商品紹介動画の作り方とは?有形商材の魅力を引き出すコツを解説
2024.11.21
商品紹介動画は、商品をプロモーションする有効な手段のひとつです。
一方、動画の内容によっては商品のよさが伝わらず、むしろブランド価値を毀損してしまう恐れがあります。目的とターゲットを明確にし、ポイントを抑えた作り方が重要です。
本記事では、動画制作の実績を持つボーダーレスが、自社の商品を効果的に紹介する動画の作り方を解説します。有形商材と無形商材の違いやBtoBとBtoCの違いなどを含めた実践的な制作方法やポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてください。
商品紹介動画とは?
商品紹介動画とは、商品や製品の特徴や機能、利点などを視覚的に紹介する動画のことです。
商品には無形商材であるサービスやデジタル商品も含まれますが、本記事では有形商材である物理的な商品の紹介動画について詳しく解説します。
無形商材と違い、有形商材の商品紹介動画では、商品を実際に映像で見せることができます。
使用している様子やサイズ感、質感を視覚的に分かりやすく届けられ、商品のイメージが湧きやすいのが特徴です。その反面、映像のクオリティが商品のイメージを左右するため、高品質な映像が求められます。
動画による商品紹介は、インターネットやスマートフォンの普及により一般的となりました。
動画のメリットは、文章や画像より情報量が多いのにもかかわらず、直感的に理解しやすい点です。商品紹介動画は、ポイントを抑えた制作を実施できれば、高い訴求力が期待できます。
商品紹介動画を活用する目的
効果的な商品紹介動画を制作するには、目的を明確にすることが重要です。
1つの動画には1つの目的を設定するのが理想的です。動画で得たい効果や社内の課題を整理し、優先度の高い目的に絞って設定しましょう。
商品紹介動画を活用する目的を3つご紹介します。
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① 商品の認知度アップ
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② 商品の購入促進
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③ アフターフォロー
①商品の認知度アップ
商品紹介動画は、新商品やブランドの特徴を視聴者に直感的に伝え、認知度を高めるのに有効です。
視覚と聴覚の両方に訴えることで記憶に残りやすくなります。
SNSの拡散を通じて広範囲にアプローチが可能で、ターゲット層に対し自然に興味を引き出します。
新規顧客への良い第一印象を形成し、テキストでは伝えきれない商品コンセプトやブランドイメージを効果的に伝達でき、短期間で多くの消費者に印象付けることが可能です。
②商品の購入促進
商品紹介動画で商品の特徴や使い方を具体的に示すと、視聴者の購買意欲が高まります。
デモンストレーションや使用シーンを紹介することで、消費者が商品に対して具体的なイメージを持ちやすくなり、理解と信頼が得られます。
レビューやユーザーの声を加えるとさらに効果的です。
③アフターフォロー
商品紹介動画はブランドの認知拡大や商品の購入促進だけではなく、購入後のサポートとしても活用可能です。
商品の使い方やメンテナンス方法を説明したり、使用に関する疑問やトラブルを解消することで、顧客満足度が向上します。
さらに、定期的なアップデートや追加情報の発信により、顧客との長期的な関係構築も図れます。
有形商材の商品紹介動画で視聴者にどのようにアピールできるか?その効果は?
