展示会動画の効果とは?活用事例や成功のポイントを制作会社が解説
2024.06.04
展示会は、自社の商品・サービスの魅力をアピールする絶好の機会です。上手くチャンスを活かせば、新規顧客の開拓や認知拡大など大きな成果が見込めます。
一方で、会場内には多くの競合が並んでいるため、自社のブースに足を止めてもらうのは容易ではありません。展示会での集客を成功させるには、来場者の興味を引きつけるオリジナリティやインパクトが何より大切です。
そこで、効果的なプレゼンテーション手段として注目されているのが展示会動画の活用です。音と映像の両方から情報を伝えられる動画なら、来場者の理解を促しやすく、展示会での商談にも大きく貢献してくれます。
実際に当社でも、業界・業種問わず展示会用の動画制作のご依頼をいただく機会は非常に多いです。
本記事ではそんな当社の経験を基に、展示会動画のマーケティング効果や、種類ごとの目的の違いをまとめました。実際の展示会で動画がどのように活用され、成功に貢献したのか、具体的なポイントも紹介しているので参考にしてください。
【この記事でわかること】
- 展示会動画のメリットと効果
- 展示会動画の種類と特徴
- 展示会動画の活用事例と制作のポイント
- 動画を活用して展示会で成果を出すには?
展示会動画のメリットと効果
動画は、見る人の視覚と聴覚へ同時に訴えかけることができるプロモーションツールです。実写映像、アニメーション、図解、ナレーション、BGMなどの組み合わせによって、文章や静止画だけでは難しい内容をわかりやすく伝えることが得意です。
シズル感※ や雰囲気など、写真ではイメージしにくい内容を感覚的に伝えられるのも動画の良さです。担当者の能力に左右されず、いつでも・誰でも・誰にでも同一の情報を提供できるのも動画ならではでしょう。
そのような特徴から展示会やイベントなど直観的な理解が求められる場とは親和性が高く、活用するメリットも大きいです。
※主に食材や料理の宣伝の際に使われる表現。食欲や購買意欲を刺激するみずみずしさや臨場感のこと。
メリット1:ブース内への誘導ができる
展示会動画は、音や映像の演出によって通りすがりの見込み客の足を止め、ブース内へ誘導するフックの役目を果たしてくれます。
様々な出展ブースが立ち並ぶ展示会では、競合より「目立つ」ことが重要です。一般的に、展示会の来場者が各ブースの前を通り過ぎる時間はわずか5秒ともいわれています。
もちろん悪目立ちは逆効果ですが、まず目に留まらなければ接客の機会も生まれません。短い時間で端的に情報を伝え、オリジナリティやインパクトを感じさせる動画を上手に活用することで、展示会会場での接客チャンスを生み出すことができるでしょう。
メリット2:商品・サービスの使用イメージを伝えることができる
自社の商品・サービスについて、実際に使用するイメージをリアルに伝えることができるのは展示会動画ならではのメリットです。
購入後のイメージを想像させ、ニーズを掻き立てることで顧客獲得のチャンスにつながります。実物(商品)の近くにモニターを設置し、使用シーンや口コミ映像などを再生することで、来場者によりリアルな疑似体験を提供することができるでしょう。
無形商材の場合も、動画であれば使い方や魅力をわかりやすく伝えることができます。言葉や静止画だけで説明されるよりも格段に理解しやすくなるため、来場者が購入を検討するきっかけになるでしょう。
メリット3:展示会スタッフの人数を縮小できる
展示会動画は、ブランドヒストリーや商品の取り扱い方法など、定型的な情報を伝えるのにも有効です。
事前に内容をまとめておけば、動画をリピート再生させるだけで来場者へ向けて勝手に情報提供をしてくれます。当日のスタッフが最小限で済むため、人件費のコストカットにもつながります。
また、商品のデモンストレーションを動画に任せてしまえば、来場者との商談に集中できるのもメリットです。貴重な人員を接客に割くことができるので、効率的にマーケティングができ、費用対効果のアップも期待できるでしょう。
展示会動画の種類と特徴
展示会で活用される動画は、大きく分けて4種類あります。
効果を最大化するためには、展示会の目的や顧客のニーズに応じた適切な種類を選択することが大切です。
① 商品紹介動画
商品の概要やデモンストレーション、製造へのこだわり、使用イメージなどを紹介する展示会動画。主に来場者に商品の魅力を伝え、理解してもらう目的で使われます。
