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なぜあの動画はバズるのか?SNSで話題になる動画の作り方と共通点【成功事例付き】

【YouTube】

2025.07.24

SNSやYouTubeでは毎日のようにバズる動画が生まれていますが、一体どのように制作されているのでしょうか。

この記事では、中小企業のマーケティング担当者や広報担当者に向けて、バズる動画の作り方を紹介します。具体的な項目は次のとおりです。

  • バズる動画の共通点
  • バズる動画で大切な企画の立て方
  • トレンドの見つけ方と活用方法
  • プロが制作したバズる動画の成功事例
  • 自社で制作できるバズ動画の参考事例
  • YouTube・Instagram・TikTokでバズるための動画構成

ぜひ最後までご覧ください。

INDEX

1. バズる動画とは?

バズる動画とは、SNSやYouTube上で話題になり拡散されている動画です。通常の動画よりも、再生回数、シェア数、コメント数で高い数値を獲得しており、短期間でも多くの注目を集めています。

近年は、広告費をかけないバズ動画も増えてきました。たとえば、TikTokでは、スマートフォンだけで撮影したシンプルな動画が100万回以上再生されるケースがあります。

中小企業からみたバズの価値

中小企業の動画がバズることには、以下のメリットがあります。

  • 投資した広告費以上の宣伝効果を期待できる
  • 自社の商品・サービスの認知拡大のきっかけを得られる
  • バズった動画を別の戦略に有効活用できる

企業が制作した動画は、自由に活用できる自社の財産です。採用、ブランディング、販促活動など、使い方次第でさまざまな効果を期待できます。

再生回数だけがバズる動画の条件ではない

バズる動画の条件は、再生回数だけではありません。

再生回数は「自社の動画がどのくらいの人に視聴してもらえたか」を示す数値ですが、「誰が視聴したか」までは確認できないからです。

たとえ動画がバズっても、自社のターゲットが視聴していない場合、企業が期待した成果を得られないかもしれません。

バズる動画とは、企業の売上やブランド価値の向上に貢献した動画を指します。

動画をバズらせることも大切です。ただし、企業アカウントの長期的な戦略やファンとの関係構築といった動画を制作する理由を忘れないようにしましょう。

2. バズる動画には6つの共通点がある

バズる動画には、動画が視聴される場所(プラットフォーム)が変わっても存在する6つの共通点があります。

  • ① 冒頭3秒のつかみ
  • ② 感情を動かす力(共感・笑い・驚き・癒し・感動の演出)
  • ③ シンプルで伝わるメッセージ
  • ④ 視聴者との距離感
  • ⑤ コメントしたくなる「余白」
  • ⑥ トレンドを捉えている

①   冒頭3秒のつかみ

バズる動画の冒頭3秒には、視聴者をひき込むような「つかみ」があります。具体例は次のとおりです。

  • 社長に突然変な質問をしてみた!→「何が起こるんだろう?」と続きが気になる
  • ナレーション「たった100円で作ったお弁当、夫の反応がまさかの…」→100円のインパクトと結末を匂わせることで、視聴者の好奇心を刺激
  • 今日、人生初パーマの人が来ました!→「どんな変化があったの?」「どんな反応をしたんだろう?」と結末が気になる

こうした動画の冒頭3秒のつかみは、バズるために重要な要素です。

YouTubeやSNSでは、毎日新しい動画が大量に配信されています。動画が切り替わるタイミングは非常に早いため、視聴されない動画も少なくありません。

そのような状況の中で、自社の動画を視聴してもらうためには、視聴者をひき込むような動画冒頭のインパクトが欠かせないのです。

②   感情を動かす力(共感・笑い・驚き・癒し・感動の演出)

