代表取締役
向井 宏
ファウンダー/アートディレクター
篠原 智子
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代表取締役
向井 宏
大阪の映像専門学校在学中に病で倒れ、2年間休学。奇跡的に復帰した後は映像作りに没頭し、卒業後はフリーの映像制作者として独立。29歳の時にマレーシアへ渡り、映像を作りながら数年間の海外生活を送る。帰国後、2007年にボーダーレスを設立。
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ファウンダー/アートディレクター
篠原 智子
福岡の映像専門学校卒業後、東京の映像制作会社に入社。数年間経験を積んだ後退職し、ボーダーレスの立ち上げメンバーとして参画する。設立当初から社内のモーショングラフィック制作の中核を担っていた。現在はアートディレクターとしてチームを支える存在に。
ボーダーレスを立ち上げた2人が語る、これまでの15年間とこれからの話。
ボーダーレス設立の経緯について教えてください。
向井
もともと会社を作るつもりなんて全然なかったよ。ボーダーレスを設立する前、僕はマレーシアのクアラルンプールにいて、フリーで映像を作りながら過ごしてたんだけどさ。ビデオカメラとノートパソコンだけ担いで、中国大陸の方へ取材に行ったり、語学学校の映像を作ったり。クアラルンプールはすごくボーダーレスな街で、色々な国籍の方が各々の宗教を認め合いながらも一定の距離を置いて平和が成立してるんだよね。普通じゃ考えられないような危ない体験もしたし、とにかくダイナミックな暮らしをしてた。 それはそれで毎日楽しかったんだけど、走り続ける日々に少し疲れを感じたのと日本語が恋しくなったんだよね。 で、帰国して「もう映像はやめよう、旅は終わったんだ」って思ってたら昔の仲間が映像制作の仕事を紹介してくれて。1人でやるには難しそうな大きな案件だったから、仲間を集めようと思ったのがきっかけかな。
篠原
まだ私が前職の映像制作会社に勤めていた頃ですね。
向井
そうそう。それで、その仕事のためにチームを組んだ彼がさ、口も立つし編集もグラフィックも短期間で完璧にこなしてくるんだよ。「すごい…天才か!」って思ってたら、実はグラフィックの部分だけ僕の知らないところで篠原にこっそり依頼してたっていうオチだった(笑)最初全く知らなかったんだけど、たまたまその彼と篠原が同期で、同じ会社で働いてたっていう。
篠原
ハードディスクをギャランティにもらう代わりにグラフィック部分を引き受けてました(笑)
向井
自分の手柄にしてたのがすごいよなぁ(笑)それでその彼に、今の会社を辞めてこれからも一緒に映像制作をやろうよって誘ったら、法人化の話が出たから会社にした。
篠原
私はちょうど勤めていた映像制作会社を辞めようと思っていたタイミングで、「手伝ってほしい」と誘われたので加わったんですよね。はじめは全く「会社然」とした風でもなくて、フリーの集まりみたいな感じで。案件があるからみんなで作ろう、みたいな。
向井
3人しかいなかったしな。口コミで仕事をもらってたから今ほど忙しくもなかったし。
篠原
3人でやってたのは数年でしたっけ?
向井
いや、1年半くらいじゃないかな。場所も僕の自宅だったから、そのうちにもうちょっと会社っぽくしたいよねって話になって、秋葉原のシェアオフィスに移転する話が出たんだよね。
創成期~成長期のボーダーレスについて教えてください。
向井
その頃世間はちょうどリーマンショックで、一時期仕事が全然なくなったな。篠原にも給料を払えないから数ヶ月間どこかでバイトしていてくれないかってお願いして…
篠原
警備員のバイトをしてましたね。
向井
そうそう。それで秋葉原にオフィスを移転するタイミングで合流しようって約束して、リーマンショックが落ち着いた頃に秋葉原のシェアオフィスに移転したんだ。スタッフも1、2名増えてほんの少し会社っぽくなりはじめた感じかな。
篠原
そうですね。
向井
少人数だから牧歌的でさ、上下関係とかもないし楽しかったな。仕事は食える分だけやって、みんなで自主製作とかしようぜって話してたくらいだし。
篠原
私は、将来に対する不安もありましたよ。
向井
え、そうだったの?
