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TikTok広告の種類をわかりやすく解説!成功事例・費用・動画作りのポイントも紹介

【SNS】

2025.09.25

TikTok広告は、製品の認知獲得や企業のイメージアップに効果的な動画広告です。ただし、TikTok広告には10種類におよぶ広告形式があり、それぞれ見え方や表示される場所などが異なります。

TikTok広告を導入しようと思っても、「専門用語が多くてわからない」「種類の違いがわかりにくい」「TikTok広告のメリットって何?」とお困りの企業担当者様も多いのではないでしょうか。

今回は、TikTok広告の種類とそれぞれの違いをわかりやすく解説します。成功事例や費用感、動画作りのポイントも紹介するのでぜひ最後までご覧ください。

INDEX

1. TikTok広告とは?出稿を検討する中小企業が増えている理由

TikTokとは、15秒から1分ほどのショートムービーを、不特定多数のユーザーとシェアできるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)です。

このTikTokで自社の動画広告を配信できるのがTikTok広告です。TikTok広告には、さまざまな広告フォーマットがあり、自社の予算や製品に合わせて好きなタイプを選べます。

※広告の表示の見え方・表示される位置などで種類分けされたテンプレート

TikTokでは30〜40代ユーザーも増加中

TikTokは、かつて「10代〜20代向けのSNS」として有名でしたが、現在は30~40代のユーザーも数多く利用しています。

総務省の情報通信政策研究所がまとめた「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」を確認しましょう。

同資料には、SNSアプリの利用率が世代別に記載されており、TikTokユーザーの割合も公表されています。

平成30年度と令和6年度の10~40代のユーザーの調査結果をまとめた表は、以下のとおりです。

TikTokを利用するユーザー(10~40代)の利用率

年代 平成30年度 令和6年度 Instagramリール
10代 39.0% 65.7% +26.7%
20代 21.1% 58.7% +37.6%
30代 7.8% 39.7% +31.9%
40代 6.5% 39.9% +33.4%

参考①:総務省情報通信政策研究所|平成30年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>

参考②:総務省情報通信政策研究所|令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書

ご覧のように、現在のTikTokでは30代40代のユーザーの割合が大幅に増加しています。企業のマーケティングでも無視できない規模まで成長したといえるでしょう。

実際に30代以上のユーザーは、情報収集や商品レビューの確認といった実用的な視聴にTikTokを活用しているようです。こうしたユーザーに広告を表示できれば、購入や問い合わせといった行動を効率よく促せるでしょう。

ビジネス活用の広がりと成功事例の増加

TikTok広告を上手に活用すると、予算を抑えた“お試し利用”が可能です。一方で、動画広告の形式はフルスクリーン表示で没入感があり、ターゲットに深い印象を残せます。

小売・飲食・美容室・不動産などのローカルビジネスでTikTok広告を活用している中小企業は多く、中小企業にとって利便性が高い動画広告といえるでしょう。

企業や個人向けのプラットフォーム「TikTok for Business」には、中小企業から大企業までさまざまなTikTok広告の成功事例が掲載されています。詳細が気になる方は、本記事をお読みいただいたあとに確認してみてください。

参考:TikTok for Business

YouTube広告との違い

動画広告では、TikTok広告以外にもYouTube広告が有名です。両者は“拡散性”が大きく違います。

TikTokのユーザーは、動画を検索して閲覧するというよりも、TikTokから流れてくる動画を自然に視聴します。YouTubeに比べて、受動的な視聴スタイルが多いため、拡散性が高いのです。

したがって、動画広告を「今まで自社に興味がなかった層」に届けて、新たなニーズの掘り起こしを狙いたい場合はTikTok広告がおすすめです。受動的なユーザーにも届くからこそ、YouTube広告では困難な新しい層へのアプローチを実現できます。

その他の、YouTube広告とTikTok広告の細かい違いは下表のとおりです。

項目 YouTube広告 TikTok広告
主なターゲット すでに関心がある層(検索するユーザー) 興味を「持っていなかった層」も含まれる
ターゲットが視聴する動機 「調べたい」「動画を楽しみたい」などの目的が明確 なんとなくアプリを開いて、流れてきた動画を次々と視聴する
広告の表示形式 動画の前・途中・後に挿入される(インストリーム広告) 投稿の合間に、ユーザーのおすすめ欄に自然と流れてくる(インフィード広告)
拡散性 低い(広告と動画が明確に区別されているため) コンテンツとして自然に「シェア・保存」される可能性が高い