人の感情を動かすことは、バズる動画の本質です。

視聴者が何かしらの感情を抱くと、「家族や友人に動画を紹介したい」「動画のコメント欄に投稿したい」といった行動を取りやすくなります。

視聴者が能動的な行動を取ると、シェア回数やコメント数が上昇します。こうした数値は検索エンジンなどの高評価につながるため、バズる確率が高まるのです。

共感、笑い、驚き、癒し、感動の5つの感情に分けて事例をみてみましょう。

  • 共感:営業あるある・とある店長の1日→「わかる!」と視聴者が感じて反応が伸びる
  • 笑い:会社の新人くん、はじめての電話応対でこうなる(笑)→「リアル×ユーモア」は笑いを生む鉄板ネタ
  • 驚き:「1,000円のスニーカー、実は○○製でした」→ビジネスの舞台裏は意外性を生むのに効果的
  • 癒し:「猫が会議に乱入」→動物や子ども系はバズ動画の鉄板
  • 感動:「認知症の母がはじめて私に『ありがとう』といった日」→身近なテーマやエピソードは、視聴者の感情を揺さぶる

バズる動画が人の感情を動かしたかどうかは、視聴者のリアクションから判断できます。お時間のある方は、ぜひバズった動画のコメント欄から視聴者の反応を確認してみてください。

③   シンプルで伝わるメッセージ

動画に込められたメッセージがシンプルだと、視聴者は混乱することなく動画の内容に集中できます。

反対に、1本の動画にメッセージやテーマを詰め込みすぎると、かえって大切なことが伝わらなくなるのです。

具体例は次のとおりです。

  • 食べ物の魅力を伝える動画→「この店の唐揚げ、外サク中ジュワ。その秘密とは?」
  • リフォームのメリットを伝える動画→「10秒でわかる一軒家住宅の塗装ビフォーアフター」

自社のメッセージを視聴者に感じてもらいたいときは、伝えたいことを1つに絞りましょう。

④   視聴者との距離感が近い

視聴者との距離感が近いと、視聴者は動画の内容に親しみを感じたり信頼感を覚えたりします。その結果、バズる可能性が高まるのです。

たとえば「社員が自撮りで商品を紹介する動画」は、無理に演技をしない姿が視聴者の好感を呼ぶでしょう。「工場の裏側をそのまま紹介する動画」なら、加工しすぎない現場の雰囲気が視聴者の信頼につながるはずです。

こうした動画は、スマートフォンで気軽に撮影・編集されるケースが少なくありません。

現場の裏側を配信することに抵抗を感じる方もいるでしょう。ですが、そうしたリアルな情報を求めている視聴者も多いのです。

⑤   コメントしたくなる「余白」

視聴者がコメントを投稿したくなる動画もバズる傾向にあります。

仮に、飲食店の人気メニューを紹介する動画で「どのメニューが一番美味しそう?」と視聴者に問いかけたとしましょう。

すると、視聴者は「このメニューがうまそうだった、理由は…」「どれもイマイチだった!」といった感想を投稿したくなるのです。

視聴者が「自分の意見を伝えたい!」「動画の内容に思わずツッコミたくなる…」といった動画は、視聴数も伸びる傾向があります。

その他の具体例は次のとおりです

  • 社員が勝手に選んだ「謎の社内ルールTOP3」→「うちの会社にも似たようなルールがある!」と共感した視聴者が投稿
  • 動画の最後に「あなたならどうする?」と質問→「私ならこうするかな」と自分の意見を投稿

⑥   トレンドを捉えている

トレンドとは、ある特定の期間で、インターネットやSNS上で話題になっている出来事や流行のこと。

トレンドを捉えた動画は、多くのユーザーからの注目を集めるため、バズりやすくなります。

トレンドを捉えた一般的な動画が「あるあるネタ」です。流行りの音源・ハッシュタグ・テーマを流行初期に取り入れた動画ほど、バズる確率は高くなります。

また、11月22日の「いい夫婦の日」に目がけて夫婦にまつわる動画を投稿するのも効果的です。2月22日の「猫の日」なら、猫動画を配信するとよいでしょう。「〇〇の日」にあわせた動画もトレンドをわかりやすく捉えています。

トレンドを取り入れた動画の特徴は次のとおりです。

  • 流行りの音源・ハッシュタグ・テーマを流行初期に取り入れている
  • 「今流行っていること」をテーマにしている
  • YouTube内の「急上昇ワード」に便乗した企画タイトルで制作している

