企業担当者必見!縦型動画の作り方・編集のコツをやさしく解説【SNSのサイズ対応表付き】
2025.10.09
InstagramやTikTok、YouTubeショートなどのSNSで、多くのユーザーに視聴されている「縦型動画」。
幅広い年代のユーザーがSNSを利用している現在、動画広告の成功に縦型動画は欠かせない存在といえます。
「自社で動画広告を作ってみよう」とお考えなら、縦型動画の作り方・編集方法を押さえておきましょう。
今回のコラム記事では、縦型動画の作り方・編集方法からSNSの動画サイズまでわかりやすく解説します。企業の動画事例や「横型動画」と使い分ける方法も紹介します。
1. なぜ「縦型動画広告」が注目されているのか
縦型動画が注目されている理由は以下の2点です。
- 動画をスマホで視聴するユーザーが増えた
- 縦型動画の視聴を前提としたSNSの普及
スマホ視聴の増加
電通が公表している「2024年 日本の広告費」によると、日本のインターネット広告市場は、2024年に3兆6,500億円規模まで拡大しました。
インターネット広告費のうち、スマホで視聴可能な「動画広告費」は全体の8割ほどを占めており、スマホが広告接触の主戦場となっていることがわかります。
インターネット広告費と総広告費に占める割合(2022年~2024年)
2022年 | 3兆912億円 / 43.5% |
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2023年 | 3兆3,330億円 / 45.5% |
2024年 | 3兆6,517億円 / 47.6% |
TikTokやInstagramリールの普及
2020年以降、TikTokやInstagramリール、YouTubeショートはスマホユーザーに広く普及しました。これらのSNSは、縦型動画の配信を前提としたプラットフォームです。
株式会社サイバーエージェントが2024年に実施した調査では、2027年に動画広告市場は1兆円規模に到達すると試算が行われました。中でも、SNSの動画広告が市場の成長をけん引すると予測されました。
画像引用:CyberAgent|サイバーエージェント、2024年国内動画広告の市場調査を実施
縦型動画広告の市場規模だけに注目すると、2023年の市場規模は526億円で、前年比156.3%と高い成長率になります。同市場は、2023年以降も右肩上がりの成長が予測されています。
画像引用:CyberAgent|サイバーエージェント、2024年国内動画広告の市場調査を実施
こうした動画広告市場が成長する要因に挙げられるのが「縦型動画の利便性」です。
縦型動画の利便性とは、「スマホを持ち替えなくても、動画をフルスクリーンで視聴できる」こと。たとえSNSの使用中に動画が表示されても、横向きに持ち替える必要はありません。
フルスクリーン表示で動画を配信できると、ユーザー体験を邪魔せずに広告を配信できるようになります。広告主からみると、視聴されるまでのハードルを下げて、自社の動画広告を受け入れてもらいやすくなるのです。
今後SNSは、若年層より上の世代のユーザーも増加していくでしょう。一般ユーザーに商品・サービスの購買を促す上で、縦型動画は外せない動画広告戦略の1つといえます。
2. 縦型動画とは?基本の理解から始めよう
縦型動画とは、スマホの画面のように、横よりも縦に長く表示される動画です。ここからは、縦型動画の基礎知識を紹介します。
- 縦型動画の特徴
- 横型動画との違い
- 縦型動画に向いている広告
縦型動画の特徴
縦型動画は、スマホを縦に持つとフルスクリーンで表示されます。
動画視聴中のユーザーにとって、タップやスワイプといった操作がやりやすいです。そのため、広告主は「いいねをタップ」「お気に入りに登録」といった行動も促しやすくなります。
「短尺×没入感」も縦型動画の特徴です。数秒〜15秒程度の短尺動画は、通勤や通学といった“すきま時間”にも視聴されやすく、持ち替え不要でフルスクリーン表示される仕様は、動画への没入感を高めます。
縦型動画は、ユーザーと広告主のインタラクティブ(双方向の)コミュニケーション実現に役立つのです。
横型動画との違い
横型動画は、スマホを横にすることで画面がフルスクリーン表示される動画形式です。
縦型動画と横型動画には、それぞれに適した広告形態があり、違いを見極めるためには両者の違いを知ることが大切です。
縦型動画と横型動画の違いを4つに分けてみていきましょう。
① 情報量
横型動画は、画角(カメラで撮影したときに実際に映る範囲)が広く、「複数の要素を同時に見せる」ことに長けています。
