訴求効果のあるサービス紹介動画とは?制作のポイントや活用事例を紹介
2024.05.23
自社のサービスを顧客へ紹介するために、動画は非常に有効なツールです。
動画は文章や画像に比べて情報量が多く、イメージしにくい無形サービスの特徴や魅力を直観的に伝えることができます。
本記事では、訴求効果のあるサービス紹介動画を作りたいと考えている方に向け、制作のポイントや活用事例をまとめました。
【この記事でわかること】
- サービス紹介動画とは?
- 訴求効果が高いサービス紹介動画の法則
- サービス紹介動画の種類(表現方法)と活用事例
- BtoB・BtoCの違い
- サービス紹介動画制作のポイントと注意点
サービス紹介動画とは?
ここでいうサービスとは、「無形商材」のことを指します。
【無形商材の例】
- 生命保険の契約
- PCウィルスソフトのダウンロード
- 人材教育オンラインセミナーの入会
- コンサルティングの契約
など
実体のない無形商材をアピールする場合、有形商材に比べると使用感やメリットが伝わりにくいのがネックです。商品を手に取ることができないため、顧客が手に入れた後の達成感やベネフィットを具体的にイメージしにくく、プロモーションに工夫が必要です。
そんな無形商材のプロモーションツールとして有効なのが、サービス紹介動画です。
【サービス紹介動画のメリット】
- 文字や静止画に比べて多くの情報を短時間で伝えられる
- 複雑で難解な内容も直観的にわかりやすく伝えられる
- 「タイパ※」を気にする現代人と相性が良い
- 動画ならではの様々な表現方法がある
- エモーショナルな動画で感情に訴えかけることができる
- 長い文章に苦手意識を持つ人でも気軽に視聴できる
- SNSとの親和性が高い
- 担当営業の能力に左右されずに同一の情報を提供できる
- 目と耳の両方から情報を得るため記憶に残りやすい
※タイムパフォーマンス
サービス紹介動画の主な目的は、自社サービスの特徴や魅力、活用方法などを顧客や潜在顧客に伝え、価値を感じてもらうことです。文章や画像だけでは伝わりにくい魅力やベネフィットも、動画なら音や映像を使って視覚化することができます。
訴求効果が高いサービス紹介動画の法則
訴求効果が高いサービス紹介動画には、いくつか共通の法則があります。
①「イメージ」を具体的に表現している
実際の利用シーンや利用後の変化など、イメージを可視化することでユーザーの理解を深める。
②「感情」と「体験」に焦点をあてている
無形サービスは感情と体験が評価の要。利用者の口コミや具体的な満足ポイントなどを強調することでユーザーの信頼性を高める。
③「価値」を明確に打ち出している
そのままでは目に見えにくい無形サービスの価値を明確に言語化。ユーザーの利益やメリットを示し、ユーザーの課題解決のためにどのようなアプローチができるかを打ち出す。
④「説明」を怠っていない
サービスの特性や利用方法を十分に説明し、全く知らないユーザーでも理解できるようにする。デモンストレーションも有効な手段。
サービス紹介動画の種類(表現方法)と活用事例
サービス紹介動画にはいくつかの種類(表現方法)があります。
どれを選ぶべきかはサービスの内容や動画の目的、予算などによって変わるため、自社の方針と合わせて検討しましょう。
こちらではボーダーレスのサービス紹介動画の制作実績を例に、それぞれの特徴やポイントを解説しています。
① インフォグラフィック動画
テキスト、図形、アイコン、チャート、グラフなどを活用し、情報を視覚的かつ動的に表現する動画。
【主な訴求効果】
複雑な情報を視聴者にわかりやすく伝えることができる。
【活用事例①】
株式会社フィナンシェ 様|『FiNANCiE』サービス紹介動画
※ボーダーレス制作動画
制作のポイント |
---|
聞き慣れない言葉が多く出てくるため、単純な図形を使ってシンプルに表現。 シンプルさを残しつつ印象に残すため、SEでアクセントをつけ、サービス名のビジュアルに合わせたデザインや配色にするなど工夫を凝らしている。 |
【活用事例②】
transcosmos online communications株式会社 様|LINE@メッセージングツール『KANAMETO』プロモーション動画
※ボーダーレス制作動画
制作のポイント |
---|
「とにかく簡単」なことを伝えるため、テロップなどで強調。 スマホ画面にイメージ画像をはめ込むことで、実際にサービスを利用するイメージを抱かせやすくする。 |
② ストーリーテリング動画
物語(ストーリー)を通じて、商品やサービスのメッセージや価値を伝える動画。
【主な訴求効果】
視聴者の興味を引きつけ、感情的なつながりを生み出す。ブランドへの関心や信頼を高めることができる。
【活用事例】
