かっこよくて魅力的な企業VPを制作したい!動画制作のポイントや事例を解説
2024.06.17
自社の企業VPを制作するとき、 “顧客や採用希望者に響く「かっこいい」 動画にしたい” と思ったことはありませんか?
「かっこいい」と感じる動画や映像を見たことはあっても、いざ作るとなると 何が「かっこいい」のか、どうすれば「かっこいい」と感じてもらうことができるのかわからなくて悩むことは多いかと思います。
企業VPは露出の機会が多く、会社の顔になるため、曖昧な目的のまま制作した動画では反対にイメージダウンにもなりかねません。
本記事では、動画制作本数10,000以上の実績を持つボーダーレスが、創業17年間の経験で得た「かっこいい」企業VPについての情報をまとめました。かっこいいとは何なのか、かっこいい企業VPを作るにはどうしたらいいのかについて、事例を交えて解説しています。
【この記事でわかること】
- 「かっこいい」企業VPとは何か?
- 動画の「かっこいい」を構成する6つの要素
- 「かっこいい」企業VP事例のポイントを考察
- 「かっこいい」企業VPのよくある疑問Q&A
「かっこいい」企業VPとは何か?
企業VPとは、企業が特定の情報を発信するために制作する動画のこと。動画の目的は商品・サービスのプロモーションや、ブランディング、採用活動など様々です。
メリットや活用シーンなどの基本情報については企業VP動画制作サービスのページで詳しく解説しているのでそちらを参考にしてください。
「かっこいい」を明確に定義するのは難しいですが、見る人がかっこいいと評価する映像には、大きく2つの要素が関わっています。
① ビジュアル的なかっこよさ
ビジュアルとはつまり、見た目がかっこいいことです。
まず注意すべきは、見た目のかっこよさは人それぞれ感じ方が違うということ。多数の人が支持する一般的なベースのようなものはありますが、美的感覚が全く違う人が同じものを見たとしても、それぞれ感想は異なります。
加えて動画の場合、かっこいいかどうかに影響するのは見た目(デザイン)だけではありません。BGMや撮影手法、編集などの要素が複合的に絡みあってかっこよさを表現しています。
そのため、企業VPでいう「ビジュアル的なかっこよさ」とは単に見た目を指すのではなく、「動画の演出を含めたかっこよさ」ということになります。
では、企業VPでビジュアル的なかっこよさを感じてもらうにはどうしたら良いのでしょう?
実は、後述の「内面的なかっこよさ」を視覚化することが、「ビジュアル的なかっこよさ」をアピールすることにもつながります。自社の魅力を視覚化し、ビジュアルに落とし込むこと=「自社のかっこよさ」の演出になるのです。
人によって受け取り方は異なりますが、万人にかっこいいと感じてもらう必要はありません。自社に共感して欲しい人が「かっこいい」と思える動画であればいいのです。
② 内面的なかっこよさ
内面とは、物事の考え方や行動心理、ビジョンのことです。
「内面的なかっこよさ」と聞くとわかりにくいですが、「自社の魅力」ならイメージしやすいかもしれません。内面的なかっこよさを伝えるためには、まず自社の魅力的な部分や理念を洗い出してみましょう。
企業に属する人の多くは、自分自身もその魅力に共感し、惹かれたからこそ入社しているのだと思います。かっこいい企業VPを作りたいと希望しているのも、自社のかっこいい面を誰より理解しているからこそ。かっこよさとは外で見つけるものではなく、すでにあるものから見つけていく、ブラッシュアップしていくものだと考えましょう。
ただし、見出し①の「ビジュアル的なかっこよさ」でも前述しましたが、かっこいいと感じるかどうかは人それぞれです。それは、内面的なかっこよさに関してもいえることです。
動画の「かっこいい動画」を構成する6つの要素