3. バズる動画を作るための企画~大切なのは発想と切り口~

バズる動画を作るための重要な工程は「企画」です。映像の美しさや見事な編集技術もユーザーの注目を集めますが、企画の内容がいい加減だとバズることはできません。

以下の項目で、バズる動画に欠かせない企画の立て方を紹介します。

  • ①「制作目的・ターゲット・何を届けるか」を明確にする
  • ②「自社らしさ」×「今のトレンド」で独自性を出す
  • ③ 鉄板ネタは「〇〇あるある」「〇〇してみた」
  • ④ 意外性やギャップを盛り込む
  • ⑤ 視聴者が参加できる仕掛けを作る
  • ⑥ YouTubeの「急上昇」TikTokの「人気ハッシュタグ」を参考にする
  • ⑦ 社内の「ネタ会議」でアイデアを出し合う

①「制作目的・ターゲット・何を届けるか」を明確にする

はじめに動画の制作目的を明確にしましょう。制作目的が明確になれば、動画のターゲットが明らかになります。ターゲットが明らかになると、「何を届けるか」がみえてくるのです。

たとえば、「自社の採用活動を強化するために、広報用の動画を制作する」というケースでは、新卒者や求職者がターゲットとなります。その場合、以下のような動画が制作候補に挙がるでしょう。

  • 社員密着動画(例:入社1年目のリアルな1日を追ってみた)
  • 社員インタビュー動画(例:入社3年目先輩社員の本音を独占インタビュー)
  • 社員紹介動画(例:わが社の個性豊かな社員を紹介します!)

制作候補が複数あったら、その中から自社にとってベストな選択肢を選べばいいのです。

動画の制作目的とターゲットによって、動画の内容・全体のトーンは大きく変わります。自社の課題や制作環境などを確認して、動画の方向性を定めましょう。

②「自社らしさ」×「今のトレンド」で独自性を出す

バズる動画を制作するポイントは、「自社らしさ」を動画に盛り込むことです。

トレンドをなぞるだけでは他社と差別化ができません。トレンドをなぞりつつも、自社らしさを動画に盛り込むことで、視聴者の興味をひく動画が出来上がります。

自社らしさは、社長や社員のキャラクター、商品やサービスの特徴、企業のビジョンなどで表現されます。こうした他社にはない特徴を、動画制作の味としていかしてみましょう。

独自性のある動画の参考例①

  • テーマ:製造業を営む企業のTikTokの「踊ってみた」
  • 内容:自社の社員が普段の作業着姿で、トレンドのダンスを踊る
  • 動画のポイント:作業着姿でトレンドのダンスを踊る社員。そのギャップや企業のオリジナリティでバズを狙う

独自性のある動画の参考例②

  • テーマ:舗和菓子店で「食べてみた」系企画
  • 内容:日本の伝統的な和菓子を外国人観光客に試食してもらう。
  • 動画のポイント:観光客のリアクション。新鮮さ・文化ギャップでバズを狙う

③ 鉄板ネタは「〇〇あるある」「〇〇してみた」

「〇〇あるある」「〇〇してみた」といった動画は、バズ動画の鉄板ネタです。

「〇〇あるある」動画は視聴者の共感を獲得しやすく、「〇〇してみた」動画は視聴者を驚かせます。

鉄板ネタは、ネタのヒントも探しやすく動画の撮影・編集作業に深い専門知識を必要としません。つまり、動画制作の素人でも取り組みやすいのです。

鉄板ネタの例は以下のとおりです。

  • 「中小企業の社長あるある」
  • 「新人がはじめて電話を取るときのテンパり方」
  • 「はじめての1人暮らしあるある」
  • 「私の強み、1分で伝えられるかやってみた」

動画のネタのヒントは、社内での雑談やお客様とのやり取りといった身近なところから探してみましょう。

また、動画制作者の方は、普段のコミュニケーションの中でも「動画制作にいかせるネタはないかな?」と心の片隅にでも意識しておくと、思いがけず良ネタを見つけられるでしょう。

④ 意外性やギャップを盛り込む

視聴者の予想を裏切るような動画は、バズりやすくなります。

皆さんは、SNSやYouTubeで「そんなことやるの!?」「見た目と中身が違う」と驚くような動画を見つけたことがありませんか?そして、その動画が楽しかったとき、驚きや感動を誰かと共有したくなったと思います。