東京テアトル株式会社 様|マンション売却相談センター『売却のメリット』紹介動画
■「お部屋そのまま」篇
■「クレーム心配ゼロ」篇
■「スケジュール早期確定」篇
※ボーダーレス制作動画
制作のポイント |
---|
ドラマ仕立ての広告動画は、視聴者を飽きさせないように短い尺で作ることが多い。 短い時間のなかで世界観を作り出すため、役者、ロケーション、台詞選びは特に熟考を重ねる。 1つの動画にアピールポイントを何個も詰め込まない(バージョンを分けて、1動画1メッセージにした方が伝わりやすい)。 |
③ ソーシャルメディア(SNS)広告用動画
ソーシャルメディアプラットフォーム(Facebook・Instagram・X・YouTubeなど)で広告として配信する目的の短い動画。
【主な訴求効果】
拡散力があるため、効果的に使用することでプロモーションやマーケティング活動のコストパフォーマンスが向上する。
【活用事例】
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ 様|プロモーション動画
SNOW Japan株式会社 様|カメラアプリ『スノー/SNOW』プロモーション動画
※ボーダーレス制作動画
制作のポイント |
---|
サービスの特徴を活かした企画にする。再生回数を伸ばすため、一見して興味を惹くようなタイトルをつける。 視聴者に印象づけるため、サービス内容と全く関係のないシチュエーションと掛け合わせるのも有効。 既視感があるドラマ仕立てにすることによって、最後まで視聴したくなる動画になる。 |
④ デジタルサイネージ用動画
デジタルサイネージ(デジタル看板やディスプレイ)を使用し、告知や広告、案内などを映像として表示させるための動画。
【主な訴求効果】
商業施設、交通機関、公共スペース、店舗など、視聴者が屋外にいるシーンで宣伝や告知ができる。
【活用事例①】 放映場所:店舗
B-R サーティワン アイスクリーム株式会社 様|お持ち帰り専門店『サーティワン to go』紹介動画
■バラエティボックス紹介
■フレーバーセット紹介
※ボーダーレス制作動画
制作のポイント |
---|
音声がなく、にぎやかな場所で放映されることを想定し、目立つモーションや派手なデザインにする。 ハード(デジタルサイネージ)の形状に合わせてデザインする。 |
【活用事例②】 放映場所:街頭ビジョン
株式会社エキスプレス社 様|『龍角散ダイレクト』プロモーション動画
※ボーダーレス制作動画
制作のポイント |
---|
巨大なデジタルサイネージによって多くの視聴者に見られるシーンで放映されるため、企業のブランディング・イメージへの影響も考慮する。 視聴者に与えたいイメージをしっかりと共有したうえで進行する。 |
⑤ デモンストレーション動画
商品の使い方やサービスの機能を実写動画やアニメーション動画を用いて紹介する動画。
【主な訴求効果】
実際の操作手順が実演されるため、サービスがどのように機能するのかをわかりやすく説明できる。
【活用事例】
株式会社TMJ 様|『みえサポ』サービス紹介動画
※ボーダーレス制作動画
制作のポイント |
---|
実際の画面とアニメーションを融合させることで、よりわかりやすい構図を用いた説明ができる。 シンプルなイラストで説明することによって、機能に注目させることができる。 |
BtoBとBtoCの違い
BtoBサービスを紹介する動画と、BtoCサービスを紹介する動画では、想定する視聴者の知識レベルや訴求ポイントが違います。
効率良く成果をあげるためには、動画のターゲットに即した企画や表現方法を選択しましょう。
BtoBサービス紹介動画の特徴
1.内容の専門性が高い
ビジネス向けのサービスやソリューションを提供しているため、専門的な内容になることが多い。専門性の高い内容をいかにわかりやすく説明するかが重要。
2.重点的な説明を求める傾向
サービスの内容によっては、視聴者が十分な理解を得るのに時間がかかるケースもある。長尺になってもいいのでデモンストレーション動画などで理解を深めてもらうことが重要。
3.ビジネス課題へ焦点をあてた内容
視聴者の主な関心事は、業務効率アップなどビジネス目標の達成にある。ビジネス課題を特定し、サービスの利用によってその課題が解決することをアピールする。
BtoCサービス紹介動画の特徴
1.感情的なつながりを重視
視聴者の感情やライフスタイルに焦点をあてることが重要。サービスを利用することで生活が豊かになることをイメージさせる。
2.魅力的なデザインを好む傾向
視覚的な魅力やエンターテイメント性が高い動画が好まれる。美しい映像や音楽、ストーリーテリングを活用し、視聴者の興味を引きつけることが重要。
3.SNSを意識した短い尺