静止画の「かっこいい」と動画の「かっこいい」では、複雑さが変わります。
静止画の場合、かっこよさの判断基準の大部分は視覚的要素にゆだねられます。つまり、見た目(デザイン)が重要だということです。デザイン性が高いものや、見る人の好みにマッチしているものが「かっこいい」と評価されることが多いでしょう。
一方、動画の場合、視覚的なかっこよさに加えて聴覚からの情報も判断基準に加わります。さらに、映像と音の組み合わせによる演出やストーリー、ナレーション、視聴する側のメンタルや捉え方などが複合的に混ざりあい、「かっこいい」という感覚を生み出しています。
そんな「かっこいい動画」を構成する要素は主に6つあります。
① 企画構成要素
目的を果たすための企画内容のこと。
新商品のプロモーションをしたい、自社の認知度を上げたい、採用活動を強化したい、など動画によって達成したい目的に合わせて自社の魅力(=内面的なかっこよさ)を伝える構成を練りましょう。
② ビジュアル要素
色合いやデザイン、構図、撮影時の照明、など視覚的な要素のこと。
例:インタビューの画面デザイン
上図の通り、人物の配置・背景・カメラの構図・色合い・照明・テロップデザインなど、ビジュアルだけの要素によっても、かっこいいと受け取られるかどうかが変わります。
③ カメラワーク要素
カメラワークとは、ドローン撮影やスタビライザー※を使った滑らかな移動撮影、スローモーションやタイムラプスなど、撮影技法のこと。かっこいい企業VPを制作するときは、カメラワークも重要な要素の1つになります。
※手ブレを防ぐために使うカメラアクセサリ―。ほぼ同じ用途で回転台を搭載しているものに「ジンバル」がある。
④ 編集要素
効果的なトランジション※やエフェクト、テンポの良いカット編集、サウンドの雰囲気に合わせた編集などのこと。編集の要素が見る人に与える影響は、一般視聴者の方が想像するよりとても大きなものです。
※動画の場面転換などで、カットとカットのつなぎに使われる効果(エフェクト)。
⑤ サウンド要素
映像とシンクロした音楽や効果音、雰囲気を引き立てるBGM、見せ場を印象付けるサウンドなどの要素のこと。
⑥ ユニークな視点やアイデア
他にはないオリジナリティが感じられる企画やストーリーなどの要素のこと。
「かっこいい」企業VP事例のポイントを考察
では、「かっこいい」と思わせる企業VPとは具体的にどのような動画なのでしょうか?
上記の6つの要素を踏まえ、1本の動画について「なぜかっこいいのか?」を考察しているので参考にしてください。
■ボーダーレスの企業VP・会社紹介動画の事例はこちら
『佐藤製線グループ 企業紹介PV』のかっこいいポイント
※他社制作動画
企業概要:1946年宮城県亘理町にて創業。建設産業をメインに、線材製品の製造・販売や、セラミック素材の開発・加工・販売などを担う。東北地方を基盤とし、地域社会の発展を目指した地域密着型の活動を展開している。
① 企画構成要素:多くを語らず、メッセージが頭に残る
企業VPのなかでも、本動画は「ブランディング動画」または「コンセプト動画」に分類されます。これらは、企業の持つ価値観やメッセージを伝える役割を持っています。
社長や社員のインタビュー、ナレーション、テロップなどを多用していないにも関わらず、東北に強い思いを持った歴史ある企業であることが一目で伝わる構成になっています。
「東北への想いは、さらに深く。」や「今日も東北を支えていく。」などのメッセージと、釘が深く打ち込まれていく演出がリンクして、さらにメッセージ性の強さを引き出しています。
② ビジュアル要素:モノと人の対比
釘や工場の様子、部品などの無機質なモノと、働くスタッフが映るシーンでは、画の色や雰囲気がまるで違うことにお気づきでしょうか?