製品・サービスの説明を多く挿入したいとき、ストーリーで魅了したいブランドムービーを制作するときに適した動画です。
一方の縦型動画は、画角が狭いため「ひとつの被写体・行動」に視聴者の視線を集中させやすいという特徴があります。ただし、情報を詰め込みすぎると見にくくなるので要注意です。
横型が向いている |
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縦型が向いている |
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② 視聴態度
視聴態度とは、動画視聴に対するユーザーの行動や態度を指します。
横型動画は、どちらかといえば腰を据えて「動画を見るぞ」という意識で再生される動画です。視聴者は人目が気にならない環境で、音声をONにしてから再生ボタンをクリックするでしょう。
そのため、YouTubeやWebセミナー、ブランドムービーなどの「長めの尺」でも離脱されにくくなります。
一方の縦型動画は、すきま時間を使った“ながら視聴”が多く、SNSのタイムラインやフィードで“偶然出会う視聴”が中心です。
したがって、偶然出会った動画に対して興味を持てないと、ユーザーはすぐにその動画をスキップしてしまいます。
縦型動画を作るときは、動画冒頭のインパクトやテンポの早さが重要です。
③ 媒体特性
横型動画は、YouTubeや企業サイト、展示会やセミナーなどで活用されます。
たとえば、企業サイトに会社紹介動画を埋め込んだり、展示会のスクリーンに企業メッセージ動画をリピートさせたりといった方法です。BtoB商材の販路拡大や投資家にわかりやすく説明したいときにも効果を発揮します。
一方の縦型動画は、TikTok、Instagramリール・ストーリーズ、YouTubeショートといった「SNSファースト」の媒体に最適化されています。
SNSのユーザーは、最初から“縦画面でコンテンツを見る習慣”を持っているため、違和感なく視聴してもらえるでしょう。若年層向けのBtoCだけでなく、最近ではBtoBの採用施策やイベント告知にも縦型動画の活躍の場は広がっています。
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④ 演出面
横型動画は、画面の左右スペースを活用して「複数情報の同時提示」が可能です。
たとえば、画面左側で人物が話をして、画面右側に資料やテロップを表示するといった工夫もできるでしょう。
複数の情報を違和感なく伝えられる横型動画は、製品デモや比較、セミナー型の資料としてもおすすめです。
一方の縦型動画は、視線の流れを上下に誘導できるため、被写体への注目を集めやすいです。 “目の前で起きているような臨場感”も演出しやすく、視聴者の購買意欲を直に刺激できます。
たとえば、コスメを「使う瞬間のクローズアップ」、街中のインタビューカットなどは縦型動画の方が効果的です。
縦型動画に向いている広告内容
それでは、縦型動画に向いている広告内容とは具体的にどのようなものでしょうか。
おすすめの広告は、「商品PR(単品訴求)」「キャンペーン告知」「採用向け動画」「UGC風コンテンツ」です。
① 商品PR(単品訴求)
縦型動画は、コスメ・飲料・食品・アプリのDLといった広告内容に向いています。これらは、視聴者が「視覚で・直感的に理解できる商材」だからです。
縦型動画は、視聴者の視線を被写体へ集めやすく、購買意欲を高めやすいことは以前にお伝えしました。さらに、「使っているシーンを1カットで見せる」ことで視聴者の購買イメージを喚起できます。
たとえば、リップを塗る手元、飲料を開けて飲む瞬間、アプリ画面の操作デモといった動画なら、商品を効果的にPRできるでしょう。
② キャンペーン告知
縦型動画は、キャンペーン告知にも向いています。
数秒〜15秒程度の短尺動画なら、「限定」「期間」「特典」などのお得な情報を端的に伝えられます。さらに、SNSを利用するユーザーのタイムラインやフィードに自然に配信できるため、最後まで視聴してもらいやすい点も魅力的です。
たとえば、動画冒頭の数秒に「20%OFFクーポン配布中!」と訴求。動画の最後にCTA(今すぐチェック)へ誘導するといった方法なら、ユーザーに離脱されず伝えたい情報を最後まで伝えられるでしょう。
③ 採用向け動画
縦型動画は、採用向け動画との相性もよいです。
社員インタビューや1日の密着動画など、社員の人と“なり”を近くに感じさせる演出が可能です。縦型の狭い画角に社員をアップにすれば、「同じ目線」で会話している感覚を視聴者にあたえられるでしょう。
