ayato@web」を共有しているというのはすごいことですよね。

藤井

最初、プロジェクトファイルはダウンロードできないようにしていたんですが、2012年くらいに、全部ダウンロードできるようにしたから、アクセスをキープできているのかもしれないですね。 今もまだ「やってみろよ」みたいなスタンスだと、だれも見ない気がします。

今でこそ、情報をシェアするという文化が一般的になっていますが、当時、シェアの時代がやってくると考えていたんですか?

藤井

全くないですね。本当に自分のためにメモしていて、仕事をするときに、ファイルがあったらいいなと。

篠原

ページを印刷してして、ファイリングしていました。

藤井

ウィンドウを全部開くからうっとうしいですよね(笑)

篠原

今も「そういえばああいうTIPSあったな」と思って、波紋を作ったりしていますね。

藤井

今は、当時の10倍のクオリティで作れる自信がありますね(笑)

会員制にしたり、「ayato@web」を商売にするという考えはなかったんですか?

藤井

僕はサラリーマンで、仕事が楽しくてしょうがなかったので、TIPSを有料にするとか、あまり考えたことなかったですね。

藤井さんの主催するAfter Effects塾とか、すごく人が集まりそうですね。

篠原

実際に講演会もされたりしているんですよね?

藤井

たまにやってます。

篠原

After Effectsというミキシングを、機械を使ったらこういうことができるというのが、うれしかったんですよね。これができるんだって。 なので、「ayato@web」を見て、After Effectsを本格的に始めたという人も多いと思うんです。 これできるのかなと思ったら、やってみたくなりますね。

藤井

街頭ビジョンの映像とかで、これそうだよなってありますね。

篠原

最初の発想はどこから出てきたんですか? TVCMとかを見て、こういうTIPSがあったらいいなみたいな感じですか?

藤井

そういうのは多いですね。TVCMや映画のタイトルを見ていて、After Effectsでやったらできるんじゃないかなと試行錯誤して、形になったものを公開するパターンもあれば、プラグインを勉強しているときに、これをやったらこういうふうにできるかなと思ってやっていたものが、形になったらそれを出したりとか。 すべて同じアプローチ方法とは限らないですね。

映像制作を始めたきっかけ

藤井さんは現在おいくつですか?

藤井

今40歳です。

ちょうどノンリニアが出てきた世代ですね。

藤井

苦労した時代ですね。今は本当うらやましいです。

パソコンやソフトも高かった。

藤井

高いし、不安定でした。

藤井さんが映像の世界に入ったきっかけは?

藤井

父親がグラフィックデザイナーで、小さい頃からデザインの本などは見ていました。大学でグラフィック系には行かずに、製品デザイン、プロダクトデザインをやりたいなと思って、勉強していたんです。 学校でプレゼンなどをするときにMacを使うようになって、当時は映像をMacで作るのは大変で…。Premiereもありましたけど、今のとは比べものにならないくらい機能が少なかった。 それでも海外のオープニングタイトルのようなものが、なんでMacで出来ないんだろうと、Premiereやディレクターというオーサリングソフトなどで、ずっと試していました。 そんな中、テレビ朝日クリエイトという会社に就職して、そこで初めてAdobeの方がAfter Effectsを持って来たんですよ。それまでAfter EffectsはAdobeの製品ではなく、Version3.0からAdobeが買収したんです。 そこでAdobeの担当者が、こういうソフトをAdobeで扱うようになったんですけど、さっぱり分からないんで、少し使ってみてもらえませんか、と。 直接僕の所に来たわけじゃなくて、最初は上司のところに来て、上司も察してくれたのか、「藤井君こういうの好きでしょ」って。 「使ってみてよ、好きなように」って言われて、僕の使っていたマシンにAfter Effectsをインストールしてもらい、使ってみたら、「これだよ。これが欲しかった。」となりました。 使いやすいというか分かりやすいですよね。とりあえず全部読みこむ。Illustratorのファイルも、Photoshopのファイルも。ムービーファイルも。Photoshopはレイヤーになっているのに、全部動かせて、それに音も付けられて、QuickTimeで吐き出せる。 簡単にできちゃうじゃん、すごく苦労してこれまでやっていたのは何だったんだよと。しかも、プラグインていうのもあるらしいよと。 どんどん会社に買ってもらって、やればやるほど楽しくてしょうがなかったですね。

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きっかけはコンピューターなどが好きで、そして映像をどんどん作るようになった?

