ゲスト対談

映画の魅力

向井:今おいくつでしたっけ?

田島:今年35です。

向井:僕が今42なので、近いっちゃ近いですけど、田島さんの世代って志した瞬間からビデオがある程度ありましたよね。

田島:そうですね。

向井:フィルムルックっていうんですか。映画的に作るという事が結構簡単だったじゃないですか。

昔僕が映画を志していた頃、周りの人間は、映画を作る事が目的になっていて、ロマンがあったっていうんですか。映画作りに対して。

家を担保にお金を借りて映画を作るんだ。映画を作れて手元にフィルムが残ってこれで良いんだ。そういうロマンがあったというか。

でも今ってその気になったら誰でも作れるじゃないですか。田島さんはどうなんですか?どういうロマンを持っているんですか?

田島:向井さんと歳が近いのもあって、僕も8ミリ16ミリが映画の崇高さっていうのを経験しての今なので、やっぱり映画に対しては僕の中での高みといいますか、そういうのは確実に持っている状態ですね。

映画のデメリットでもありメリットでもあると思うんですけど、映画は作るのにすごく時間がかかる。今の若い子達だったら、iPhoneで簡単に撮って、簡単に編集して、これ映画ですって出しちゃうかも知れないんですけど、僕はしないというか、したくないですね。

向井:映画ってイベント性って言うんですかね。一つは暗がりで、一つは画面を皆で観る。逃げられない空間の共有っていうのが、サーカスに近いものがあると思うんですよ。

田島:それが映画の醍醐味ですよね。映画館で観てこその映画なので。映画館で軟禁状態で観て欲しいっていうのが僕の中ではあって、自主映画の監督達は出口が無いので、映画祭に出すしか無いとか、もしくは1日だけカフェスペースを借りて上映っていう形で満足しちゃう場合があるんです。

僕は初めから劇場公開に矛先が向かっていて、DVDはその後勝手についてきたものなので、劇場公開出来たことが、僕の中ではカタルシスって言うんですかね。

向井:映画をすごく志していて青臭くやっている反面、クランクインする前から劇場公開を視野に入れて劇場に対して営業をしたり、何て言うんですか。中を取ってくれる人。

田島:コーディネーターさん、プロデューサー。

向井:コーディネーターさん、プロデューサーさんと付き合って、ある意味戦略的なこともやっているところが一歩出ているのかなと。自主制作は予算が無いし、そんなに有名な人が出る訳ではないんで、賛否両論になりやすいですし、正直我々が自主制作をするとちゃちくなるじゃないですか。

田島:なりますね。

向井:ハリウッド映画とかと比べて。なので内容云々ということよりも、そういう部分が非常に凄いなあって。あと、ちゃんと劇場に届けて誰かに観てもらうっていう、観せるところまでが映画だと思うので。

田島:映画祭に出してグランプリとか、賞は取りたいっていうのはあるんですけど、せっかく作ったからには全く知らない一般の方に観て頂いて、初めて映画を作ったっていう実感が湧くんで。

DVDを借りて観たっていうよりは、劇場に来て貰って文句の一つでも言ってくれた方が僕は確実に嬉しいですね。