手ブレしない撮影テクニックをプロが伝授【動画撮影】
2023.02.16
今回の『動画の学校 ボーダーレスゼミ』のテーマは、手ブレしない動画撮影方法について。
撮影現場でよく使われるハンドヘルドカメラを例に、手持ちの一眼レフカメラにも応用できるテクニックや具体的なポイントを解説していきます。
アシスタントはタレントの華綸(けりん)さんです。
手ブレしないための基本の撮影テクニックや、現場で役立つポイントを押さえておきましょう。
1. 手ブレを防ぐカメラの持ち方
動画の手ブレを防ぐには、正しいカメラの持ち方をマスターして習慣化させることが大事です。
① カメラを持つときは身体の3点で支える
右手、左手、胸など、どんなアングルやシチュエーションでも<必ず3点でカメラを支えることを意識する。
② ズームレバー使用時
右手、左手に加え肩を使うと安定感があり、液晶モニターも見やすい。
③ ファインダー使用時
グリップ、本体下部、アイカップ(目)などを使うと安定感が出る。
④ 壁やイスを上手く使う
壁やイスがある場合は身体をあずけると安定性がアップする。
⑤ 肘より下の位置で構えるときは?
ハンドルを持って固定させる。
⑥ マニュアルでピントを合わせるときは?
フォーカスリングに手を添えて固定させる。
⑥ 一眼レフカメラの場合は?
左手、右手に加えてファインダーを覗く目を使って固定させる。ストラップを短く張って安定させる方法もある。
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2. 手ブレを防ぐ撮影方法
初心者がやりがちな失敗や、手ブレを防ぐ撮影のコツを覚えておきましょう。
① カメラと身体は水平を保つ
3点でカメラを固定させたら、そのまま自分が向いている方向を撮影する。
② 撮りたい画角は身体ごと動かして撮影する
カメラだけを動かして撮影するのは、絶対にNG。
③ 失敗したくないときは広角で撮影する
望遠は上級者でも手ブレしやすい。
バストショットなどは広角のまま近づいて撮影した方が手ブレしにくい。
望遠:離れた場所を撮影できるが画角が狭い
広角:全体を捉えることができ、画角が広い
④ 縦のブレはある程度なら許容できる
人間の目は縦方向のブレに対しては意外と許容できる。
反対に横方向のブレ(水平方向のブレ)に対しては強い違和感を感じるため注意する。
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【豆知識】望遠レンズで手ブレを防止する対策はある?
手ブレしやすい望遠レンズを使用して撮影したい場合、防止するための対策はあるのでしょうか?
① シャッタースピードを上げる
望遠レンズを使用するときは、シャッタースピードを上げることで手ブレの解消に繋がります。
ただし、動画のシャッタースピードは1/60や1/100が一般的なため速すぎると違和感が出てしまうので注意しましょう。
また、シャッタースピードが速くなるとその分レンズに入る光量が少なくなり、シャッタースピードが遅いときよりも暗い映像になります。
その際は、ISO感度を上げたり絞りを開くことで明るさを調整することができます。
② 安定性の高い構え方を工夫する
手持ちで望遠レンズを使用する場合、広角レンズよりもさらに「構え」の安定感が重要になります。
カメラを3点で支えて持つことに加え、下半身をしっかり安定させることを意識しましょう。
周囲に木や建物などがあるシチュエーションなら、よりかかって撮影することで手ブレを軽減させることができます。
よりかかるようなものがない場合は、足を肩幅程度に開いて上下に少しずらすと安定しやすくなります。
低めのアングルで撮影する場合は、立て膝の姿勢で構えると上半身・下半身共に安定するのでおすすめです。
③ 手ブレ補正機能が搭載されたカメラや三脚を利用する
望遠レンズでの撮影を失敗したくないのであれば、もとから優秀な手ブレ防止機能が付いているカメラを選ぶのも手です。
スポーツやアクションシーンの撮影に多用されるアクションカメラや、家庭用のハンディカメラ、業務用ビデオカメラなど、カメラの手ブレ補正機能は一昔前に比べるとかなり進化しています。
手ブレ補正を上手に活用すれば遅めのシャッタースピードでも映像がブレにくくなり、初心者でも手ブレのないきれいな映像が撮れるようになります。
他には、撮影時の安定感を高めるために三脚を利用する方法もあります。
動画撮影用の三脚の選び方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。