幻想的な映像が撮れる!クロスフィルターの効果と使い方
2023.02.15
今回の『動画の学校 ボーダーレスゼミ』のテーマは、表現の幅を広げるクロスフィルターの使い方について。クロスフィルターの効果や使い方を実践形式でレクチャーしていきます。
アシスタントはタレントの華綸(けりん)さんです。
クロスフィルターを使って夜景やイルミネーションを撮影すると、光のキラキラ感がアップします。
ファンタジックな世界観を演出することができるので、ぜひ使い方をマスターしておきましょう。
1. クロスフィルターとは?
クロスフィルターとは、カメラのレンズに装着するフィルターの1種です。
点光源を撮影したときにクロスした光のすじを表現することができます。
2. クロスフィルターを使った効果的な撮影方法
クロスフィルターを効果的に使用するためにはどのような方法で撮影すると良いのでしょうか?
① 部屋をちょうど良い暗さにする
室内でクロスフィルターを使うときは少し暗くしてから撮影すると効果がアップする。
② クロスフィルターを回す
レンズにクロス状のミゾがついているシンプルな構造なので、回すことでクロスした光が回転する幻想的な映像が撮れる。
③ 絞りを開くことできれいな光条になる
絞り過ぎると線が太くなるので注意する。
④ クロスフィルターの種類を使い分ける
光の本数は4~8本まで選ぶことができる。
⑤多用しすぎない方が良い
ポイントを絞って使った方がオシャレな映像になる。
【豆知識】クロスフィルターで光条が現れる原理とは?
クロスフィルターを装着すると現れる光のすじは「光条」と呼ばれています。
クロスフィルターの光条はどのような原理でできるのでしょうか?
クロスフィルターの秘密は表面の「ミゾ」にある
クロスフィルターから生み出される光条の秘密は、表面の「ミゾ」にあります。
透明なフィルターガラスの表面をよく見ると、線状の細いミゾが規則的に刻まれているのがわかります。被写体(点光源)から当たった光がこのミゾによって屈折し、美しい光のすじを生み出す仕組みになっています。
クロスフィルターの種類によって光条の本数が違うのは、表面に刻まれているミゾの本数に違いがあるためです。本数だけでなく、メーカーや製品によってミゾの角度(深さ)などにも違いがあるので、それによって光の表情も変わってきます。
どのような光を表現したいのか、自分が撮りたい画に合わせて選んでみると良いでしょう。
クロスフィルター撮影におすすめのシーン
クロスフィルターでの撮影におすすめのシーンとしてまず挙げられるのが、イルミネーションです。
その理由は、イルミネーションの演出に使われるライトにあります。イルミネーションの定番になっているストリングライトやネットライトと呼ばれるライトには、たくさんの小さなLED電球が連なって配置されているという特徴があります。
もともとクロスフィルターは強い光を放つ点光源によってクロス効果を表わすようになっているので、<s点光源が無数にあるイルミネーションとは相性が良いのです。
もちろん、イルミネーションの他にも工夫次第で様々なシーンの撮影に使うことができます。
【クロスフィルターの使用シーン例】
- ビルの明かりや街灯
- キャンドルの炎
- 花火
- 星空
- ライブ会場のペンライト
- 木漏れ日
- 湖や海などの水面
- 朝陽、夕陽
- 朝露や雨の雫
- つららや霧氷
- シャボン玉
- アクセサリーや宝石
- ガラス細工 など
クロスフィルターの光はデジタルフィルターでも表現できる?
デジタルカメラのなかには、フィルター機能としてクロスフィルターの効果を搭載しているものがあります。
ただし、デジタルカメラのクロスフィルター機能は撮影した画をソフトで処理する仕組みになっています。光の屈折を利用する光学フィルターとは原理が異なるため、光条の現れ方にも違いがあります。
デジタル処理されたクロスの光条は、光学フィルターを使用したものに比べると機械的で<「きれいすぎる」印象になりがちです。
また、デジタルフィルターの場合、光源の強さや焦点距離などがクロス効果に影響することはありません。
被写体や絞りの調整による光条の変化を楽しむことはできませんが、通常ではクロス効果を出すのが難しいような場面でも使えるのはメリットといえます。