篠原
私の世代って、学校を卒業したら就職して正社員になるっていうのが当たり前の時代だったので。今でこそフリーランスって一般的ですけど、当時はまだそんな概念はなくて会社に勤めるのが普通だったじゃないですか。なのに、正社員からフリーランスになってしまって…「会社っぽい」ところに所属はしているものの先行きはめっちゃ不安でしたね(笑)
向井
まぁ、そうだよね(笑)僕も映像制作者を志していた頃は人生棒に振るつもりでやってたから。マレーシアで1人で仕事してた頃から考えると信じられない生活だよ。
篠原
いわゆる会社らしくなったのは、Webサイトを制作してからですよね。お問い合わせが一気に増えて。
向井
そうだね。設立4年目とかかな。SEOに詳しい方と知り合って、僕自身がネットマーケティングの仕組みを勉強させてもらって。 当時はまだネットマーケはBtoCの市場がほとんどだったんだけど、話を聞いてBtoBでも絶対に活かせると思ったんだよね。こんなにネットが発展してるんだから、企業間でもネットを使ってビジネスをする時代がくるだろうって。 それに、本来なら継続的に営業すべきなんだけど、当時はまだそこまで会社が体系的になってないし、1件1件僕が顔を合わせてやるのも効率が悪いと思ってたからさ。けっこうしっかりお金をかけて、SEOに強いコーポレートサイトを制作したんだよね。 そこがターニングポイントというか、会社の転機だったと思う。そこから急激に案件が増えていったし。
篠原
まだまだ、4、5人でやっていた頃ですよね。うっしーとかコアメンバーはもういましたけど。当時はグラフィッカーが本当に少なかったので、すごい忙しかったのを覚えてます。自分の作品を制作したりしたい気持ちもあったんですけど、とにかくめちゃくちゃ忙しくてそれどころじゃなくて。
向井
すごい勢いがあった頃だよな。売上が毎年倍々になっていくような感覚。それで、オフィスを岩本町に移転して、スタッフも増やしたんだよね。
篠原
今の『make you crazy』のミッションが生まれたのもそのあたりですよね。向井さんが考えて。
向井
そうそう、人も増えたしちゃんと会社っぽくしないといけないよねって。 今思えばそれまでよく回ってたよね。篠原がいなかったらボーダーレスは存続できてなかったと思うよ。篠原だけが唯一しっかりしてた(笑)
篠原
初期の頃はみんなマイペースでしたね…(笑)
向井
篠原以外は僕も含めけっこう「なるようになる」っていう感じだから。
篠原
明日納品しなきゃいけない案件をある人が隠し持っていた事件とか…
向井
あったな(笑)
篠原
みんなで徹夜してやりましたよね。そんなことが続くうちに、思ったんですよ。自分がしっかりしなきゃ結局自分が大変になるって(笑)
現在のボーダーレスとお互いについて教えてください。
向井
でもこんなに立派な会社にするつもりはなかったっていう気持ちはあったな。篠原がしっかりしすぎたおかげで会社が大きくなったけど(笑)
篠原
私ですか?
向井
篠原は色んな面で能力が異常に高いんだよ。グラフィック作るのも天才的だし、クリエイターだけどちゃんと効率的にやるし、自分の考えを言語化することもできる。組織っていうのがいかに重要かを理解してるし。 曲がりなりにも社長だからさ、今までたくさんの人に出会ってきたけど、群を抜いて、すごいと思うよ。
篠原
そんなことはないですけど… でも会社がちゃんと成長していったのって、向井さんが早いうちから銀行対策をしてくれていたからだと思いますよ。クリエイター出身の人って一般的にはあまりお金のこととかわからない人の方が多いですけど。向井さんはクリエイターの出なのにきちんとお金のことを勉強して、経営に繋げてくれてましたし。
向井
資金調達は上手かったかもしれないね。でも僕は会社が15年存続してる1番の理由はやっぱりネットマーケだと思う。営業しなくてもお問い合わせをいただくことができるから。
篠原
ネットマーケにしても資金調達にしても、会社を存続させる要になる部分にいち早く気がついてくれて、実行していたっていうのは大きいですよね。
これからのボーダーレスについて教えてください。
向井
今は僕がこの会社でこんなことをやっていきたいっていうよりは、みんなが理想と思う会社を自分たちで作ってほしいっていう気持ちかな。危ない方に行こうとしたら止めるけど。バックオフィスやネットマーケに関しては僕が責任を持って、あとはみんなが思うようにやってもらいたいと思ってる。
篠原
そうですね。実際今は昔より色々な案件をやってますけど、トラブルなくやれているのはやっぱり関わっているみんなのおかげなのかなと思います。
向井
昔、「ボーダーレスって船で、約束の場所を目指してめざして航海している」っていう表現をしたことがあるけど、それでいうと今は理想の地を見つけたんじゃないかな。船が目的地に着くためには旗を振る指揮官が必要だったけど、その土地に腰を据えることになったらもういらないんだよね。統治者がいるより民主主義の方がいいと思うし。
篠原
そうかもしれないですね。
向井
象徴としての存在は必要かもしれないけどな。これからもみんな自身で考えて、自分たちの理想の会社を開拓していってほしいと思うよ。僕たちはそれを1歩引いたところから見守る役目かな。
ボーダーレス
お二人とも、ありがとうございました!
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