マーティン・スコセッシ｜外国人映画監督｜映像制作・動画制作会社のボーダーレス

マーティン・スコセッシ
（Martin Scorsese　1942年11月17日～）

アメリカの映画監督、脚本家、映画プロデューサーであり、自身を聖職者とギャングに育てられたと語る異端の映画監督。

映像作品に対するこだわり

現在では『映画マニアが映画を撮った』といえばクエンティン・タランティーノであるが、もう一世代上ならこのニックネームはマーティン・スコセッシにこそふさわしいといえる。スコセッシが育ったのはニューヨークのロング・アイランドのクィーンズ地区であり、そこはマフィアの支配するイタリア系の移民社会であった。幼い頃は喘息持ちで体が弱く、彼の逃げ場は「映画館」と「大聖堂」であったそうである。将来はカトリックの司祭になることを夢見つつ、幼少時代のスコセッシはここでハリウッド映画だけでなく、イタリアを始めとしたヨーロッパの映画、そして日本の溝口健と、世界中の名作を網羅して育ったという。また、青春期がロック最盛期と重なっていることで、彼の作品にとって音楽、とくにロックは欠かせない要素となっている。ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、ボブ・ディランなど、彼の作品になくてはならない演出のひとつとなっている。また、ロック好きが高じて、ザ・バンドの解散をドキュメンタリー風に追ったライブ映像「ラスト・ワルツ」や、2008年に公開され、ベルリン国際映画祭で先行上映されたドキュメンタリー「ザ・ローリング・ストーンズシャイン・ア・ライト」など、ライブ映像を中心とした作品にも多く関わっている。そして、マイケル・ジャクソンの「ＢＡＤ」のプロモーションビデオも兼ねたショートフィルムを監督したのもスコセッシである。

エピソード

映画監督として有名であるが、俳優としても活動している。黒澤明監督の「夢」にヴァン・ゴッホ役として出演、ロバート・レッドフォード監督の「クイズ・ショウ」に出演し強烈な個性を発揮している。

映画監督である今村昌平に強い影響を受け、「今村の作品は血となり肉となった」と語っている。今村の葬儀の際には「彼は私の師でした」と記した弔文を寄せている。

スコセッシ監督作品といえば、かつては主演はロバート・デ・ニーロであった。だが最近はレオナルド・ディカプリオとのコンビ作品が増えつつある状況に、2012年のハリウッド・フィルム・アワードにプレゼンターとして出席したデ・ニーロは「マーティーの主役をディカプリオに奪われたのに、こうして式に呼ばれてます」とジョークで会場を沸かせた。