2. TikTok広告にはどんな種類がある?

TikTok広告には、どのような種類があるのでしょうか。TikTok広告の種類・特徴・費用・最適なケースを紹介します。

なお、TikTok広告の種類を確認する際に役立つのが、TikTok公式の用語集です。本記事では専門用語をできるだけ避けていますが、わからない言葉や知りたい単語が出てきた際は、ぜひ以下のページもご活用ください。

参考:TikTokビジネスヘルプセンター|TikTok広告マネージャーの用語集

TikTok広告は「2種類の出稿方式」に分類される

TikTok広告は、大きく2種類の出稿方式に分類されます。

1つ目は予約型広告です。ブランド広告またはリザベーション広告とも呼ばれます。

予約型広告は、広告を配信する日や配信枠を予約して買い付ける形式です。TikTok Japanの営業担当者または代理店を通じて申し込みます。

予約を申し込むことで、自社の動画広告をTikTok上で必ず配信できるようになります。TikTokが抱える大量のユーザーに自社の広告を届けられるわけです。話題性のある動画を拡散したいとき、ブランディングを重視するときに有効な戦略となります。

ただし、予約型広告の出稿費は数百万円〜数千万円と高額な点に注意しましょう。

もう1つのTikTok広告の出稿方式が運用型広告です。オークション広告とも呼ばれます。

運用型広告は、自動で入札・配信設定ができる形式です。Meta広告やGoogle広告と同じような感覚で運用できます。

運用型広告の費用は2万円〜10万円程度で、企業にとってスモールスタートが可能です。膨大な予算を組むことがむずかしい中小企業にとって、最も現実的な出稿手段といえるでしょう。

ただし、運用型広告は、設定等を自社で対応する必要があります。たとえば、ターゲティングでは、年齢・性別・地域・興味関心などを細かく指定します。

運用型広告は、やり方によっては費用対効果を大きく高められますが、運用するための体制作りが必須です。

予約型広告と運用型広告の細かな違いは、以下のとおりです。

観点 予約型広告 運用型広告
予算規模 全体で数百万円~ 1日あたり数万円~
主な目的 認知・話題化・ブランド力強化 費用対効果・少額検証
出稿までのハードル 代理店経由・事前打ち合わせ 自社運用or支援会社利用
おすすめの企業 全国展開・大手 地域密着・中小企業

TikTok広告の「広告フォーマット」の種類

広告フォーマットとは、広告の表示方法や表示される位置を定めた枠組み・テンプレートです。TikTok広告には、10種類の広告フォーマットがあります。

それぞれの特徴や費用を確認して、自社に最適な広告形式を見つけるのに役立てましょう。

  • ①    インフィード広告
  • ②    TopView
  • ③    トップフィード広告
  • ④    ハッシュタグチャレンジ
  • ⑤    ブランドエフェクト
  • ⑥    リーチ&フリークエンシー広告
  • ⑦    ブランドミッション
  • ⑧    動画ショッピング広告(VSA)
  • ⑨    コレクション広告
  • ⑩    ダイナミックショーケース広告(DSA)
広告フォーマット 主な目的 表示位置・特徴 向いている活用例
インフィード広告 認知・誘導 おすすめフィードに自然に表示 商品訴求全般
TopView 大規模認知拡大 起動直後・全画面・1日1社限定 新商品・ブランドPR
トップフィード広告 認知・初接触強化 起動後すぐのフィード上部 新規客の獲得
ハッシュタグチャレンジ 話題化・UGC生成 ユーザー参加型 キャンペーン拡散
ブランドエフェクト 体験・認知向上 エフェクトとして提供 コスメ・AR体験型
リーチ&フリークエンシー 安定配信・ブランディング 配信量・回数をコントロール可能 長期戦略・企業PR
ブランドミッション 共創・コンテンツ強化 クリエイター参加型 若年層向け施策
動画ショッピング広告 EC・購入促進 動画+購入ボタン アパレル・雑貨
コレクション広告 複数商品の訴求 動画+商品カルーセル表示 新商品まとめ
DSA(ダイナミック) リタゲ・CV率改善 行動履歴ベースの自動表示 ECサイト運用者