藤井

きっかけはそうですね。コンピューターが好きですね。

篠原

最初はデザインをされていたんですよね?

藤井

はい、デザインをやっていて、本当は家電メーカーに行きたかったんですよ。でもどうしてだったかな。テレビ局も受けてみようと思って。当時は、会社入ってから覚えていいよっていうスタンスだったんですね。今って即戦力じゃないと入れないじゃないですか。 その頃はみんな初心者だから、会社にある機材で、それこそ3DCGとか、アニメーションとかも覚えて下さいみたいなスタンスだったんで、すごくラッキーでしたね。

篠原

After Effectsも初めの頃は、説明書も何もなかったんですか?

藤井

Adobeが出していた印刷されたマニュアルがあったんですけど、それしかなかったんですね。

篠原

英語ですか?

藤井

いや、それは日本語になっていました。

篠原

教えてくれる学校もないですよね。

藤井

そのマニュアルは分かりやすい作りだったので、そんなに苦労はしなかったですね。

藤井さん、昔はどんな子供だったんですか?

藤井

プラモデルとか、ラジコンの世代ですね。

篠原

小学生は何が得意でした?

藤井

小中学の成績はそれなりに良かったです(笑) 図工も好きでした。 小学校、中学校は勉強を頑張っていたんですけど、高校になってバンドにシフトして、楽器をずっとやっていました。

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どのような音楽を?

藤井

分かりやすく言うと、フュージョンっていうジャンルですかね。カシオペアやスクエアとか。

今も音楽を?

藤井

今もやっています。今はジャズにシフトしています。

ゼロ発進

「ayato@web」でも、そのコーナーがありますね。

篠原

あのサイトを見たら、何者なんだろうって思いますよね。 自主制作でアニメーションを作られたりはしているんですか?

藤井

音楽が趣味だと思っているので、音楽で自主的に作曲をしたり、バンド活動はするんですけど、映像制作は基本的にデザイナーと思っていて、アーティストと思っていないんです。この説明は難しいですね。 デザイナーは必ず発注者がいるじゃないですか、アーティストは自分から発信するじゃないですか。アーティストは音楽ではやるけど、デザインではあまりやっていこうとは、まだその域に達していないと思っています。

篠原

自分の作れる音楽に映像を組み合わせたりとか。

藤井

僕の作る音楽と映像は合わないんですよ。僕の弾くジャズはすごく暗いんです。CG系の映像に合うのって、もっと「ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、」って曲の方が絶対合うじゃないですか。テクノっぽいものの方が。全然合わないんですそこは。

面白いですよね。ゼロ発信の気持ちは誰もがあるのに、それを音楽に向けている。

藤井

ゼロ発信するのは年賀状くらいですね。後はなんだろう。今までいっぱい作ってきた結婚式のビデオとかですかね。 それも発注者がいるじゃないですか。好きに作っていいよって言われても、そういうものでもないし…。

篠原

でも、藤井さんに結婚式のムービーを頼んだら、藤井さんのテイストでやってほしいです。

藤井

「ayato@web」は意識して、たまたまあのようになっているんですけど、あれは実写を使わずにAfter Effectsの中だけで完結するようにしないといけないじゃないですか。 だからあえてそうしているだけで、普段は別に実写の仕事もやっているし、クロマキーも使っています。そういうのはTIPSとして載せられないから、結果的にああいうテイストになっているんですね。 だからあれがすべてだと思われても違うかなという。そういう縛りを設けてやっている感じですよね、あれは。

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僕らは藤井さんのゼロ発信見てみたいと思いますよね。

藤井

そうですね。ゼロ発信…そのうち出来るのかな。なんだろう、料理人みたいに自分のことを思っているので、食べてもらう人がいないと作り始められないというか、食べてくれる人に対して、どういうのを食べたいですかと、コミュニケーションしていくのが第一なんですよね、映像に関しては。 そういった意味では、「ayato@web」はみんなが欲しそうなものを増やしていっているから、あのような形になったのかもしれないですね。

モーショングラフィックス業界への影響

篠原さんは自主制作で休みの日に作ったりされているんですよね?