商品に触れられたり、実際に試すことができるブースの場合 |
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商品紹介動画は+αの情報を得られるような内容にするのがベターです。 |
ブースに商品を持ち込むことができない場合 |
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商品の外観やギミックなど、より詳細な内容の動画が効果的です。 |
また、展示ブースのどこにモニターを設置するかによって、動画の内容を変えるのも有効です。設置場所による違いについては、後述の「ポイント3:モニターの設置場所によって再生する内容を変える」の見出しで詳しく解説しています。
② サービス紹介動画
無形商材のサービスを紹介する展示会動画。主な目的は、商品紹介動画と変わりません。
イメージがわきにくい無形商材で成果を出すには、「どのようなサービス」で「どのようなメリットがあるか」をいかに簡潔にわかりやすく伝えられるかがカギです。動画ならではのメリットを活かし、目に見えないサービスの特徴を視覚化することで来場者の共感を得やすくなります。
▼サービス紹介動画の効果的な作り方や事例をこちらの記事で紹介していますのでご覧ください。
③ ブランディング動画
企業のブランドイメージや、商品・サービスのブランドコンセプトを映像化した展示会動画。その場での目的は販売よりも認知であることが多く、採用活動などにもよく使われます。
ブースを設営する場合、ブランドのイメージカラーや雰囲気に合わせて空間デザインを統一するのが一般的ですが、そこにブランディング動画を加えることで聴覚からもブランドイメージを印象づけられるようになります。
静的な空間に動画がプラスされることで、来場者にとってより魅力的なブースを作ることができるでしょう。
④ ティザー動画
ティザー(Teaser)には「じらす」という意味があり、ティザー動画とはいわゆる「予告動画」のようなものを指します。
ブランディング動画と同様に認知拡大の目的で使われることが多く、数10秒~数分程度の短い尺のなかで限られた情報を紹介するのが特徴です。
あえて商品・サービスの全貌を伝えず、意図的に一部の機能だけを紹介することで、視聴者の期待感や興味を煽る効果があります。
映画の予告編のように上手く期待感を盛り上げる演出ができれば、見た人に続きを知りたいと思わせることができるでしょう。
ティザー動画によって生まれた疑問や好奇心をきっかけに、商談へもっていくこともできます。
展示会とは相性の良い手法で、動画を見た後すぐにその場で実物を確認したり、スタッフに質問したりできるのも良いところです。
展示会動画の活用事例と制作のポイント
前述の4種類の展示会動画について、それぞれの活用事例をご紹介します。
自社の目的やターゲット層と照らし合わせて、参考にしてみてください。
① 商品紹介動画の事例
株式会社ウィズ・アス 様|『新制毛機OltreDUE(オルトレドゥエ)』プロモーション動画
※ボーダーレス制作動画
尺(映像の長さ):53秒
制作のポイント |
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来場者に興味を持ってもらうため、インパクトのある演出を意識したタイポグラフィ動画。目立つSEやBGMを採用し、高級感のあるデザインにもこだわりを持たせた。詳細は展示会スタッフによって説明されることが前提なため、製品の概要やスペック、ユーザーへのメリットなどを簡潔に紹介している。 |
株式会社イデアポート 様|『ROLSER』商品紹介動画
※ボーダーレス制作動画
尺:5分46秒
制作のポイント |
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製品を使用するシチュエーションを分かりやすく映像化。実物は展示会会場で手に取ることができるため、「どのように使うか」をイメージさせる構成にしている。様々な年代・性別のキャストを起用しているのは、どの層のユーザーにも刺さるようにとの思惑。製品の世界観に合わせ、スタイリッシュでおしゃれな雰囲気を演出している。 |
② サービス紹介動画の事例
株式会社サンブリッジ 様|『PLBソリューション』サービス紹介動画
※ボーダーレス制作動画
尺:2分19秒
制作のポイント |