動画の視聴者は、思いがけず体験した感情を人に伝えたくなるものです。反対に、視聴者の発想に収まるような動画は、スルーされるおそれがあります。

意外性やギャップのある動画を制作してバズを目指しましょう。

具体例は次のとおりです。

  • 寡黙そうな職人が、めちゃくちゃ饒舌に商品を解説する動画
  • 高級そうな商品原価で公開(「意外と安い!」の反応)
  • おばあちゃん社員がTikTokダンスに挑戦(微笑ましさ+話題性)

⑤ 視聴者が参加できる仕掛けを作る

動画をバズらせる効果的な方法として、SNSやYouTubeのアルゴリズムに優遇してもらう方法が挙げられます。

アルゴリズムに優遇されると、他のユーザーに自社の動画が表示されることも増えると予測できるため、バズを期待できるのです。

残念ながらアルゴリズムの詳細は明らかにされていません。しかし、少なくとも利用するユーザーの満足度を重視していると予測されています。

ユーザーの満足度を示す行動は以下のとおりです。

  • 視聴者のコメント
  • 投票
  • リアクション

以下のような工夫を行って、視聴者の能動的な行動を促しましょう。

  • 「どの弁当が一番うまそう?」と問いかける→コメントで投票を促す
  • 「あなたの職場にもある?謎ルール選手権」→視聴者の「あるあるネタ」を投稿してもらう
  • 「次にやってほしい企画ありますか?」と動画内で質問→次の企画につながる+ファンを創出

⑥ YouTubeの「急上昇」TikTokの「人気ハッシュタグ」を参考にする

YouTubeやTikTokには、人気の動画を紹介する機能が備わっています。

それはYouTubeの「急上昇」とTikTokの「人気ハッシュタグ」です。

こうした機能を活用するとバズ動画を見つけやすくなります。バズ動画を見つけたら、テーマや動画の構成を参考にしましょう。

成功した動画のポイントをつかむことで、効率的にバズる動画を制作できます。

具体例は次のとおりです。

  • TikTokで「#ルーティン動画」が流行中→「わが社の朝のルーティン」にアレンジ
  • YouTubeで「100均DIY」が人気→自社商品を組み合わせた「激安◯◯DIY」企画に落とし込む

ただし、他の動画を参考にする際は丸パクリだけは避けましょう。動画の発想や編集(音声・字幕・撮影方法など)をそのまま自社に流用すると、著作権侵害のおそれがあります。

他社の動画は、その外枠の部分までを参考にしましょう。自社オリジナルの要素を盛り込むと、自社の魅力がつまった動画が出来上がりますよ。

⑦ 社内の「ネタ会議」でアイデアを出し合う

社内会議を実施して、バズるようなネタが出てこないか、検討する方法もおすすめです。

たとえば、月に1度「ネタ出し会議」を実施してみてください。このとき、お菓子付きで気軽に開催すると、出席者がリラックスして素敵なアイデアが出てくるかもしれません。

また、「バカっぽい案ほど評価」「否定しない」といったルールを設けて、自由な発想を促す方法もおすすめです。

企画担当者が1人で悩むと、かえって思うようなアイデアが生まれてこないことがあります。動画制作チームはもちろん、社内で協力してくれる人と連携を取ってみましょう。

バズった動画の企画案は、リラックスした雰囲気の中から生まれることがあります。

4. SNS別トレンドの見つけ方と活用方法

トレンドは動画をバズらせるために重要な要素です。

ただし、トレンドが有効な期間は限られています。トレンドを毎日観察して、旬の時期に動画にトレンドを取り入れることが大切です。

「これはうちでもできそう」と思ったら、即行動するフットワークの軽さが成功につながるでしょう。

下表に、TikTok、Instagram、YouTube、Xのトレンドの持続期間と特徴をまとめました。

プラットフォーム 一般的なトレンドの期間 特徴
TikTok 3〜7日間(短いものは1〜2日間) 非常にサイクルが早い。音源やフォーマットの流行は一瞬で終わることも。スピード勝負
Instagram(リール) 約1〜2週間 TikTokより持続期間は長め。トレンド音源は1〜2週間ほどで見飽きられる傾向にある
YouTubeショート 約1〜3週間 TikTokよりもやや長い。音源やネタがじわじわ広がることが多い
YouTube(通常動画) 1〜2ヶ月以上続くケースもある 「企画」として成立すれば、後追いの関連動画が増えることも。継続性がある
X(旧Twitter) 数時間〜2日程度 話題性はあるが、寿命は非常に短い。リアルタイムで活用しよう