目的が定まったら、次に具体的にどのように商品をアピールするかを決めましょう。有形商材の商品紹介動画を視聴者に効果的にアピールする方法は数多く存在します。
アピール方法とその効果を実例を挙げながら詳しく解説します。
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① 商品の外観を詳細に見せることができる
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② 実際の使用シーンを見せることができる
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③ 製品の機能をデモンストレーションすることができる
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④ サイズ感をわかりやすく表現できる
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⑤ 商品の特徴を強調できる
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⑥ 製造過程を紹介できる
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⑦ ユーザーレビューやテスト結果を見せることができる
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⑧ 商品の組み立てやメンテナンスの容易さを示すことができる
①商品の外観を詳細に見せることができる
有形商材の商品紹介動画は、商品の外観を詳細に見せることができます。
映像を通して商品の見た目や手触り感をリアルに感じさせることで商品の魅力を引き出します。
細かいデザインや特殊なパーツをアップで映し出すことで、詳細な説明も可能です。
また、360度の全体像を見せることで、商品の立体感を視聴者に伝えることもできます。
このような映像効果により、視聴者の中に「実物を見たい」「触れてみたい」という欲求を自然に引き出し、商品への関心を高められます。
【実例】ホイップる フラワースイーツセット テレビCM
※ボーダーレス制作動画
ポイント |
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・ホイップクリームのリアルさや可愛らしさを引き立てるため、絞り出すシーンは何度も撮り直しています。 ・ターゲット層がわくわくするようなデコレーション例を数多く紹介し、視聴者に「自分でもかわいいデコレーションがしてみたい」と感じてもらえるよう工夫しています。 |
②実際の使用シーンを見せることができる
有形商材の商品紹介動画は、実際の使用シーンを再現することで、商品が日常生活や特定のシチュエーションでどのように役立つかを具体的に示すことができます。
想定される消費者が共感できる状況や場所で商品を紹介するのがポイントです。
さらに、商品を使用することで得られる体験やメリットもリアルに表現することが重要です。
映像に共感することで、視聴者が商品を使っている自分をイメージしやすくなり、購買意欲が高まります。
【実例】ROLSER商品紹介
※ボーダーレス制作動画
ポイント |
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・ターゲットに近い年齢層やライフスタイルのモデルを複数人起用し、さまざまなシチュエーションを見せています。 ・ブランドのイメージを壊さないように、映像のトンマナ(トーン&マナー)に考慮しています。 |
③製品の機能をデモンストレーションすることができる
有形商材の商品紹介動画は、新商品や複雑な機能を持つ商品でも、具体的な使い方を映像で解説できます。
使いやすさや他にはない機能を目に見える形で伝え、動作のスムーズさやパフォーマンスをリアルに表現することが可能です。
商品のデモンストレーションにより商品を使用する際のイメージを具体的に持つことができ、購入後の満足度が想像しやすくなります。
【実例】RF美顔器 フォトプラス使い方動画
※他社制作動画
ポイント |
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・複雑な操作方法については、テロップで要点を一つひとつ丁寧に補足しながら説明しています。 ・映像だけでは分かりづらい部分には、矢印などのアイコンを使用しています。 |
④サイズ感をわかりやすく表現できる
有形商材の商品紹介動画は、商品の大きさを実際の生活サイズで示すことができます。
室内や屋外など、実際に商品が使われる環境で撮影することでイメージがしやすくなります。3Dモデルや回転ビューなどを使って立体感を伝えることも可能です。
視覚的にサイズ感をしっかり伝えることで、視聴者が商品を購入した際の空間への適合性や使いやすさを判断しやすくなり、購入後のミスマッチを防げます。
【実例】毎日に極上の心地よさを【ニトリの電動リクライニングソファ】
※他社制作動画
ポイント |
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・実際に人がくつろいでいるシーンを通じて、商品の大きさを視覚的に伝えています。 ・男女の体格差を活用し、サイズ感をさらに分かりやすく示す工夫も取り入れています。 |
⑤商品の特徴を強調できる
有形商材の商品紹介動画は、商品の特徴や独自性を他の商品と比較しながら強調できます。
具体的なメリットを視覚的に説明することで、視聴者に「この商品は自分のニーズに合っている」と感じてもらうことができます。
商品の利点が明確に伝わるため、他の製品との差別化が図れ、視聴者の購入意欲を高める効果が期待できます。
