物心ついたばかりの頃、親から『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を見せられたのが、映像に興味を持った1番最初の体験でした。

子供なのでストーリーの深いところまで理解していたわけではありませんが、ただただ「おもしろい！」と思って夢中で見ていたのを覚えています。スターウォーズは今でも自分のなかの原点です。

そこから大人になるまでずっと映画や映像が好きで、映画館にも頻繁に通っていました。多いときは、月に10本くらい映画を見ていた時期もあります。

高校卒業後の進路を決めるとき、映像制作に携わりたいという思いで都内の映像専門学校へ入学を決めました。実写とCGどちらも学ぶことができる学科で、カメラの取り扱いから撮影技法、編集、CGソフトの使い方など、包括的に身に着けることができました。

授業のなかでも1番好きだったのは、やはり実写合成です。実写で撮影をしたものに、後からCGを合成するのですが、見慣れた風景に違和感やギャップを生み出す作業がとても面白くて。SFが好きなこともあり、熱心に取り組んでいました。

その後、専門学校を卒業し、プロダクションマネージャーとしてボーダーレスへ入社しました。

自分にとって2回目の撮影現場で、悔しい思いをしたことは心に残っています。

すごく忙しい現場で、香盤表もかなり詰めこまれているような状態だったのですが、自分はプロダクションマネージャーとして全然動くことができなかったんです。専門学校時代に授業でやった撮影とプロの現場では、全く話が違うと改めて感じました。

もちろん先輩スタッフもいますが、それぞれ役割があるのでつきっきりで指示をもらうわけにもいきません。自分だけが何をしたらいいかわからず、ただ立っているような、そんな状態でした。あまりに動けない自分に対して、周りが失望しているようにも感じました。1つ1つ説明してもらわないと何もできなかったことにショックを受け、猛省しました。

後から考えると「こうすればよかった」と思うことがたくさんありました。ただ、前回のことは前回のこととして、次に活かすことを考えるようにしました。

1回目、2回目で現場でのプロダクションマネージャーの動きを一通り知ることができたので、次の現場ではできるだけスムーズに撮影を進行させるためのフォローに気を配りました。例えば、カメラマンさん1人で複数のカメラを扱わなければならない場合、すぐにカメラチェンジができるよう隣に待機して、三脚やパーツをスタンバイするなど、撮影の妨げにならないように行動しました。

徐々に現場での動きがわかるようになり、自分から行動できるようになったのは、初期の経験や悔しさがあったからこそだと思います。現場で得た経験を取りこぼさず次の現場へ活かしていくことは、今も実行していることの1つです。

企画に関しては自信がある分野なので、自分の武器として伸ばしていきたいと考えています。採用された企画はディレクターとして担当するのですが、ディレクションに関してはまだ学ぶことが多いと感じています。CGデザイナーとの連携や的確な指示出しなど、先輩スタッフの技術を盗んでいるところです。

ボーダーレスは比較的2Dグラフィック案件が多くて、3DCGの案件は少ないので、個人的には今後もっと3DCGの案件もやってみたいです。もちろんお客さまのニーズとマッチすればですが、自分は実写×CGの作品が好きなので、機会があれば企画を出して、自分が担当するのが目標です。

将来は、自分の代表作のようなものが1本作れたらと考えています。MVやショートムービーなど、自分の頭のなかにあるものを表現できるような映像が作れたら嬉しいです。