縦型動画なら、求職者に「現場のリアルな雰囲気」を伝えて、共感・興味関心の獲得に役立ちます。
④ UGC風コンテンツ
UGCとは、一般ユーザーが制作したコンテンツを意味します。
UGC風コンテンツの特徴は、「素人が撮影したっぽい雰囲気」です。TikTokなどで動画広告として流しても、広告感を感じさせない内容は視聴者に受け入れられやすく、共感・信頼も獲得しやすいのです。
縦型のUGC動画を制作することで、本物のユーザー投稿と同じような雰囲気の動画を配信できます。
スマホ手持ち風、カメラを揺らす、エフェクトを使うなどで自然さを演出できれば、より“広告っぽさのない動画広告”に仕上がるでしょう。
3. SNSごとの縦型動画サイズ
せっかく人目をひく動画広告を制作しても、動画サイズが投稿先のプラットフォームに合わないと、訴求効果が半減してしまいます。
SNSには、推奨されている動画サイズ(=画素数+解像度+アスペクト比の組み合わせ)があります。これを守らないと、余分な余白や“画像の見切れ”が生じる可能性があるのです。
各SNSのおすすめの動画サイズ
種類 | YouTube※1 | YouTubeショート | Instagramリール※2 | TikTok※3 | Facebook※4 |
---|---|---|---|---|---|
おすすめの画素数 | 1280×720以上(横型) | 1080×1920 | 720以上 | 540×960以上 | 720×1280 |
アスペクト比(横:縦) | 16:9(横型) | 9:16 | 1.91:1|9:16 | 9:16 | 9:16|4:5|1:1 |
※1 YouTubeヘルプ|動画の解像度とアスペクト比
※2 Instagramヘルプセンター|Instagramリールのサイズとアスペクト比
※3 TikTokビジネスヘルプセンター|TikTokオークションインフィード広告
※4 Meta|Facebook動画の要件
動画サイズは、「画素数」「解像度」「アスペクト比」で構成されています。それぞれの言葉の意味を確認しましょう。
画素数(ピクセル数) | 動画や画像を構成している小さな点のこと 例:1画素数、1ピクセル、1px |
---|---|
解像度 | 一定の面積に含まれている画素(ピクセル)の密度 例:720p、1280pなど |
アスペクト比 | 動画や画像の「幅:高さ」 例:9:16、16:9など |
画素数や解像度は、数値が大きくなればなるほど画質の見栄えは良くなります。
ただし、画質を重視するあまり、動画の容量が大きくなるのは要注意です。プラットフォームの容量を超えると、投稿できないおそれがあります。
動画制作の際は、画質と容量のバランスに気をつけましょう。
アスペクト比による印象の違いやスマホのアスペクト比などを知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
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4. 縦型動画を選ぶ3つのメリット
横型動画よりも縦型動画を選ぶメリットをもう少し詳しく紹介します。どちらを選ぶか迷ったときの参考にしてみてください。
- ① ユーザー体験を邪魔しない視聴スタイル
- ② 短時間で情報を伝達
- ③ 企業のブランディングを促進
① ユーザー体験を邪魔しない視聴スタイル
ユーザーに広告っぽさを感じさせず、スキップされずに訴求したいときは、縦型動画がおすすめです。
縦型動画なら、自社の広告を、SNSのフィードやストーリーズ、リールなど、縦スクロールの中に溶け込ませることができます。
一方の横型動画は、通常の画面がスマホ1/3ほどのサイズで、若干アピール不足かもしれません。
フルスクリーン表示させるには、ユーザーにスマホの画面を横向きにしてもらう必要がありますが、それだとスキップされる可能性が高いです。
ユーザー体験を邪魔せず、自社製品の訴求につなげたいときは、縦型動画を検討してみましょう。
② 短時間で情報を伝達
縦型動画は、ワンポイント訴求に向いている動画形式です。画角に余計な要素を入れずに「見せたい商品やメッセージ」だけを伝えられます。
縦型SNS広告の平均視聴時間は6秒〜15秒程度と短いですが、動画冒頭の構成に注意すれば、企業の伝えたいメッセージを十分に伝えられます。
TikTokやInstagramリールで流行した「最初の3秒で興味をひく」構成に最適なのも縦型動画です。
③ 企業のブランディングを促進
縦型動画は、企業の認知獲得やイメージアップにもおすすめの動画形式です。