続けて、YouTube・Instagram・TikTokのトレンドを見つけ方と活用方法を紹介します。

YouTube

YouTube内の「急上昇」をチェックしてみましょう。「急上昇」は、YouTube内の「探索」メニューに設置されています。

「急上昇」には、クリック率が高い動画や平均視聴時間が長い動画など、今注目の動画がピックアップされています。YouTubeショート動画も掲載されているので、短尺動画の流行傾向もつかめるでしょう。

YouTubeのサジェスト機能もおすすめです。

サジェスト機能とは、YouTubeの検索窓に入力したキーワードに対して、複数の候補のキーワードが表示される機能のこと。たとえば、「やってみた」と入力すると「過払い請求金 やってみた」「やってみた ダイエット」などのキーワードが候補として表示されます。

サジェスト機能は、トレンドや人気のあるキーワードなどを把握するのに有効です。ぜひ試してみてください。

その他の効果的な方法は以下のとおりです。

  • 競合他社や同業者の人気動画をチェックしてタイトル・サムネ・テーマをトレンドの参考に
  • YouTube Studioの分析機能でトレンドを調べる

※YouTubeチャンネルや投稿動画の分析を行うための無料ツール

TikTok

TikTokのトレンドはアプリの検索機能から探しましょう。

探す方法は以下のとおりです。

  • ① アプリの画面下部にある「検索」をタップ
  • ② 検索バーの下に表示される「急上昇ワード」「人気のハッシュタグ」「人気の楽曲」を確認

ハッシュタグ検索を使う際は、「#トレンド」「#バズレシピ」「#企業TikTok」といったハッシュタグで検索してみましょう。好事例がないか探してみてください。

ほかにも、人気クリエイターの動画を観察する方法もおすすめです。

視聴回数が伸びている動画のネタやテンポ、演出を確認して、トレンドを把握しましょう。

Instagram

Instagramでは、リールでおすすめ表示される動画がトレンドの把握に役立ちます。おすすめ表示される動画は毎日確認してみましょう。

また、「音源タブ」からは、どの音源がどのくらい動画に使用されているかを確認できます。伸びはじめの動画の音源を活用することで、バズる動画に必要なトレンドをつかめるでしょう。

ほかにも、企業アカウントの投稿を参考にする方法も効果的です。特に採用広報や商品紹介を目的とした動画は、バズる動画制作の参考になります。

5. プロが手がけたバズ動画の成功事例

ここからは、プロが手がけたバズる動画の成功事例を紹介します。

はじめにバズる動画の共通点をおさらいしましょう。

  • 冒頭3秒の仕掛け
  • 視聴者の感情が動くこと
  • テーマやメッセージがシンプルであること
  • 視聴者との距離が近い
  • コメントしたくなる余白がある
  • トレンドを捉えている

バズる動画の共通点と照らし合わせながら、一つひとつご覧ください。

STOP! 海賊版『ありがとう、君の漫画愛。』

  • 再生回数:231万回
  • 再生時間:2分16秒

「STOP!海賊版」は、一般社団法人ABJが著作権の啓発を目的として制作したバズ動画です。

2023年3月の公開以降、ターゲット層を含む多くのユーザーに視聴されており、再生回数は230万を超えています。

バズ動画のポイントは3つ

① 人の感情が動く(共感・笑い・驚き・癒し・感動)

・漫画のセリフから曲の歌詞を引用=驚き

・「ありがとう」「うれしい」などのメッセージは作者からのメッセージのように響く=感動

② テーマやメッセージがシンプル

・「正規版を読んでくれてありがとう」というストレートでわかりやすいメッセージ

③ コメントしたくなる「余白」がある

・動画では、61作品もの漫画が登場。視聴者同士で語り合いたくなる動画構成

「STOP!海賊版」は、「海賊版利用をやめよう」という説教くささを感じさせない、視聴者の共感を得るためのストーリーテーリングが大きな特徴です。

無自覚に海賊版を利用しやすいターゲット層へ、「応援したいから購入する」という意識変化まで促しています。

「タケモトピアノ」新CM

  • 再生回数:126万回
  • 再生時間:30秒

タケモトピアノの新CMは、「タケモトピアノ=記憶に残るCM」のイメージを再強化したバズ動画です。

2024年7月の公開後、再生回数は120万再生を超えています。

バズ動画のポイントは4つ

① 冒頭3秒の仕掛け

・キリンが猫の鳴き声を出すという予想外の展開

② 感情が動く(共感・笑い・驚き・癒し・感動)

