順光・逆光・サイド光とは?違いと効果をマスターしよう【動画撮影初心者】
2023.03.17
今回の『動画の学校 ボーダーレスゼミ』のテーマは、撮影時の光の向きと効果について。順光・逆光・サイド光それぞれの特徴や違い、効果的な活用方法をレクチャーしていきます。
アシスタントはタレントの華綸(けりん)さんです。
【この記事を読んでわかること】
- 順光・逆光・サイド光の特徴と違い
- 日没後の屋外で光をコントロールするコツ
- 半逆光のライティングについて
順光・逆光・サイド光がコントロールできるようになると、動画撮影の技術が格段にアップします。映像だけでなく写真にも活かせるテクニックなので、しっかり押さえておきましょう。
1. 順光・逆光・サイド光の特徴と違い
順光・逆光・サイド光は、主光源(最も明るい光)・被写体・カメラマンの配置によって決まります。今回は例として、太陽光を主光源にした屋外での撮影について解説します。
① 順光による撮影映像
太陽が被写体の前方の位置にある(カメラマンが太陽を背にしている)場合。目で見た状態に近い色や形を表現できる。
メリット:被写体の輪郭をはっきりと撮影できる。
デメリット:やや印象が薄い。被写体にとっては前から光が当たるのでまぶしい。
例)人物の動きや形をしっかり見せたいとき
② 逆光による撮影映像
太陽が被写体の後方の位置にある(カメラマンが太陽に向いている)場合。雰囲気を演出できる。
メリット:輪郭がふんわりした印象になる。頬やあごなど影になる部分も柔らかく表現できる。
デメリット:被写体が暗くなりがち。適正に露出を調整しないと黒つぶれする。
例)料理の撮影(湯気がきれいに撮れるのでシズル感がアップする)
③ サイド光による撮影映像
太陽が被写体の横方向にある場合。光源がある側は明るく反対側に影ができる。
メリット:明暗がはっきり出る。立体感が出てドラマチックな印象を与える。
2. 順光・逆光・サイド光をコントロールするコツ
順光・逆光・サイド光をコントロールするためには、光源がどこにあるのか常に意識することが大切です。
日没後の屋外では?
太陽が沈んだ後は、街灯や看板のネオンなどが光源になることがある。
【豆知識】物撮りにおすすめな「半逆光」のライティングとは?
順光・逆光・サイド光の他に撮影現場でよく使われるのが「半逆光」のライティングです。
半逆光の特徴とメリット
半逆光とは、主光源を被写体の真後ろから左右どちらかに斜め45度程度ずらした状態のことです。主光源が被写体の真後ろにある逆光と、被写体の真横にあるサイド光のちょうど中間地点のあたりと考えるとわかりやすいかもしれません。
半逆光は、適度な陰影によって被写体の立体感や質感を際立たせることができるライティングです。被写体全体をふんわりと映す逆光に対し、適度に輪郭を捉えることができるのが特徴です。
また、強い陰影でドラマチックさを表現するサイド光に比べると、自然で作り込み過ぎない立体感が演出できるのも半逆光のメリットです。
半逆光が多用される場面
半逆光のライティングが特によく使われるのは、「物撮り」です。物撮りとは、人物や風景ではなく商品や雑貨などの「物」を撮影するシーンのことです。
なかでも料理(食べ物)の撮影では、半逆光のライティングで撮るのが基本といわれるほど多用されています。半逆光のライティングから生み出される光と影の効果は、シズル感が重要な料理撮影とは相性が良いためです。
食材が持つ瑞々しさやツヤ感、盛り付けの立体感、出来立ての臨場感などを強調することに長けているので、「美味しそう」な画を撮るためには欠かせません。
スマホでの写真撮影にも応用できる
半逆光での物撮りを意識すると、動画だけでなくスマホでの写真撮影も格段に見栄えが良くなります。
カフェやレストランで料理の写真を撮る人は少なくないですが、順光だとのっぺりした特徴のない写真になってしまいがちです。
そんなとき、可能であれば背面に窓がある場所へ料理を移動させるなどして、ライティングの位置を半逆光に調整してみましょう。影やハイライトをカメラで捉えることができるようになるので、一味違った仕上がりになるはずです。