視聴者はあらゆる広告を受動的に目にするため、短い時間でアピールする必要がある。簡潔でわかりやすく、印象に残るメッセージが効果的。
さらに具体的な活用シーンや制作事例については、商品・サービス紹介動画制作のページで紹介しています。
サービス紹介動画制作のポイントと注意点
サービス紹介動画を制作するときのポイントや注意点をまとめました。外注・内製、どちらのケースでもあてはまるので、ぜひ参考にしてください。
① 目的を明確にする
サービス紹介動画に限ったことではありませんが、動画を制作するときは目的をあらかじめ決めておくことが重要です。
動画によって得たい効果や、解決したい社内の課題など、「なぜサービス紹介動画を作る必要があるのか?」を書き出してみましょう。
テーマをブレさせないためには、1つの動画には1つの目的を設定するのがベターです。もし複数の目的がある場合は、目的ごとに動画を制作するか、優先度の高い目的に絞って設定することをおすすめします。
(例)
- 潜在顧客や見込み客にリーチしてサービスの認知度を上げたい
- サービスの特徴やメリットをわかりやすく伝えたい
- ブランド力をアップさせて信頼性や信用性を確立したい
- 顧客にアクションを起こさせて有料会員数を増やしたい
など
② ターゲット(ペルソナ)を設定する
ターゲット(ペルソナ)は、サービス紹介動画の視聴者として設定する人物像のことです。
①で設定した目的達成のために、どのような人に動画を見てもらうべきかを考えましょう。制作を外部へ依頼する場合、目的とターゲット(ペルソナ)を共有することでより希望にマッチした企画や構成を提案してもらえるメリットもあります。
広告配信などのシーンでは、ペルソナに属したターゲット層を設定することで動画の再生回数やコンバージョン率のアップも期待できます。
【ペルソナの設定例】
- 年齢:35歳
- 性別:男性
- 居住地:東京都渋谷区
- 仕事:会社員(営業部門、中間管理職)
- 最終学歴:大学卒業
- 家族構成:妻と2歳の子供が1人
- 収入:年収600万円
- インターネット利用状況:平日は主に通勤時と夜間に情報収集のためスマートフォンを利用。週末はノートパソコンを仕事に利用することもある。
- よく使うSNS:YouTube、X
- 性格:責任感があり社交的で人当たりが良い
- 職場でのスタイル:要領は良いが、職場の上司や部下に信頼されているため仕事量も多い。
- プライベートでのスタイル:趣味を楽しみながら家族との時間を大切にしている。子供の成長を見るのが楽しみ。
- 趣味:スポーツ観戦、キャンプ、アウトドア全般
- 嗜好:甘いものやジャンクフードが好き
- 気になること:健康診断でB判定が増えはじめたこと
③ サービスの魅力を洗い出す
②ターゲット(ペルソナ)を設定したら、人物像に対してどんなメリットがあるのか、サービスの魅力を洗い出しましょう。魅力はそのまま訴求ポイントになります。
【訴求ポイントの例】
今回は、健康管理アプリのサービスを想定しています。
- <カスタマイズ性>ユーザーの健康状態や目標に応じて、個別にカスタマイズされた健康管理プランを受け取れる。
- <インターフェース>シンプルなインターフェース。複雑な設定が不要。ユーザーフレンドリーなデザインと直感的な操作性にこだわり、中高年ユーザーでも使いやすい仕様。
- <記録と分析>食事や運動の状況を手軽に記録できる。記録したデータはAIが分析し、健康状態の把握や改善の提案を行う。
- <目標設定>ユーザーが設定した目標への到達をAIがサポート。進捗状況を可視化することでモチベーション維持に役立つ。
- <情報収集> 健康に関する最新のニュースや専門家によるアドバイスを提供し、ユーザーの健康意識を高める。
- <コミュニティ> 同じ目標を持つ他のユーザーとのコミュニティを提供。励まし合いや情報交換が手軽にできる。
【ペルソナに向けたコンセプト例】
身体のケアが気になりはじめたミドル世代に向けて、忙しい生活のなかで健康を維持するための便利なサービスとして紹介する。サービスの利便性と効果を強調し、仕事や家事、育児、趣味に忙しいユーザーでも、健康管理を怠らずに楽しみながら続けられる点を訴求する。
④ 適切なフォーマットを選択する
①~③の内容が定まったら、動画に適切なフォーマットを選択しましょう。動画のフォーマットは、動画を放映する場所や想定しているデバイス、ジャンルなどによって変わります。
効率的に成果をあげるには、シーンに合わせた適切なフォーマットでサービス紹介動画を制作することも大切です。
フォーマットについてはやや専門的な内容になるため、動画制作会社に相談すると失敗がありません。①~③の内容と併せて、想定している利用シーンなどを共有し、適切なフォーマットを提案してもらいましょう。