初めて自分で動画を作ったのは、高校生のときです。当時からYouTubeを見るのが好きで、「今見ているような動画って、自分でも作れるのかな？」と思ったのがきっかけでした。

それから動画制作ソフトを購入し、スマホで撮影した動画をPremiereで編集して、YouTubeへアップするという動画配信者のようなことをはじめました。流行りのネタを取り入れたショート動画を制作して、バズったこともあります。

機材を揃えたり、クオリティを突き詰めたりということは重視せず、スマホ1つでどうやったら面白い動画が撮れるのかをいつも試行錯誤していました。今あるものでできることをしたかったし、YouTubeにはそんな動画がたくさんあったからです。

大学生になる頃には、もっと本格的なグラフィックを作りたいという気持ちが生まれていました。大学の友達と一緒になってAfter Effectsのチュートリアルを見て勉強したり、Blenderを使って制作したりするうち、技術が身についていくのを感じました。

ただ、できることが増えると、その分自分の手が届かない範囲も見えてくるようになりました。

チュートリアルの制作に励むことで感じたのは「技術に振り回されて、応用が利かない」という感覚でした。手は動かせるし、チュートリアル通りのCGはできあがるけれど、逆に言えば同じものしか作れない。テレビや映画のグラフィックのように、意図に応じて武器を使いこなせるようになりたかったし、それがプロなのだという認識を持ちました。

もともとクリエイティブの仕事を希望していたこともあり、大学卒業後はボーダーレスへ入社を決めました。影響されやすい性格なので、真剣に映像に向き合う人たちに囲まれた環境で自分を追い込みたいと思ったのも理由の1つです。

現在は、遊技機のグラフィックを主に担当しています。今年で入社2年目になりますが、少し前に担当した案件で、チーフCGデザイナーのムツさんに「これ（自分で）作ったの？すごいかっこいいと思う。」と驚かれたことは嬉しくて印象に残っています。

最初の頃はAfterEffectsでの制作が苦手で、試行錯誤しながら効率的なワークフローを身に着けてきました。しかしそのときに担当した遊技機案件は、通常のワークフローと違ったため、僕にとっては大きな挑戦だったのです。

苦手だと思って、避けていたことに向き合った結果だったので、ムツさんの言葉はとても嬉しいものでした。もともと何でも理論立てて習得したい性格で、研究体質なところがあるのですが、それを知ってくれているからか「研究の成果が出たね」とも言われました（笑）

普段からはっきり評価を伝えてくれるチーフディレクターの臼井さんも、「めっちゃ良いね」の太鼓判を押してくれて。入社してこれまで、やってきたことは間違ってなかったと実感できた瞬間です。

挑戦してみたいことはたくさんあります。

まずは、「新宿東口の巨大猫」で有名なクロス新宿ビジョンの映像を作ること。あの3Dサイネージに挑戦したいです。

あとは、クラブやライブ会場のVJ（ビデオジョッキー）映像の制作にも携わってみたいです。VJ映像の派手な演出や視覚効果は遊技機のグラフィックにも通じるところがあると思います。最近は抽象的な映像だけじゃなく、音楽に合わせて3Dキャラクターが飛び出してくるようなものまであって、エンタメの進化と面白さを感じています。

自分自身、楽曲制作をしていることもあり、音楽と映像をかけ合わせたコンテンツにはすごく興味があります。音楽やエンタメ、アートなどは、今後もっと経験してみたいジャンルです。

せっかくこういった業界に身を置いているので、トレンドの市場にはどんどん参入して、これからも色々な可能性に挑戦していくつもりです。