① インフィード広告

インフィード広告は、TikTokの「おすすめ」フィードに表示される動画広告です。全画面の動画を最長60秒で再生できます。

※ユーザーの視聴歴や行動に合わせて、おすすめの動画が表示される機能。アプリを開いて最初に表示される

インフィード広告のメリット

  • ユーザーが投稿した動画と一緒に広告を配信できる。
  • コメントやシェアが可能。拡散を期待できる。

インフィード広告は、広告感を抑えつつ、商品やサービスの魅力を訴求したいときに有効です。インフィード広告の最低出稿額は、1日2万円です。他のフォーマットより出稿額を抑えやすく、広告をはじめて出稿する企業にもおすすめです。

② TopView(トップビュー)

TopView(トップビュー)広告は、最長60秒の音声付き動画広告です。TikTokアプリを起動した15秒間のうち、最初のインフィード動画として配信できます。

TopView(トップビュー)広告のメリット

  • アプリを起動した全ユーザーに広告を表示できる
  • 動画をクリックしたユーザーを自社指定のページへ誘導できる

TopView広告は、広告枠を買い切る購入形態です。TopViewの広告枠は「1日1社限定」のため、TopView を購入すると自社の広告の視聴率が大幅に上昇します。

また、TopView広告はアプリを起動した全ユーザーに配信されます。新商品やキャンペーンの大型プロモーションなど、短期間で認知を一気に拡大したいときに効果的な戦略です。

ただし、TopView(トップビュー)広告の費用は500万円前後と、ある程度の予算を組む必要があります。

参考:TikTok for Business|1日1社限定の新しい動画広告メニュー「TopView」が登場!

③ トップフィード広告

トップフィード広告は、アプリを起動して最初の「おすすめ」フィードに、優先して表示される動画広告です。

トップフィード広告のメリット

  • TopView広告より予算を抑えられる
  • 最初の広告枠を利用できるためユーザーの目につきやすい

トップフィード広告は、おすすめフィードに表示されるため、自然な形でユーザーの目にふれます。高い閲覧率を期待できるため、高品質な動画を出稿することで、製品の大幅な認知拡大を狙えるのです。

トップフィード広告の費用は、条件や時期により変動しますが、250万〜400万円程度です。

④ ハッシュタグチャレンジ

ハッシュタグとは、キーワードやトピックを分類するための記号です。「#」で表示されます。このハッシュタグを利用したTikTok広告が、ハッシュタグチャレンジです。

ハッシュタグチャレンジでは、企業が指定するハッシュタグを、ユーザーの投稿動画につけてもらいます。こうすることで、不特定多数の参加者が動画を投稿した際に話題性を生むのです。ハッシュタグチャレンジは、ユーザー参加型のキャンペーンで、若年層向けの企画に効果的です。

ハッシュタグチャレンジのメリット

  • ユーザーのエンゲージメント(愛着心)を高められる
  • 話題性を高めやすい

ハッシュタグチャレンジの費用は、500万〜1,000万円以上で、内容や連動パッケージにより大きく変動します。

⑤ ブランドエフェクト

ブランドエフェクトは、企業が作成したエフェクトやデザイン素材を、ユーザーに体験してもらう動画広告です。最大で10日間表示されます。

ブランドエフェクトのメリット

  • ユーザーに“商品を実際に使用しているような体験”を提供できる
  • コスメやアパレル系の訴求に特化

ブランドエフェクトでは、スタンプやARフィルターで制作するような目立つエフェクトをユーザーに提供できます。費用は100万円以上で、動画の制作工程やAR加工の複雑さで大きく変動します。

※スマートフォンで撮影する写真や動画に特殊加工をする技術

⑥ リーチ&フリークエンシー広告(R&F)

リーチ&フリークエンシー広告(以下、R&F広告)は、以下の設定を事前に設定する動画広告です。

  • 誰に広告を届けるか
  • いつ広告を表示させるか
  • どのくらいの人数に
  • 広告を何回表示させるか

R&F広告では、以下の4項目を設定できます。

  • ターゲティング(動画広告を届けたいターゲット)
  • スケジュール(広告の配信スケジュール)
  • 予約および購入方法(広告の予算や届ける人数の調整)
  • フルークエンシーコントロール(ユーザーごとに広告の表示回数の設定)