篠原

私も高校が服飾デザインの専攻で、映像なんてその頃は全然知らなかったんです。将来はデザイナーになりたいなというぐらいにしか考えていなくて、ある時、ファッションショーするということになり、映像があったらショーが盛り上がるじゃないですか。 そこで初めて映像を作って、「映像って面白いな」って思い始めました。そこから専門学校に通い始めたんです。 元々デザインをするのが好きなので、PhotoshopやIllustratorは触っていたんですけど、自分で動かすことができるAfter Effectsに出会って、そこからどんどん広がって。なので、藤井さんと同じような感じだと思います。

藤井

すごく可能性を感じますよね、After Effectsに。

篠原

私も技術を使って、自分の作品に何か生かせないかと考えることがすごく楽しかった。 眼球が魚になって泳ぎ出すっていうアニメーションなんですけど、魚の尾ビレをカードダンスやカードワイプで作ったり、そういった発想が膨らんでいくのがすごく面白かったです。

藤井

まさかそんな使われ方をしているとは思なかったですね。魚になるとは。さすが上級者は応用力が違いますね。

篠原

映像を作りたいけど、自分で作れるかどうか分からないという人たちの登竜門としては、すごく活躍したんじゃないかなと思います。そしてプロになった人たちは、次は自分たちで開発していくと思うので。

さっき藤井さんがおっしゃっていたように、全部を公開せずに試行錯誤する部分も残しておくところに、すごくサービス精神を感じます。

藤井

そこまで深く考えたことはなかったですけど、結果的にそのようになりましたね。

世の中のAfter Effects使いに伝えたいメッセージなどはありますか?

藤井

僕のサイトを見てくれていた人達は、もう時間がたって仕切る側に回っていたりしている人が多いと思うので、本当にありがたいなというか。

そんなつもりはなかったのに、結果的に日本のAfter Effects業界に影響力を持つ人になっていますよね。

藤井

本当にそんなつもりはなかったですね。途中に英語版を作ったら、海外からもアクセスがあった時期があって、メールも1日に10通ぐらいかな。23時くらいに帰宅してメールを開くと、質問メールが10通くらい来ていて、その半分くらいが英語なんです。それを全部見て返事を書くんですけど、それが結構毎日だと辛くて…。

お返事するところがすごいよね。

藤井

プロジェクトファイルをつけて送っちゃえば楽なんでしょうけど、それをやっちゃうとプロジェクトファイルを公開していない意味がなくなっちゃうので、あなたの作った途中のファイルを送ってくれというふうに返して、途中のファイルが送られてくるわけです。それを立ち上げて、ここがまずいんだなというのを添削して返していました。

なんでそこまでされていたんですか?使命感みたいなものですかね。

藤井

当時は、完成したプロジェクトファイルを渡さないほうが、相手にとって良いと思っていました。

篠原

面倒なので完成したファイルを送ってしまいそうですよね。

藤井

一時期、After Effectsのバージョンを全部インストールして、どのバージョンが来ても大丈夫なようにしていましたね。

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篠原

それはAfter Effectsをみんなに使えるようになってほしいという思いですか?

藤井

どうしてでしょうかね。今思うと「なんでしていたんだろう」と思いますけど、その頃はメールが来るのは当たり前というか。

そういったことも含めて、人気があるサイトになったんですかね。

藤井

地域の特産物を送ってくれる人とかいて、それが励みになっているって言うとあれですけど、「たまにいいものくれるからいいかな」みたいな。

今だったら、スカイプがあったりFacebookがありますけど、当時はメールしかないですよね。

篠原

Video Copilotがあるじゃないですか、あれは藤井さんのTIPSを見て真似したように感じるんです。 「ayato@web」は日本のテレビで流れていそうなもののTIPSが多くて使いやすいんですけど、Video Copilotは海外ドラマのワンシーンでありそうなTIPSがあるんですよ。

藤井

最初と比べたら、クオリティーが100倍くらい良くなっていますよね。

篠原

いろいろありますよね。独自でプラグインとか。

藤井

そう、彼こそAfter Effects成功者。

普段の仕事

彩人さんは普段どのようなお仕事をされているんですか?

藤井

テレビ番組のオープニングタイトルを作ったり、最近は編集用のテロップとかも合わせて「全部トータルでやります」みたいな仕事の受け方をしていますね。 カッコよく言うと番組のブランディングなんですけど、パッケージングっていう言い方をしています。テレビ番組は美術セットの人達や、番組のホームページを作っている人達、デザイナーと呼ばれている人がいっぱいいるんですよね。 連携をとって「ちゃんと見えるようにするにはどうしたらいいか」ということを真剣に考えています。

篠原

アートディレクション?