・謎の衣装をまとった4人の美女が不思議なダンスを披露=笑い・驚き

③ コメントしたくなる「余白」がある

・全体的にツッコミどころが満載の演出。不思議な世界観に「意味不明だけどクセになる」といったコメントが集まりやすい

④ トレンドを捉えている

・動画内にAIモデルを起用。話題性と時流のマッチを実現

タケモトピアノの新CMは、「懐かしさ×意外性」というバズる動画の鉄板構成で制作されており、昭和の時代に親しんだファン層への訴求と若年層へのアプローチに成功しています。

自社の「昔からある資産」をユニークに再編集するという手法は、中小企業の動画制作でも参考にしたいポイントです。

セイヒョー「なぜか最後まで見てしまうアイス屋さんのCM」

  • 再生回数:26万回
  • 再生時間:1分

新潟のアイスメーカー株式会社セイヒョーが制作したバズ動画です。

学生の制服姿の登場人物に、高齢者をキャスティングするというユニークな構成が目をひきます。意外性やギャップもバズの大きな理由でしょう。

バズ動画のポイントは3つ

① 感情が動く(共感・笑い・驚き・癒し・感動)

・恋愛ドラマ風のシーンに、意外なキャスティング=笑い・驚き

② 視聴者との「距離感」が近い

・素人っぽさのある出演者をキャスティング(有名タレントを起用しない)

・広告感を感じさせない役者と動画の構成=親しみやすい雰囲気

③ コメントしたくなる「余白」がある

・「おもしれー女」「とぅんく」といったミームの挿入

・視聴者がツッコミたくなる、共感のコメントをしたくなる動画構成

※SNSやWebサイトを通じて拡散され、話題となった文章・画像・動画などのコンテンツ

セイヒョーは、上記以外にもインパクトのある動画を制作しています。動画のコメント欄には、「ぶっ飛んでて好き」「こんなに目が離せないCMはじめて」という視聴者の感想が寄せられています。

セイヒョーの作品は、斬新な発想や切り口で動画をバズらせたいときに参考にしたい動画です。

法人向けECカートecforce:なかやまきんに君「牛乳を注ぐ男」CM

  • 再生回数:82万回
  • 再生時間:30秒間

「牛乳を注ぐ男」は、株式会社SUPER STUDIOが制作した動画です。17世紀のオランダの画家ヨハネル・フェルメールによって描かれた油絵作品「牛乳を注ぐ女」をオマージュして制作されています。

2022年10月の公開後、82万再生を超えており、もう少しで100万再生に届く勢いです。

バズ動画のポイントは3つ

① 冒頭3秒の仕掛け

・何のCMなのか全く説明がない動画の冒頭

・撮影の構図は「牛乳を注ぐ女」の構図そのまま。知っている人はすぐオマージュと気づく

② 感情が動く(共感・笑い・驚き・癒し・感動)

・女性の格好をした男性(お笑い芸人の“なかやまきんに君”)が登場=驚き

・「牛乳を注ぐだけ」の映像に、スローモーションなどの無駄にカッコいい演出=笑い

③ コメントしたくなる「余白」がある

・視聴者は「この動画は一体何?」というツッコミをしたくなる

・インパクトのある内容は、つい友達とシェアしたくなる

「牛乳を注ぐ男」がバズった大きな理由は、「真剣にふざける」という演出方法です。「ギャップ」「意味不明」「ツッコミ余白」といった構成も、実はバズ動画の鉄板パターンの1つです。