UGC(ユーザー生成コンテンツ)風動画との相性が良く、“企業と生活者の距離を縮めたい”ときに役立ちます。
特に10代~20代の年齢層では、「自然に出会った広告」がきっかけになって、購買行動を選ぶユーザーが少なくありません。縦型の動画広告なら、ブランディングとダイレクト効果の両立を期待できるのです。
縦型動画は、単発キャンペーンにも効果的ですが、SNSで自社の世界観を形づくりたいのなら、縦型動画の制作・配信を検討してみましょう。
5. ターゲットに合わせて「縦型・横型」を使い分ける方法
ユーザーは、一人ひとり年齢や性別、価値観や好みが異なります。
多様なターゲットに効果的に訴求したいときは、縦型と横型を使い分けましょう。
ここでは、ターゲットに合わせた使い分けの方法を紹介します。
若年層向け → 縦型
10~20代は、SNSで情報を集めることに慣れた「スマホネイティブ世代」です。
彼らは、TikTokやInstagramリール、YouTubeショートなど、縦スクロール操作を前提としたプラットフォームでの接触時間が圧倒的に多いです。
画面占有率が高く、没入感を得やすい縦型の動画広告なら、「商品認知→検索→購買」の動線を短くできます。
ファッション、コスメ、飲料、ゲームアプリ など「直感で選ばれる商材」には縦型動画がおすすめです。
BtoBやプレゼン → 横型
横型動画は画角が広いため、以下のような情報を同時に提示できます。
- グラフ
- 図表
- テキスト情報
- 写真など
ターゲットを“論理的に説得したい”なら、縦型よりも情報伝達量の多い横型動画を活用しましょう。たとえば、製品説明や導入事例などです。
「腰を据えて視聴する」ビジネス層がいるWebセミナー、営業資料の補助動画としての活用もおすすめです。
ITサービス、製造業、金融、不動産などの検討プロセスが長い商材では、横型動画が活用される傾向があります。
両方をどう併用すべきか
縦型と横型では、ユーザーの視聴態度や媒体の特性が根本的に異なります。
そのため、「動画の企画段階からどちらの形態を選ぶか」を考えることが大切です。
たとえば、同じ商品を「直感的に伝えたいとき」と「論理的に理解させたいとき」の使い分け方は次のとおりです。
縦型動画の強み |
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横型動画の強み |
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企業のマーケティング活動で、「見込み顧客との接触機会を広げたい」なら縦型動画。「製品・サービスの理解を深めてほしい」なら横型動画を検討してみてください。
縦型動画の得意分野 |
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横型動画の得意分野 |
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さらに、動画広告で達成したい目的と動画フォーマットを組み合わせることで、以下のような2段階のコミュニケーションも実現できます。
2段階のコミュニケーションも実現 |
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① まずは自社や製品のことを広く知ってもらう(縦型動画の強み=YouTubeショート・Instagram・TikTokなどでの情報拡散) |
より効果的な広告戦略を展開したいときは、縦型と横型を使い分けてみましょう。
6. 縦型動画の作り方と編集のポイント
縦型動画を作るときのポイントは、「撮影」「編集」「シナリオ作り」です。それぞれ確認して、ユーザーの印象に残る動画広告を制作しましょう。
撮影時の工夫(構図・カメラ位置)
縦型動画を制作するときのポイントは5つです。
① 画面の中央に被写体を配置
縦型動画は左右の余白が狭いため、画面中央に人物や商品を置くと安定感が出ます。
おすすめのカメラは、被写体が常に画面中心になる「トラッキング機能」が搭載されたアクションカメラです。初心者でも手軽にみやすい動画を撮影できますよ。
② 顔や手元のアップを多用
アップシーンは、出演者の細かな表情や製品の操作シーンをわかりやすく伝えられます。
動画への没入感を高めて、視聴者の共感や納得を引き出したいときに取り入れてみましょう。
③ 背景はシンプルに
無地やシンプルな背景を撮影しましょう。縦型動画の画角は狭いため、テーマに関係のない人やものが映ると、視聴者の理解を妨げるおそれがあります。
④ 視線誘導を意識