藤井

そうですね。そう言うと分かりやすいかもしれませんね。

篠原

番組の企画があって、その番組のデザイン一式をお任せっていう感じですよね。

藤井

そうでうすね、でもいろいろ課題もないわけではないです。

篠原

難しいんですね。

藤井

そういう仕事の受け方ってされています?

篠原

番組はあまりないですね。

藤井

番組じゃないとしても、一つの映像作品を作る時は、テイストが合っていないといけないじゃないですか。

篠原

商品を扱うことが多いので、その商品のイメージに合ったものを作りますね。

藤井

テレビの世界はすごく絶妙なバランスで出来ていますね。

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篠原

キャラクターも作ったりするんですか?

藤井

作りますよ(笑)

篠原

ボーダーレスは「どうすれば売れるのか」というコマーシャル系の映像が多いですね。「アイコンは反応率が赤色の方が高い」とか。

藤井

カッコよくすれば売れるっていうものでもないですよね。

篠原

少しカッコ悪い方が結果が出ますね。

藤井

そこは逆に勉強したいです。

デザインの創り方

色やデザインの発想方法はどのようにされているんですか?

藤井

TV番組はディレクターさんがいるので、その人と話をして、「とりあえずロゴを作りましょう。」という話に必ずなりますね。 そこから派生させていくっていうパターンが多いので、最初は企画書を見ながら、ロゴを4つ出すんですよ。4つ出して選んでもらって、そこから世界観を作るというパターンでいつもやっています。

篠原

例えば旅番組があって、芸能人が旅をしながら名所を回って行くという企画が来た時に、どういう発想をしてロゴを作っているんですか?

藤井

出演しているタレントさんだったり、番組のコンセプトって必ずあるじゃないですか。 それをロゴに反映しているのが、僕はいいロゴだと思っていて、それは雰囲気という意味でもそうだし、機能という意味でも、そのロゴを見ることで番組の内容がちゃんと説明できているようなものがいいですね。

篠原

4つのロゴを作る時は、どのくらいの時間をかけます?

藤井

2日3日くらいですかね。資料を集めて分類するので、実際手を動かすのは1日くらいですかね。

篠原

フォントから作る?

藤井

フォントから作りますね。日本語のロゴが多いので、英語のフォントをそのまま使うこともできない。

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今まで本の出版の話などはありましたか?

藤井

全部断っています。話は頂きますけど、僕は教えるより習いたいんですよね。

篠原

藤井さんは師匠みたいな方はいますか?

藤井

師匠?After Effectsの師匠。これは意外と難しいですね。誰かを手本にしてるというのはなくて、本当に世の中にある色々なものを参考にしていますね。

特定のアーティストとかは?

藤井

菱川勢一さんをすごく尊敬していて、目標はその人かもしれないですね。

篠原

何をされてる方なんですか?

藤井

テレビの仕事もするし、プロジェクションマッピングの仕事もするし、ファッションショーの映像を作ったりもするし、もっと幅が広くて、DRAWING AND MANUALっていう会社の代表の方だけど、大学の教授もやってたりすると。すごいバランスがいい方です。 気さくだし、ああいうふうにはなかなかなれない。文章書くのが上手だったりするんですよね。文系なのに理系のこともできて、デザインのセンスもあってという、うらやましい方ですね。

将来の目標などはありますか?

藤井

僕は人生設計を36歳までしかしていなかったんですよ(笑) もっとハングリーにならないとだめですよね。反省しています。

映像制作を志す人へ

最後に、映像制作を志す人に向けて何か。

藤井

プロとしてモーショングラフィックを目指す人ですかね?厳しいことを言うと、プロとしてモーショングラフィックだけをやるというのは今の時代、狭すぎる気がします。 僕は若かったころはモーショングラフィックで食べていけたんですけど、これからってどんどんテンプレート化が進んでいくから、かっこいいモーショングラフィックスって、素人でも作れちゃう可能性があると思うんです。 モーショングラフィックスだけに、あまり絞らない方がいいと思います。プロで映像制作をやっていく中で、「モーショングラフィックス専門です。それしかできません。」というのは、これからは通用しないと思うんですよ。 だから、モーショングラフィックスを好きなのはいいんですけど、他をちゃんと学んでからモーショングラフィックスに帰ってきてほしい。撮影や編集もそうだし、3DCGもそうだし、プログラムとか、色々やらなきゃいけないこともあるじゃないですか。

篠原

とても参考なります。この度はありがとうございました。

藤井

ありがとうございました。

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