6. 中小企業が参考にしたい!自社で作れるバズ動画の参考事例

バズる動画は、動画制作のプロだけが生み出せるものではありません。動画作りの素人がバズる動画を制作した事例も数多くあります。

素人が制作したバズ動画は、発想力や切り口の斬新さが必見です。3つの事例を紹介みてみましょう。

佐賀県伊万里市にある日本一面白いスーパー「ファインズたけだ」

佐賀県伊万里市にある「ファインズたけだ」は、日本一面白いスーパーとしてSNSや各種メディアで話題になっているスーパーマーケットです。

TikTokアカウント

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YouTubeアカウント

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① 「総菜が揚がった時の店内放送」
  • 再生回数:160万回超
  • コメント:1,400件超え
②「今日もノリノリのおばあちゃん」
  • 再生回数:100万回超
  • コメント:1,000件超え

参考にしたいバズのポイント

  • 社内スタッフ(店長・スタッフ)の個性をいかした動画作り
  • 時事ネタやお笑いを織り交ぜて、おもしろ系動画コンテンツを制作

ファインズたけだの動画は、社内スタッフの個性や企画の斬新さがユーザーの支持につながっています。

ファインズたけだは地域密着型のスーパーマーケットですが、動画配信を通じて全国のユーザーからの注目を集めています。遠方のユーザーからは「行ってみたい!」という声も聞かれているようです。

-挑戦で溢れる社会をつくるー「株式会社BEEM」

株式会社BEEMは、「面白さ」「人間味」を武器にフォロワーを伸ばしている企業アカウントです。

Tik Tokアカウント

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YouTubeアカウント

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女性社員からホワイトデーのお返しがないことを責められたときの上司の対応
  • 再生回数:460万回超
  • コメント:2,200件超え
人気ドラマを見た社員が影響されまくってた
  • 再生回数:37万回超
  • コメント:500件超え

他にも以下のような動画が投稿されています。

  • ダルすぎ上司あるある
  • 絶対やめろ!上司とグチ合戦
  • 誰でも一度は経験したことのある社内あるある
  • 恋愛未満の人間関係

参考にしたいバズのポイント

  • 社員を起用したドラマのようなストーリー展開
  • 視聴者の共感・笑いを生み出すような動画構成
  • 「起→承→転→オチ」が明確な動画構成
  • 継続的な投稿
  • TikTokでバズりやすい要素(音源・演出)の活用

SNSの企業アカウントでは、顧客からの信用性が需要です。しかし、どうしても視聴者に広告感や硬い印象をあたえがちです。

その点、株式会社BEEMでは「BEEMって何の会社?」と感じるくらいに、スタッフ主体のアカウント運用を徹底しています。

また、継続的な投稿は、視聴者の中で「推しキャラ」を生み出します。応援コメントやシェアされる回数が増えれば、バズる確率は大きく高まります。

仕事も遊びも全力で「株式会社リソースクリエイション」の「ユイカとヒロシ」

株式会社リソースクリエイションは、TikTok・YouTubeショートにそれぞれアカウント「ユイカとヒロシ」を運営している企業です。

Tik Tokアカウント

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YouTubeアカウント

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完全に熱愛の証拠掴んじゃいました…
  • 再生回数:118万回超
  • コメント:4,500件超え
取締役のお菓子勝手に食べてみた
  • 再生回数:58万回超
  • コメント:700件超え
ついにドッキリ仕掛けられた部下
  • 再生回数:21万回超
  • コメント:1,500件超え

参考にしたいバズのポイント

  • ビジネス要素が重くない動画構成
  • キャラクターの定着=ユイカとヒロシがキャラとして定着
  • 冒頭の「間」出演者の「セリフ選び」

「ユイカとヒロシ」は、社内の男女(ユイカとヒロシ)の曖昧な関係性を描く寸劇シリーズです。視聴したユーザーは、“推しコメント”や“考察コメント”を投稿しており、こうした視聴者の行動が拡散の原動力となっています。

また、「こういう同僚いるかも」「自分の会社もこんな雰囲気だったらいいな」という共感・憧れを抱くユーザーも多い一方で、「何の会社なんだろう?」「この会社面白そう!」と求職先として興味を持つユーザーも多いようです。

「ユイカとヒロシ」は、採用動画ではありませんが、間接的なブランディングにも成功している好事例です。

7. バズる動画の最適構成

YouTube、Instagram、TikTokによって、バズる動画の構成内容は異なります。各SNSの違いを押さえておきましょう。

SNSごとの視聴スタイル

SNSによって、動画を視聴するスタイルが異なります。

YouTube 情報収集・娯楽目的で「能動的」に検索&視聴するユーザーが多い
Instagram 受け身でサクサク見られる「暇つぶし」的な視聴スタイル
TikTok 見た目の美しさや「世界観」を重視するユーザーが多い