違和感なく動画を視聴できるように、自然な視線の流れを作りましょう。画面上部にテロップ、下部にCTA(ボタンやURL)を配置すると、違和感を抑えられます。
⑤ カメラ位置は“目線と同じ高さ”が基本
通常の動画撮影では「人の目線の高さ」を意識しましょう。自然な目線の高さを意識することで、違和感の少ない動画を撮影できます。
動画に動きをつけたいときは、「上から見下ろす」「下から見上げる」といったアングルの変化を取り入れてみましょう。
編集のコツ(テンポ・テロップ・音楽)
編集を工夫すると、飽きられずに最後まで視聴してもらいやすくなります。ポイントは、テンポ・テロップ・音楽です。
① 冒頭3秒のインパクト
動画冒頭では、最も伝えたいこと(結論)を述べましょう。視聴者の目をひく強いビジュアルを置く方法も有効です。
SNSではスクロール操作を止めてもらうことが最も大きなハードルとなります。視聴者にいい意味での違和感をあたえて、スキップされるのを防ぎましょう。
② テンポは短尺重視
視聴者を飽きさせないために、縦型動画のテンポは短尺を意識すべきです。1つのシーンの尺は「2〜3秒以内」を目安にしましょう。
③ テロップは大きめ&シンプル
SNSでは「みづらい」「わかりにくい」と感じた動画ほどスキップされやすいです。
テロップが小さい動画もスキップされやすいため、「1フレーズ1行」「テキスト部分を強調」を試してみてください。
④ 音楽と効果音の活用
TikTokやInstagramリールは“音あり視聴”が前提となります。トレンド楽曲を選んだりリズムに合わせたカット割りを挿入したりして、没入感を高めましょう。
⑤ 縦画面全体を使う演出
縦に長い縦型動画では、画面を上下に分割する方法が有効です。
たとえば、画面上部に従来の製品を設置して、残りの画面下部に新製品を設置する。こうした比較動画は、製品の特徴や変更点をわかりやすく伝えてくれます。ビフォーアフターの形式もおすすめです。
無料の編集ソフトをお探しの方は以下の記事も参考にしてみてください。
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バズを意識したシナリオ作り
制作した動画がバズると、SNS上で話題になり、より多くの人に拡散されます。バズ動画作りで大切な「シナリオ作りのポイント」を確認しましょう。
① 共感・あるある要素を入れる
視聴者が「自分ごと化」しやすいテーマは、拡散されやすい動画です。
「お仕事あるある」「人間関係あるある」といったターゲットが思わず共感したくなる項目を設定してみましょう。
② 驚きやギャップを仕込む
動画の途中に意外性を仕掛けると、視聴者の興味を最後までひきつけられます。視聴者の感情(笑い・驚き・癒し・感動・共感)を引き出すような仕掛けも盛り込んでみてください。
③ ストーリーは“起承転結より起結”
短尺動画は、展開よりも「冒頭のフック」と「最後のオチ」が重要です。起承転結ではなく、はじめに動画のテーマを伝えて次に結論を述べる「起結」方式で動画を構成してみましょう。
④ ハッシュタグやトレンドを活用
ハッシュタグやトレンドを活用すると、SNS内検索や関連動画での露出回数増加を期待できます。
ただし、数百万にのぼるような人気ハッシュタグは、それだけ競合相手が多くなります。大・中・小のボリュームのハッシュタグを組み合わせて、効率的にターゲットまで届かせましょう。
⑤ CTA(行動喚起)を自然に組み込む
動画には、「続きはWebで」「公式アカウントをチェック」などの行動を促す一言を挿入してみてください。
自社が視聴者に期待する行動を言葉にして伝えることは、動画の成果を高める有効な方法です。
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7. 企業の縦型動画活用事例
企業の動画事例から、視聴者に刺さるような「縦型動画ならではの演出」を学びましょう。
SNS別に、縦型動画の活用事例と各動画のポイントを紹介します。
YouTube|味の素KK公式チャンネル
お家で韓国料理\キミは食欲そそる豆腐チゲ?/
こちらは味の素が制作した縦型動画です。YouTubeショートで配信されています。味の素KK公式チャンネルの中でも人気のシリーズです。
テンポの良いBGMと画角設定が特徴で、アイドルと一緒に食べているような錯覚を生みだしています。
複数のアイドルを起用することでシリーズ展開を実現するなど、ユーザーに継続的な視聴を促しているところも参考にしたいポイントです。
instagram|北欧、暮らしの道具店
開発担当者に聞いた!着るだけでマンネリ解消?当店のニットベストはここにこだわりました!