参考:TikTokビジネスヘルプセンター|Reach & Frequencyについて

R&F広告は、ではターゲットごとに「1日あたりの表示回数」も設定できます。ブランドメッセージを一定期間・一定回数で効率よく届けたいときに最適な選択肢でしょう。大型キャンペーンの動画広告としてもおすすめです。

R&F広告の費用は、数十万円以上で、広告を届けたい人数や広告の配信回数・期間によって変動します。

⑦ ブランドミッション

ブランドミッションは、広告クリエイターを募集して、自社の動画広告を作成してもらう形式です。広告主は、作成してもらった動画の中から、成果につながりそうな動画を広告として配信できます。

ブランドミッションは、TikTokらしいユニークなコンテンツを集めたいときや共創型マーケティングに向いています。

※社外の人材と協力して新たな価値を市場に創造するマーケティング手法

ブランドミッションの費用は、クリエイターへ支払う報酬込みで100万円以上です。クリエイターの採用数やインセンティブによって、費用は変動します。

⑧ 動画ショッピング広告(VSA)

動画ショッピング広告(VSA)は、商品詳細ボタンや購入ボタンを動画内に表示できる動画広告です。

ユーザーを、ECサイトへシームレスに誘導できるため、商品の購買を促したいときやアパレル・コスメ・雑貨などのEC系サイトに効果的です。

動画ショッピング広告(VSA)の最低出稿額は1日2万円からとなっており、「クリック課金型(CPC)」「成果報酬型」のいずれかの方法を選択できます。

⑨ コレクション広告

コレクション広告は、メイン動画の下に、商品を横並びで一覧表示できる動画広告です。

ユーザーは、気になる商品をタップすることで、シームレスに詳細ページへ移動できます。複数の商品をまとめて紹介したいときやセール・新商品紹介などに向いています。

コレクション広告の最低出稿額は1日2万円です。課金形態には、クリック型課金・インプレッション型課金などがあり、広告主が選択できます。

⑩ ダイナミックショーケース広告(DSA)

ダイナミックショーケース広告(DSA)は、ユーザーの行動履歴に合わせて最適な商品を自動で表示する動画広告です。

自社ECサイトの訪問履歴などを活用できるため、CV率を上げたいときに最適な形式でしょう。リターゲティングを進めたいときや再訪問するユーザーをターゲットにする際にもおすすめです。

ダイナミックショーケース広告(DSA)の最低出稿額は、コレクション広告やインフィード広告と同等水準の1日2万円です。課金形態には、クリック課金型・インプレッション課金型などがあり、広告主が選択できます。

3. TikTok広告の動画づくりを成功させるポイント

TikTok広告には、自社で制作した動画を出稿できます。ここでは、TikTok広告の動画作りを成功させるポイントを紹介します。

TikTokならではの動画演出(最初の3秒が勝負)

TikTokのユーザーは、興味のない動画を簡単にスキップできます。そのため、TikTok広告の動画づくりでは、ファーストカットで「ん?何これ?」と視聴者に感じさせる工夫が必要です。

具体的には、動画の冒頭に、「結論」「変化」「驚き」「疑問」といった視聴者の意識をひきつける要素を入れましょう。

NG集から始まる・音や字幕でインパクトを出す・冒頭で視聴者に問いかけるといった方法も効果的です。特に、顔出しのある動画や商品の利用シーンを紹介する動画、リアクションのある映像は、視聴者の目をひくでしょう。

TikTokのユーザーは、手元のスマートフォンから“スワイプ1つ”で次の動画へうつれます。つまり、動画冒頭の数秒で続きを視聴するかどうかを判断するのです。

動画の冒頭でスキップされると、肝心の広告のメッセージが伝わりません。TikTok広告では、動画冒頭3秒の演出に力を入れて、視聴者に続きを確認してもらいましょう。

SNSで話題になる動画の作り方や共通点を確認したい方は、以下の記事もご覧ください。

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縦型動画に最適化するには?