YouTubeは、以下の人が利用する傾向があります。

  • 自分に役立つ情報を見つけたい人
  • 余暇時間を楽しみたい人
  • 動画を通じて他のユーザーと意見を交換したい人

こうした視聴者を考慮すると、動画の尺は長くなっても問題がないとわかります。むしろ、ストーリー性や構成力に力を入れた結果であれば、歓迎すべきです。

一方のInstagramを利用するユーザーは、動画の見た目・美しさ・世界観を重視しています。特にリールでは、「短尺×オシャレ」が動画構成の基本といってよいでしょう。視覚的なおしゃれさや統一感が重要です。

TikTokでは、YouTubeのように能動的に視聴するユーザーはあまり多くありません。ユーザーの興味をひけない動画は、次々とスキップされる傾向があります。

YouTubeでバズる構成とは

YouTube動画では、冒頭の3秒間で「何が起こるのか」を視聴者に提示することが大切です。

また、動画のサムネイルとタイトルで動画の内容・特徴を伝えることで、視聴者の注意をひきましょう。

サムネイルとは、動画のビジュアル広告のこと。タイトルは動画の中身を一文で伝える文章です。

続いて、以下の動画構成によって、視聴者に最後まで視聴してもらいましょう。

  • 【序盤】ストーリーの軸や課題を提示
  • 【中盤】BGM・編集・ナレーションなどで、展開にメリハリをつける
  • 【ラスト】オチ・感動・驚き・伏線回収などを仕掛ける

動画冒頭の数秒間のうちに視聴者の興味をひくと、「この動画は視聴する価値がありそうだ」と判断してもらえるようになります。

YouTube動画の制作例

  • お客様からのクレームにどう対応する?社内ロールプレイング動画
  • 人気商品ができるまでを1分で見せる「早回し制作動画」

TikTokでバズる構成とは

TikTokでは、何度も繰り返し再生したくなるような動画構成を目指しましょう。

次々におすすめ動画が表示されまるのがTikTokの特徴です。ユーザーに簡単にスキップされないためにも、動画の冒頭1~3秒の仕掛けを重視しましょう。「え?何これ」と視聴者に違和感を覚えてもらえれば仕掛けは成功です。

また、TikTok動画では、ストーリー性よりも「ネタ」「衝撃」「笑い」が大切です。一瞬で視聴者の心を動かしましょう。

そして、視聴者のツッコミどころを意図的に残し、コメントの投稿を促してみてください。

TikTok動画の制作例

  • 「○○してみた」検証系
  • あるあるネタ
  • 変身ビフォーアフター
  • 食レポ失敗

Instagram(リール)でバズる構成とは

Instagramでは、視覚的に目をひく動画がバズる傾向にあります。撮影の角度や全体の色味、世界観などを統一して洗練された動画を制作しましょう。

また、「サムネ映え」も重要です。動画の冒頭1~2秒のシーンを切り取ったときに「映える」映像になっているか確認してみてください。

他にも、ブランド感や商品世界観を壊さない範囲で遊び心のある動画も人気です。音楽やBGMはトレンドを重視して流行しているものを活用しましょう。

テキストや字幕は、内容がすぐに伝わるように工夫すると動画がバズりやすくなります。

Instagram動画の制作例

  • ルーティン動画
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8. まとめ

今回はバズる動画の作り方を紹介しました。

SNSでバズる動画を作るためには、企画の方向性を決める「企画」作りが重要です。まずは動画の制作目的を再確認してから、動画のターゲットと伝える内容を決めていきましょう。

そして、本記事で紹介したような成功動画や参考になる動画を参考に、自社ならではの魅力の詰まった動画を制作してください。

なお、株式会社ボーダーレスでは、動画制作でお困りの企業様からのご相談を受けつけています。「バズる動画を作りたいけど、何からはじめていいかわからない」「バズる動画の企画を一緒に考えてほしい」といったご相談にも乗っていますので、興味のある企業担当者様はぜひ弊社までご連絡くださいませ。

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