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複雑なサービス内容を説明するのに最適なインフォグラフィックスを採用。展示会会場の喧騒で音が聞き取れないこともあるため、ナレーションなしでも内容がわかるようテロップで簡潔に説明している。 |
③ ブランディング動画の事例
横河電機株式会社 様|『FieldMate』プロモーション動画
※ボーダーレス制作動画
尺:1分2秒
制作時のポイント |
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製品の特性上、短い動画内で完璧に機能をご理解いただけるような内容は難しいという前提があった。「それよりも単純に印象的な映像を作りたい」というお客さまの強いご要望に沿って企画を練り、興味のきっかけになる “映像としてのかっこよさ” を重視して制作。展示会の来場者に足を止めて見てもらえるよう、目を惹くようなトランディション(画面切替時の効果のこと)や見た目が「映えるかどうか」にも注力している。 |
④ ティザー動画の事例
株式会社アマナイメージズ 様|『Qlean』展示会用販促動画
※ボーダーレス制作動画
尺:43秒
制作時のポイント |
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すべての情報を伝えるのではなく、「なんだろう」と思わせるフレーズを意識して使用。見ていて気持ちの良いモーショングラフィックスに仕上げた。「Qlean」の頭文字「Q」で型抜きされた沢山の画像は、展示会ブースの壁紙に合わせたデザインを採用している。 さらに具体的な活用事例やポイントについては、イベント・展⽰会動画サービスのページで紹介しています。 |
展示会動画を活用して成果を出す4つのポイント
展示会で成果を出すには、動画の制作・活用をするときに抑えておくべきポイントが4つあります。
ポイント1:動画に視覚的なインパクトを持たせる
競合ひしめく展示会会場内で人々の足を止めるには、動画にインパクトのある動きやアニメーションを取り入れることが重要です。視認性の高いテロップデザインを使用するなど、一目でメッセージが明確に伝わるわかりやすさも意識しましょう。
ポイント2:動画内の音にこだわる
オフィスや自社の展示場などと違い、展示会会場内は雑音が多い環境です。周囲のブースの音や人々の話し声に負けないよう、BGMには強弱を持たせると良いでしょう。
印象的な効果音を使い、特定の場面やアクションを強調する方法も有効です。音によって社名やサービス名、商品名を繰り返し強調することで、来場者の記憶にも残りやすくなります。
ポイント3:モニターの設置場所によって再生する内容を変える
会場内では、来場者の導線を意識したモニターの配置も必要です。モニターを設置する場所(視聴場所)によって顧客の意識が異なるので、展示会動画はそれに合わせた内容を再生しましょう。
ブースの入り口付近やメイン通路から目に入る位置に設置 |
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集客を目的としたインパクトのある展示会動画を再生します。 |
ブース内に入っていただいたお客さま向けに設置< |
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商品・サービスのデモンストレーションなどより詳しい情報がわかる動画が良いでしょう。 |
ポイント4:動画の役割やメリットを考えて活用する
人が話すことで感情に訴えかけるようなシーンでは、人の声や表情を活かした接客の方が効果的なことがあります。例えば会話によって来場者の要望を引き出したり、企業に親しみを感じていただいたりということは、動画だけでは難しくなります。
一方で、動画に任せた方が効果的といえるのは、主に商品・サービスの説明です。一貫性を持たせたいシーンでは特に有効で、専門知識や技術的な詳細をわかりやすく説明するのにも適しています。繰り返し再生されるため、来場者が自分のペースで情報を得られるのもメリットです。
繰り返し行う必要がある商品・サービスのデモンストレーションや、モニターの中でしか表現できないダイナミックなアピールも、動画の活用がおすすめです。視聴した来場者がリアルな形で商品・サービスを疑似体験できるため、興味や関心を集めやすくなります。