TikTokに出稿する動画の向きは、縦が基本です。もしもYouTube動画などの横型動画をそのまま使うと、視聴者に違和感をあたえてしまい早期離脱のリスクが高まります。

見やすくわかりやすい縦型動画を設定するポイントは、次のとおりです。

  • テロップ・商品・顔などは「画面の中央」または「上寄せ」に配置
  • 字幕・テロップは大きめに、色分けや動きもくわえる

TikTokは音声なしで視聴されることの多いSNSです。そこで、音声がなくても情報が伝わる文字(テロップ)が重要となります。TikTok広告の動画を制作する際は、スマホで視聴されることを想定し、「見やすさ」「わかりやすさ」に配慮しましょう。

なお、画面の横と縦(幅と高さ)の比率を「アスペクト比」と呼びます。縦型動画のアスペクト比は9:16です。アスペクト比による印象の違いや主流のアスペクト比などを知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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YouTube広告との作り分けの考え方

TikTok広告とYouTube広告を使い分けると、それぞれの動画広告の持ち味が存分に発揮されます。

TikTok広告では“短くて刺さる”演出が効果的です。視聴者の感情に訴える演出や「あるある動画」のように引きの強い動画もよいでしょう。ギャグ要素のある動画も視聴数を獲得しやすいです。

また、TikTokでは“広告っぽさ”のない動画のクリック率が高い傾向にあります。あえて「TikTokらしい素人感」を演出する方法もTikTok広告ではありです。

反対に、YouTube広告には、製品の開発背景やメリットを説明していくような長編動画が向いています。

TikTok広告とYouTube広告の細かな違いは、以下のとおりです。両者を上手に使い分けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

比較項目 TikTok広告 YouTube広告
動画サイズ 縦型(9:16) 横型(16:9)
ユーザーの視聴姿勢 受動的(スクロール中に表示) 能動的(動画視聴中に表示)
制作の雰囲気 カジュアル・テンポ重視 ストーリー重視・信頼感重視
最適な尺(動画の長さ) 6〜15秒 15秒〜60秒(内容によっては長尺)
表現の方向性 驚き・共感・おもしろさ・リアクション 丁寧な説明・論理的な訴求

YouTube広告の効果や中小企業のメリットを知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

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プロに頼むときのチェックポイント

動画制作のプロにTikTok広告の動画制作を依頼すると、動画づくりの全工程を一任できます。

特に動画制作会社なら、自社の企業イメージや製品ブランドにふさわしい動画を制作してくれるでしょう。参考までに、動画制作のプロに依頼する際のチェックポイントを紹介します。

TikTok向けの実績があるか?

テレビCMやYouTube広告を専門に扱う制作会社では、TikTok特有の演出に不慣れなケースが考えられます。

TikTok向けの動画を制作したことのある制作会社を選びましょう。

企画段階から一緒に考えてくれるか?

TikTokでは、「演出・構成」の良し悪しが動画広告の成果を大きく左右します。

絵コンテやシナリオの制作段階で、具体的な提案を行ってくれる会社がおすすめです。自社の魅力が伝わる動画広告を制作するためには、依頼主の意見も大切です。

縦型動画の編集経験があるか?

TikTok広告の主流は、スマートフォン向けの縦型動画です。横動画ベースで制作されると、視聴者から「詰め込みすぎて見づらい」といったクレームが起きるかもしれません。縦型動画の編集経験のある制作会社を選びましょう。

予算に応じた柔軟な提案をできるか?

自社の予算に合わせた提案をしてくれるかも確認しましょう。

「10万円以下でも対応可能です」「2本以上の依頼でコストを調整します」といった提案ができる制作会社なら、動画制作の予算も立てやすいですよね。特に初めての広告配信では、動画制作とセットで運用アドバイスがもらえると安心です。

映像・動画制作の依頼から納品までの流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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補足:内製する場合の注意点

TikTok広告を内製する場合は、アプリ内でよく視聴されている動画を参考にしましょう。検索上位にあがっている動画なら「テロップ・効果音・BGM・動きのテンポ」に“視聴数を稼ぐ動画”のヒントがあります。

また、検索上位の動画は「構成・テンポ・訴求」にも工夫をこらしています。それぞれの良いところを自社の動画に取り入れてみましょう。

また、動画制作の際は、「撮る人・出る人・編集する人」の役割分担を社内で行ってみてください。効率的に動画制作を進められるはずです。

動画内製化に取り組む企業が検討すべきポイントを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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4. TikTok広告事例【TikTok for Businessより抜粋】

TikTok for Businessで紹介されている広告事例を紹介します。TikTok広告を導入した会社の特徴や広告形式、具体的な成果を確認して、自社の広告を確認しましょう。

① インフィード広告

一般社団法人 国際じぶんストーリー協会が運営する「クリエイターズ・アカデミー」は、自社ブランドの認知獲得やターゲットとの接触機会を増やすために、インフィード広告の1つ「スマートパフォーマンスキャンペーン(SPC)」を導入しました。