【実例】龍角散ダイレクト「Rap篇」60秒 株式会社龍角散
※ボーダーレス制作動画
ポイント |
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・実写映像に加え、効果を視覚的に伝えるイラストも使用して表現しています。 ・メインターゲットとは異なる年代層へのアプローチとなるため、その点を意識した演出を取り入れています。 |
⑥製造過程を紹介できる
有形商材の商品紹介動画は製造過程を紹介することで、信頼性や品質の高さをアピールできます。
職人技や高精度な技術を映像で示すことにより、製品が丁寧に作られている様子が伝わり、視聴者に安心感を与えます。
また、環境配慮やサステナビリティへの取り組みを共有することも可能です。
製造過程の紹介は商品に対する信頼以外にも、企業の誠実さや透明性を証明する役割を果たし、ブランドイメージの向上が期待できます。
【実例】生まれ変わる複合機 Refreshedシリーズ【キヤノン公式】
ポイント |
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・製品を見ただけでは判断が難しいため、こだわりのポイントを分かりやすく説明しています。 ・モーショングラフィックスを多用し、視聴者が退屈しないよう工夫しています。 |
⑦ユーザーレビューやテスト結果を見せることができる
有形商材の商品紹介動画は、ユーザーレビューやテスト結果を活用して、実際の満足度や感想を伝えられます。
また、第三者によって性能や安全性が確認されたことを示すことも可能です。さらに、権威ある人物のレビューやコメントを盛り込むこともできます。
客観的なデータを示すことで、商品の信頼性を高め、視聴者に安心感と購入意欲を与える効果が期待できます。
【実例】スリーランナー社『マスク・BEVOR』商品紹介動画
※ボーダーレス制作動画
ポイント |
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・「百聞は一見に如かず」というように、視覚で判断できるような実験方法を取り入れています。 ・他の製品と同じ条件で実験を行い、当製品の優れた特性を強調することで、その違いが一目で分かるよう工夫しています。 |
⑧商品の組み立てやメンテナンスの容易さを示すことができる
有形商材の商品紹介動画は、商品の組み立てやメンテナンスがいかに簡単かを示すことができます。
複雑な手順が不要である点や、長期的な使用や手入れのしやすさを紹介することで、購入後の扱いやすさをアピールすることが可能です。
また、必要なものがすべてそろっていることを動画で伝えることで、購入後の扱いに対する不安が解消されます。
その結果、視聴者に「扱いやすい商品」として印象を与え、購買意欲を高める効果が期待できます。
【実例】PÄRUP/ペルプ ソファ組立て方法
※ボーダーレス制作動画
ポイント |
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・全体を同じ角度で映す固定カメラと、細かい部分をアップで映すカメラのカットを効果的に使い分け、視聴者が混乱しないよう工夫しています。 |
有形商材の紹介動画の制作のポイント
上の章で紹介したように、有形商材の商品紹介動画では様々なアピール方法があります。しかし、そのメリットを十分に生かせるように、動画制作の過程で気を付けるべきポイントがありますので、ご紹介します。
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①動画のクオリティが商品のイメージを決定する
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②商品を過剰に演出しない
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③サイズ感を分かりやすくする
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④使い方を分かりやすくする
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⑤機能説明とエモーショナルな要素とのバランス
①動画のクオリティが商品のイメージを決定する
商品の質感やデザインを正確に伝えるために、照明やカメラ、音声など様々な撮影技術が必要です。
特に食品の場合はシズル感を演出するのが重要です。
また、実際に撮影できないくらい大きなものだったり、カメラで写せない部分を表現したい場合は、3DCGなどで表現する必要があります。
特にブランディング動画の場合は、映像の質が商品の価値に直結することになるため、映像制作の十分な経験が必要です。
②商品を過剰に演出しない
映像のクオリティは高いにこしたことはありませんが、現実と乖離しすぎた映像や誇張された表現は逆効果になります。
現代ではYouTuberによる開封動画などのリアルな商品紹介動画があるので、その動画とイメージが乖離してしまうと、消費者に不信感を与えてしまいます。
商品紹介動画は、品質とリアルさの両方を追求しましょう。
③サイズ感を分かりやすくする
購入後にサイズのミスマッチが生じないように、大きさを分かりやすく伝えることが重要です。
サイズ感を分かりやすく表現するには、ターゲットとなる人物像に近いモデルを起用し、商品と一緒に撮影することが有効です。
予算の都合でモデルを起用できない場合は、イラストやシルエットを配置したり、身近なアイテムである日用品や家具家電などで比較するとよいでしょう。
④使い方を分かりやすくする
使い方を分かりやすく伝えることで、購入後のイメージが湧き、購買意欲が高まります。
