PLフィルターの効果とは?実例や使い道を解説【カメラマン必須アイテム】
2023.02.20
今回の『動画の学校 ボーダーレスゼミ』のテーマはカメラマンの必須アイテム、PLフィルターについて。
PLフィルターの効果や使い道、注意点などを実例とともに解説していきます。
アシスタントはタレントの華綸(けりん)さんです。
PLフィルターを使うことで、窓ガラスへの映り込みや光の反射を気にせずに撮影できるようになります。
反対に映り込みを濃くする演出や、風景を美しく撮影したいときにも使える万能フィルターとして知られているのでチェックしておきましょう!
1. PLフィルターの効果
PLフィルターは「偏光フィルター」とも呼ばれ、反射光を調整することができるフィルターです。
編集で後から光の反射を除去することは困難なので、プロの現場では必須アイテムになっています。
① 光の反射を抑える
光が反射したガラスや窓などの撮影時に、反射を抑えてきれいに映すことができる。
② 光の反射を増やす
ガラスや鏡面加工された壁の反射を濃くして姿を映すことができる。
③ 角度や位置によって効果が出ない場合もある
全てのシーンで使えるわけではなく、はっきりとした効果が出ないこともある。
PLフィルターを使うときは効果が現れやすい角度や位置に調整する必要がある。
2. PLフィルターの使い道
PLフィルターはどのような場面に使うと効果的なのでしょうか?
① MV・PV撮影
演出に加えると、通常のレンズだけでは撮れないような映像が撮れるようになる。
例)反射が急に現れるなど
② 空の撮影
空の撮影は光の乱反射で白っぽくなってしまいがちだが、PLフィルターを使うと抜けの良い(青く澄んだ)空が撮れるようになる。
② 水面の撮影
光が反射しやすい水面も、PLフィルターを使うと水中まで鮮やかに撮れるようになる。
例)水族館の水槽、鯉の泳ぐ池など
3. PLフィルターの注意点
PLフィルターは便利なフィルターですが、デメリットがあることも覚えておきましょう。
① 暗くなる
PLフィルターをつけると露光量(取り込む光の量)が少なくなるため、映像が暗くなる。
② 価格が高い
安価な商品は効果が薄かったりにじんでしまうことがある。
購入するなら予算を出し惜しみしないのがポイント。
③ 劣化しやすい
経年劣化しやすいため、十分な効果を得るためには数年に1度程度のペースで買い替えていく必要がある。
【豆知識】PLフィルターの寿命と交換の目安
PLフィルターの注意点として、経年劣化しやすい点が挙げられます。では、その寿命(耐用年数)は大体どれくらいなのでしょうか?
PLフィルターの寿命はおよそ7~8年
一般的に、PLフィルターの寿命はおよそ7~8年といわれています。ただし、使用頻度や保管方法によっては2~3年で劣化してしまうこともあります。
使いはじめてから7~8年経つとガラス部分が黄色っぽく変色し、映像や写真に色が付くようになります。
そうなったら交換のサインなので、新しいものに買い替えましょう。
劣化しているかどうかチェックするのに手軽な方法として、白い紙や布の上にPLフィルターを置いてみてください。
グレーに見えるなら問題なく、黄色や赤みがかった色に見えるようなら寿命です。
PLフィルターの寿命を伸ばすには保管方法が重要
PLフィルターの劣化の原因は、主に偏光膜にあります。PLフィルターの内側に挟まれている偏光膜というフィルムには紫外線や熱に弱い性質があります。
そのため、直射日光が当たる場所や気温の高い場所で使用しているうちに劣化して変色してしまうのです。
とはいえ、日が出ているときには全く使わないというわけにもいかないので、PLフィルターの寿命をできるだけ伸ばすには保管の仕方が重要になります。
【PLフィルターの保管の注意点】
- 直射日光が当たる場所に保管しない
- 高温になる場所に保管しない
- 使用後は裸で置きっぱなしにせず、速やかに太陽光が当たらない場所にしまう
特に夏場の車内などは思ったよりも高温になるので注意してください。真夏の炎天下では車内温度が70℃を超えることもあるので、置きっぱなしは厳禁です。
撮影現場では面倒でもPLフィルターを裸のまま放置せず、使用後にすぐしまうクセをつけると劣化のスピードを緩めることができます。
PLフィルターは安価なものではないので、正しく保管してできるだけ長く使えるようにしましょう。