ゲスト対談

モーショングラフィックス業界への影響

篠原さんは自主制作で休みの日に作ったりされているんですよね?

篠原:私も高校が服飾デザインの専攻で、映像なんてその頃は全然知らなかったんです。将来はデザイナーになりたいなというぐらいにしか考えていなくて、ある時、ファッションショーするということになり、映像があったらショーが盛り上がるじゃないですか。

そこで初めて映像を作って、「映像って面白いな」って思い始めました。そこから専門学校に通い始めたんです。

元々デザインをするのが好きなので、PhotoshopやIllustratorは触っていたんですけど、自分で動かすことができるAfter Effectsに出会って、そこからどんどん広がって。なので、藤井さんと同じような感じだと思います。

藤井:すごく可能性を感じますよね、After Effectsに。

篠原:私も技術を使って、自分の作品に何か生かせないかと考えることがすごく楽しかった。

眼球が魚になって泳ぎ出すっていうアニメーションなんですけど、魚の尾ビレをカードダンスやカードワイプで作ったり、そういった発想が膨らんでいくのがすごく面白かったです。

藤井:まさかそんな使われ方をしているとは思なかったですね。魚になるとは。さすが上級者は応用力が違いますね。

篠原:映像を作りたいけど、自分で作れるかどうか分からないという人たちの登竜門としては、すごく活躍したんじゃないかなと思います。そしてプロになった人たちは、次は自分たちで開発していくと思うので。

さっき藤井さんがおっしゃっていたように、全部を公開せずに試行錯誤する部分も残しておくところに、すごくサービス精神を感じます。

藤井:そこまで深く考えたことはなかったですけど、結果的にそのようになりましたね。

世の中のAfter Effects使いに伝えたいメッセージなどはありますか?

藤井:僕のサイトを見てくれていた人達は、もう時間がたって仕切る側に回っていたりしている人が多いと思うので、本当にありがたいなというか。

そんなつもりはなかったのに、結果的に日本のAfter Effects業界に影響力を持つ人になっていますよね。

藤井:本当にそんなつもりはなかったですね。途中に英語版を作ったら、海外からもアクセスがあった時期があって、メールも1日に10通ぐらいかな。23時くらいに帰宅してメールを開くと、質問メールが10通くらい来ていて、その半分くらいが英語なんです。それを全部見て返事を書くんですけど、それが結構毎日だと辛くて…。

お返事するところがすごいよね。

藤井:プロジェクトファイルをつけて送っちゃえば楽なんでしょうけど、それをやっちゃうとプロジェクトファイルを公開していない意味がなくなっちゃうので、あなたの作った途中のファイルを送ってくれというふうに返して、途中のファイルが送られてくるわけです。それを立ち上げて、ここがまずいんだなというのを添削して返していました。

なんでそこまでされていたんですか?使命感みたいなものですかね。

藤井:当時は、完成したプロジェクトファイルを渡さないほうが、相手にとって良いと思っていました。

篠原:面倒なので完成したファイルを送ってしまいそうですよね。

藤井:一時期、After Effectsのバージョンを全部インストールして、どのバージョンが来ても大丈夫なようにしていましたね。

篠原:それはAfter Effectsをみんなに使えるようになってほしいという思いですか?

藤井:どうしてでしょうかね。今思うと「なんでしていたんだろう」と思いますけど、その頃はメールが来るのは当たり前というか。

そういったことも含めて、人気があるサイトになったんですかね。

藤井:地域の特産物を送ってくれる人とかいて、それが励みになっているって言うとあれですけど、「たまにいいものくれるからいいかな」みたいな。

今だったら、スカイプがあったりFacebookがありますけど、当時はメールしかないですよね。

篠原:Video Copilotがあるじゃないですか、あれは藤井さんのTIPSを見て真似したように感じるんです。

「ayato@web」は日本のテレビで流れていそうなもののTIPSが多くて使いやすいんですけど、Video Copilotは海外ドラマのワンシーンでありそうなTIPSがあるんですよ。

藤井:最初と比べたら、クオリティーが100倍くらい良くなっていますよね。

篠原:いろいろありますよね。独自でプラグインとか。

藤井:そう、彼こそAfter Effects成功者。

普段の仕事

彩人さんは普段どのようなお仕事をされているんですか?

藤井:テレビ番組のオープニングタイトルを作ったり、最近は編集用のテロップとかも合わせて「全部トータルでやります」みたいな仕事の受け方をしていますね。

カッコよく言うと番組のブランディングなんですけど、パッケージングっていう言い方をしています。テレビ番組は美術セットの人達や、番組のホームページを作っている人達、デザイナーと呼ばれている人がいっぱいいるんですよね。

連携をとって「ちゃんと見えるようにするにはどうしたらいいか」ということを真剣に考えています。

篠原:アートディレクション?

藤井:そうですね。そう言うと分かりやすいかもしれませんね。

篠原:番組の企画があって、その番組のデザイン一式をお任せっていう感じですよね。

藤井:そうでうすね、でもいろいろ課題もないわけではないです。

篠原:難しいんですね。

藤井:そういう仕事の受け方ってされています?

篠原:番組はあまりないですね。

藤井:番組じゃないとしても、一つの映像作品を作る時は、テイストが合っていないといけないじゃないですか。

篠原:商品を扱うことが多いので、その商品のイメージに合ったものを作りますね。

藤井:テレビの世界はすごく絶妙なバランスで出来ていますね。

篠原:キャラクターも作ったりするんですか?

藤井:作りますよ(笑)

篠原:ボーダーレスは「どうすれば売れるのか」というコマーシャル系の映像が多いですね。「アイコンは反応率が赤色の方が高い」とか。

藤井:カッコよくすれば売れるっていうものでもないですよね。

篠原:少しカッコ悪い方が結果が出ますね。

藤井:そこは逆に勉強したいです。