北欧、暮らしの道具店がInstagramで発信している縦型動画です。縦長の画角によって、余分な余白をカットし、洋服のコーディネートを頭から足元までトータルで見せています。
ファッション系は縦型動画と相性が良いテーマです。着用イメージを直感的に伝えられるほか、制作者がものづくりに込めた想いを発信できます。
「ブランドストーリー型」の演出を縦型動画で実現した好例です。
TikTok|アイリスオーヤマ【公式】
知って得するライフハック3選
アイリスオーヤマが、TikTokの人気ジャンル「ライフハック」で配信している縦型動画です。
日常生活に役立つ情報を、生活者の目線から発信しています。
自社商品を直接紹介しなくても、人気ジャンルに自社動画を投稿することで、ユーザーの注目を集めています。
コンテンツの価値を決めるのは“動画の中身”。初心者でも挑戦しやすい動画構成です。
TikTok|ロート製薬
思い出は残しておきたいよね?みんな、実は学校にこっそり残したものある?笑
ロート製薬が制作したユーザー参加型の縦型動画です。高校を舞台に、タイムカプセルをテーマに設定しています。この動画は、TikTokユーザーから11万を超える「いいね」を獲得しました。
人物の配置や構図を工夫することで、縦型の画角でも魅力的なストーリーを表現しています。
コメント欄には「やべぇ、続きが気になる」「これ大好き」といったコメントが投稿されています。若年層に響く「エモい」演出やコメントを促す問いかけも、高い再生数を獲得したポイントでしょう。
TikTok|ドミノ・ピザ
ドミノ・ピザがTikTokで配信している縦型動画です。普段は見られないピザ作りの工程を「真上からの視点」で縦画面に収めています。
テンポの良い音楽とリズムに合った編集は、視聴者を最後までひきつけることを意図しています。
余談ですが、焼き立てのチーズやトッピングを“ドアップ”で映した映像は、多くの視聴者の食欲を直撃したことでしょう。
8. まとめ|縦型動画を成果につなげるために
縦型動画を動画広告に活用することで、スマートフォンやSNSを利用するユーザーに効果的に訴求できます。
最後に、縦型動画を制作するときのポイントを紹介します。
「縦型にする」こと自体が目的ではない
動画制作では、「誰に・何を伝えるか」を軸に設計することが大切です。
動画を作る前に、自社のターゲットや伝えたいこと・知ってもらいたいことを再確認して「動画を作る理由」「動画で達成したい目標」を明らかにしましょう。
縦型動画の形式だけ取り入れても、中身が伴っていないと思うような成果を出せないかもしれません。
はじめに土台をしっかりと作り、制作チームの想いを共有して、魅力的な動画作りに結びつけてください。
ターゲットに合わせて柔軟に活用する
若年層やSNSユーザー向けに動画を作るときは、縦型動画をおすすめします。
一方で、BtoB商材をアピールしたいときや、説明・プレゼンの場に動画を活用したいときは、横型動画が有効です。
「届けたい相手」と「利用シーン」を見極めて最適な形式を選びましょう。
自社で難しい場合はプロと組み合わせるのも選択肢
縦型動画ならではの演出と魅力的なシナリオが組み合わさったとき、縦型動画は多くのユーザーの心に残る魅力的な動画となります。
しかし、動画制作の知識・経験が乏しい段階では、すぐに成果を出すことは難しいかもしれません。焦らずにじっくりと撮影や編集の技術を磨いていきましょう。
とはいえ、製品のスケジュールや人員体制によって、そこまでの余裕を確保できないケースもあるはずです。
そんなときは、自社で撮影・編集を試しつつ、重要な動画やブランド訴求が必要なものは制作会社に相談するのはいかがでしょうか。
予算や目的に応じて、「自作+外注」を組み合わせれば、無理なく動画戦略を進められます。
弊社、株式会社ボーダーレスは、2007年の設立から現在まで「動画制作の内製化」というこだわりのスタイルによって動画制作のノウハウ・実績を積み上げてまいりました。
お客さまとの円滑なコミュニケーションの実現にも力を入れており、動画制作でお困りの企業担当者さまのお役に立てると自信を持っております。
少しでも興味を持っていただけたら、ぜひボーダーレスの制作実績からご覧ください。