無機質なモノのシーンでは重厚な雰囲気を感じさせる照明・色合いに、スタッフなど人物のシーンでは朗らかに笑っている様子を映したり、黄色などの明るい色を使っています。これは、モノと人の対比を際立たせるテクニックです。
対比を作ることで全体的に重くなりすぎず、人の温かみがより際立つような企業VPになっています。
③ カメラワーク要素:動的なものをFIXして撮影
工場の機械や人など、動くものが多いため全体的にカメラはFIXで撮影されています。
一般的にはカット割りが難しくなる手法ですが、本動画のように上手くつなげることができれば見る人の印象に残る映像にすることができます。
④ 編集要素:軸のある編集
本動画では、“釘” が1つのメッセージの軸でもあります。その釘の映像が、動画全体の軸になっています。
釘は静的な動きをしているのに対し、工場内の映像や人の映像は動的な動きをしています。
前述の「②モノと人との対比」のように、動的な映像の間に静的な映像を挟み込むことで、メッセージの軸である “釘の存在感” が際立つようなカット割りになっています。
⑤ サウンド要素:会社を表現したサウンド
前半はBGMというより、釘を打つ音や、機械の音を使って音楽が作成されています。途中で入るスタッフの笑い声も効果音というよりも音楽の一部のようになっています。
動画の最後の方になるとそれらの環境音が合わさり、ひとつのBGMになっていきます。
モノづくりの会社であることをサウンドでも表しつつ、独自のかっこ良さを演出しています。
⑥ ユニークな視点やアイデア:グラフィックデザインに頼らない
社歴の長い企業では昔の写真をインフォグラフィックスで紹介するケースが多いですが、本動画の場合、全体の雰囲気に統一感を持たせるためにグラフィックデザインを使用していません。
スクリーンに写真を投影し、それを撮影するというアナログな方法で社歴を紹介しているのもユニークです。
「かっこいい」企業VPのよくある疑問Q&A
「かっこいい」企業VPを制作するときに気になる点やよくある疑問をまとめました。
Q. 予算がないので撮影できないのですが、それでも企業VPは作れますか?
A. グラフィックと購入素材だけでも作ることができます
※ボーダーレス制作動画
Q. 事務所が汚くて雑多な雰囲気なのですが、かっこいい映像にできますか?
A. 工夫次第で可能です
例えば、インタビューは白ホリスタジオ※で撮影したり、会議室を借りたりして、背景をきれいに見せることができます。
事務所の撮影についても、雑多な雰囲気にならないよう背景をぼかして人物にフォーカスをあてるなど、技術によってカバーすることも可能です。
※壁面と床面の境界線をわかりにくくしたスタジオのことで、真っ白なバックで撮影ができる。
Q. インタビューで話す内容を覚えることができないのですが、大丈夫ですか?
A. カメラに目線を向けたまま原稿を見られる機材があるので大丈夫です
原稿が覚えられない場合は、「プロンプター」という機材を使って撮影をします。
ハーフミラーと呼ばれる特殊な鏡を使用した機材で、原稿を映したハーフミラー越しにカメラを設置することで、出演者は目線を下げずに原稿を読むことができます。
「かっこいい」企業VP まとめ
「かっこいい」企業VPは、さまざまな要素が絡み合ってできています。
見た目(デザイン)だけがかっこよくても、その他の要素と調和がとれていなければ「かっこいい」企業VPにはなりません。反対に、中身(内容)だけがかっこよくても、それを上手く映像へアウトプットできなければ「かっこいい」企業VPを作ることはできません。
視聴者を引き込み、見る人に「かっこいい」と感じてもらえる企業VP制作の裏側には、企業の人たちの想いやそれを汲み取った映像制作者の試行錯誤が存在しています。
企業の顔として長く活用されることを考えると、知識がない状態で制作するにはややリスクのあるジャンルといえます。企業VPの新規制作やリニューアルを考えているのであれば、経験豊富なプロに依頼することをおすすめします。
ボーダーレスでは、目的に合った企画や編集はもちろん、ナレーションにこだわった企業VP制作も得意としています。企業の内面的なかっこよさを視覚化し、ブランドや商品を効果的にPRできる企業VP作りなら、ぜひご相談ください。