複雑な操作はスローモーションやズームイン、リプレイで表現、テキストで要点を補助し、アイコンなどで注意点を伝えるのが有効です。
使用前後の比較を見せるなど、使ったことがない人の目線に立って、使い方を分かりやすく表現しましょう。
⑤機能説明とエモーショナルな要素とのバランス
商品の良いところや機能面をただ説明するだけでは、視聴者の心に響かず印象が薄れてしまいます。
特に競合が多い商品では、視聴者の感情に訴えかけるストーリー性が求められます。「自分ごと化」してもらえるように、その商品を手に入れたら「今とどのように変わるのか」を強調して伝えることが重要です。
商品紹介動画では機能面と感情面のバランスが重要になってきます。
BtoBとBtoCで変わる制作のポイント
BtoBとBtoCとではターゲットや目的が変わってくるので、制作時に特に気にしなければいけないポイントを解説します。
BtoB向け
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①具体的な数値の情報提供をする
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②専門的でシンプルなトーンを意識する
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③複数の決裁者を意識する
①具体的な数値の情報提供をする
BtoB向けの商品紹介動画の場合、企業では個人の判断で商品を購入できないため、具体的な数値の提供が重要です。
部下が上司に稟議を通す際に有効なデータを盛り込みましょう。
例えば、導入によって得られる投資対効果や、実証データ、コスト削減率などになります。
②専門的でシンプルなトーンを意識する
BtoB向けの商品紹介動画のトンマナはビジネス向けの落ち着いたトーンを意識し、商品のイメージに合ったスタイルを採用します。
ポップでカラフルになりすぎないようにしつつ、洗練されたデザインを心掛けましょう。
BtoCとは違い、過剰に感情へ訴えかけるのではなく、Bfore・Afterの比較を行ったり、グラフや図表を使用して視覚的に伝えたりと、内容の正確性や論理性を強調するのが重要です。
③複数の決裁者を意識する
BtoB向けの商品紹介動画では商品導入の決裁者が1人とは限りません。
また、決裁者がどのような肩書を持っているかによって、決済を決定づけるポイントが変わることに注意する必要があります。
そのため、複数の視点を持った内容構成にする必要があります。
例えば、経営層向けの視点なら、事業全体へのインパクトやコストパフォーマンス、ROI(投資利益率)などに注目すべきです。
また、マーケティング部門向けの視点なら、商品やサービスがどのように売上を伸ばし、顧客を獲得できるかに注目します。
さらに、技術担当者(エンジニア・IT部門)向けの視点なら、商品の技術的な仕様や導入の容易さ、互換性、保守性などを重視するとよいでしょう。
BtoC向け
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①感情に訴えかける演出やストーリー性
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②ターゲット層に合わせた演出や言葉選び
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③直感的に理解できる情報設計
①感情に訴えかける演出やストーリー性
一般消費者向けの動画は、商品のスペックや特徴も必要ですが、それ以上に感情へ訴えかけることが重要です。
時には、緊急性や重要性、問題意識を強く持たせて、不安感をあおる手法も有効です。
しかし、過剰な演出は反発や炎上のリスクがあるので注意してください。
商品を使用することで得られる「体験」をリアルに伝えることで、一般消費者が楽しさや安心感、共感などを感じられるように工夫しましょう。
②ターゲット層に合わせた演出や言葉選び
一般消費者向けの動画は個人が商品購入の決定を促すため、年齢や性別、ライフスタイルなど、ターゲット層に合わせた演出が重要です。
例えば、若年層であればカジュアルな表現、シニア層であればユニバーサルデザインなどの落ち着いたトーンが有効です。
パーソナライゼーションを行うことで、「この商品は自分のニーズに合っている」と感じてもらい、購買意欲を高めましょう。
③直感的に理解できる情報設計
BtoCの視聴者はBtoBの視聴者に比べて、短時間で情報を得たいと考える傾向があります。
そのため、分かりやすさとテンポ、最初のインパクトが重要です。
例えば、アイコンやアニメーションなど視覚的な表現で直感的に理解できるようにしましょう。
米国で最も有名なコンテンツマーケティングサイトの一つであるBacklinkoでは、動画の最初の10秒が視聴者の離脱を防ぐ鍵としています。
視聴者が瞬時に商品に価値を見出し、購入の意思決定ができる工夫が求められます。
まとめ
商品紹介動画は、商品の魅力を視覚的に伝え、消費者の購買意欲を効果的に高める手法です。
テキストや画像だけでは伝えきれない詳細や使い勝手、利用シーンなどをリアルに表現できるため、視聴者が商品をイメージしやすくなります。
有形商材と無形商材の違いやBtoBとBtoCの違いを理解することで、効果的な動画の制作が可能です。
一度制作すればSNSやYouTube、Webサイトなど複数の媒体で活用でき、認知拡大やブランディング強化に活用できます。
特にプロモーションの改善や新しい手法でのアプローチを検討している企業にとって、商品紹介動画は効果的な選択肢です。消費者ニーズに寄り添った動画制作を通じて、競合と差別化したプロモーションを実現しましょう。