具体的な成果は以下のとおりです。

  • CPA(顧客獲得単価)を52%削減
  • CVR(コンバージョン率)を4.5%改善
  • 20万8,000以上のインプレッション獲得

スマートパフォーマンスキャンペーン(SPC)とは、広告主の設定に基づいて、AIが自動で広告素材の組み合わせ・顧客の絞り込みなどを最適化してくれるキャンペーンです。SPCの動画は、ユーザーの「おすすめ」フィードに表示されるため、インフィード広告に該当します。

クリエイターズ・アカデミーは、インフィード広告を活用して、キャンペーン設定・分析の手間を削減し、コンテンツ制作に集中する環境を構築しました。その結果、新規クリエイターの獲得や展開するクリエイターネットワークの規模拡大に成功しています。

参考①:TikTok for Business|成功事例 クリエイターズ・アカデミー

参考②:TikTokビジネスヘルプセンター|スマートパフォーマンスキャンペーンについて

参考③:クリエイターズ・アカデミー公式ホームページ

② Spark Ads(スパーク広告)

昭和産業株式会社は、1936年創立の老舗食品メーカーです。昭和産業株式会社は、子どもや家庭を持つ層へのブランドの認知向上・存在価値の強化を目的として、Spark Ads(スパーク広告)を導入しました。

具体的には、事業コンサルティングを主軸とするYRK&(ワイアールケイアンド)と提携して、親子向け動画を制作しました。

具体的な成果は以下のとおりです。

  • 250万以上のインプレッション
  • 97万回以上の動画視聴
  • 動画視聴単価は予想より約72%低く、高いROI(投資対効果)を実現

本事例では、親子でホットケーキを焼くといった日常的な様子を動画にして、Spark Ads(スパーク広告)から配信。広告感の少ない自然な動画広告によって、好意的なコメントや反応を獲得しました。

参考①:TikTok for Business|成功事例 昭和産業株式会社

参考②:昭和産業株式会社 公式ホームページ

③ TopView広告

日本の大手食品メーカーであるミツカンは、冬の鍋シーズンに合わせた製品の話題化を図るため、TopView広告を導入しました。

具体的な成果は以下のとおりです。

  • 総再生開始数/オーガニック再生回数=7,371万回/2,046万回
  • 全ファネルでリフトアップ(KANTARのAd Effectiveness調査で確認)
  • 「鍋=冬」の固定観念を打破し、「鍋×アウトドア」の新イメージを浸透
  • 推奨意向は6.9%アップ。購入意向は7.9%アップを達成

動画広告の制作では、11組のクリエイターを起用。質の高い動画をTopView広告から2回配信しました。さらに、インフィード広告を2ヶ月間運用することで、鍋の新しい活用法の提案・自社のシェア拡大を目指し、上記の成果を達成しています。

参考①:TikTok for Business|成功事例 株式会社ミツカン

参考②:ミツカングループ 公式ホームページ

④ ブランドエフェクト

カネボウ化粧品は、KATE(ケイト)やKANEBO(カネボウ)などのコスメブランドを展開する化粧品メーカーです。

KATEの口紅“リップモンスター”の認知拡大や新規顧客の購入促進を目的として、TikTok広告のブランドエフェクトを導入しました。

具体的な成果は次のとおりです。

  • エフェクト利用動画の総再生回数460万回
  • リップモンスターシリーズ、累計出荷数800万本を突破
  • 通常版(全14色)は発売から約1年半で550万本出荷
  • 口紅カテゴリーでシェアNo.1を獲得

カネボウ化粧品は、ユーザーが「自分の唇に口紅を塗るような疑似体験」をできるブランドエフェクトを独自に制作。このエフェクトを使ったエフェクト動画が投稿されると、真似をするユーザーが続出し、動画広告は大きく拡散されました。

参考①:TikTok for Business|成功事例 カネボウ化粧品(KATE)

参考②:カネボウ化粧品 公式ホームページ

5. TikTok広告の成功確率を高める3つのポイント

TikTok広告の効果を高める3つのポイント

  • まずは小さく始めてみよう
  • 自社に合うフォーマットと費用感を見極めよう
  • 動画制作に不安があればプロへの相談も視野に

まずは小さく始めてみよう

TikTok広告を導入するか迷っている場合は、低予算からスタートしてみましょう。予算を抑えたお試し運用によって、TikTok広告の具体的な効果や自社との相性を確認できます。

たとえば、TikTokの運用型広告は1日あたり数万円でスタートできる広告形式です。一度の出稿に数百万円の費用が必要なトップビュー広告よりも低予算で導入できます。

また、再生数・クリック率・コメントなどは可視化されやすく、広告運用後の検証と改善がやりやすいでしょう。やり方次第で、抑えた予算で十分な費用対効果を発揮できるのです。

はじめて運用する場合や運用初期では、「運用型×インフィード広告」の組み合わせもおすすめです。この組み合わせでは、TikTokに投稿された動画と同じ形式で自社の広告が表示されます。広告感が少なくターゲット層にアプローチできるため、低コストで運用できるでしょう。

TikTok広告では、自社が持つ広告運用の考え方や予算にフォーカスした選択が効果的です。

自社に合うフォーマットと費用感を見極めよう

自社に合うフォーマットと費用感を見極めよう

TikTok広告には、予約型広告運用型広告があり、それぞれ予算や目的は大きく異なります。どちらが自社に合う形式なのかを十分に検討しましょう。

たとえば、自社が地域密着型の企業で、特定商品のPRを短期的に行いたいなら、運用型広告がおすすめです。出稿までにいくつかの設定を行いますが、その分自社の都合に合わせた柔軟な運用が可能です。小回りの利く中小企業に向いています。

一方で、ある程度の予算を見込める場合や「商品の全国キャンペーンによる認知の大幅な拡大を狙うなら、予約型広告がよいでしょう。予約型広告は、購入した広告枠に応じて、自社の広告が配信されるからです。

ほかにも、業種・ターゲット層によって適した広告タイプが違います。

たとえば、10〜20代向け商材なら「Spark Ads」や「ブランドエフェクト」が適切です。30〜40代向けサービス業なら「TopView」や「インフィード広告」を選びましょう。

YouTubeとTikTokは、そもそもの広告の“出会い方”が異なります。

YouTubeは検索して視聴しますが、TikTokは偶然流れてくるというイメージです。その違いに合わせたフォーマット選び・演出を意識してみてください。

動画制作に不安があればプロへの相談も視野に

動画制作を内製化できれば、予算を抑えつつ小回りの利いた広告戦略を実現できるでしょう。

しかし、動画制作のノウハウや人員が不足しているときは、動画制作が負担になるかもしれません。そんなときは、動画制作のプロへの相談を視野に入れてみてください。

TikTok動画で視聴されるポイントを押さえた制作会社なら、企画から制作まで委託できます。ターゲットに響く演出や短尺でも伝わるストーリー設計を施してくれるはずです。広告の種類に合わせたフォーマットも相談できます。

視聴されるTikTok動画のポイント

  • 縦型動画が必須
  • 動画冒頭に視聴者の興味をひく仕掛けを置く
  • 「構成・テンポ・演出」の工夫が視聴者の共感を獲得する
  • YouTube動画よりも「動画1秒」における情報の密度は濃い

TikTok動画は、テレビCMやYouTube広告とは「別物」です。独自ルールやポイントを押さえて動画制作を進めないと、「伝えたいことが伝わらない動画」になるかもしれません。

なお、制作会社への依頼は、小規模案件や相談ベースで始めることが可能です。企画1本・動画1本から依頼できる制作会社もあります。社内で悩み続けるよりも、外部の視点を活用して、現状を打破しましょう。

6. まとめ|種類と費用を理解すれば、TikTok広告は怖くない

TikTok広告は、10代20代の若者だけでなく、30代40代のユーザーに自社の魅力を届ける動画広告サービスです。

TikTokの広告種類と費用を理解すれば、自社製品の魅力を効果的にアピールしつつ、広告予算は適正範囲に抑えられます。

まずは、本記事を参考にしていただき、自社の希望と合致しそうな広告形式をいくつかピックアップしてみましょう。次にピックアップした中から、自社の広告戦略や予算などに照らし合わせて、より適切な広告形式を見極めてみてください。

若者からミドル世代までユーザーのいるTikTok広告は、運用次第で有力な広告戦略となります。この機会にぜひTikTok広告の有効性をご確認ください。最後までお読みいただきありがとうございました。

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