【動画の知識】撮影

フレームレートはどう選ぶ?2つのポイントをプロが解説【動画撮影初心者】

2023.03.20

今回の『動画の学校 ボーダーレスゼミ』のテーマは、カメラのフレームレートの設定について。動画撮影時のフレームレートの設定で意識するべき2つのポイントをわかりやすく解説していきます。

INDEX

フレームレートの選び方で意識するポイントは主に2つです。

1.画質の観点から選ぶ

この場合の画質とは、動画の「質感」のことを指します。動画には大きく分けて「フィルムルック」「ビデオルック」の2つの質感があるため、どのような質感にしたいかによってフレームレートを選びましょう。

フィルムルック:映画のような虚構的な画質(質感)のこと。
ビデオルック:テレビのようなパキッとした画質(質感)のこと。

①簡易的でいいのでフィルムルックにしたい →フレームレート24fpsがおすすめ

フィルムルックに撮りたい場合、フレームレートは24fpsにすると良い。ただし、画質は簡易的になる。60fpsで撮影した動画を編集で24fpsにすることも可能。

②普通に撮りたい、ビデオルックにしたい →フレームレート30fpsがおすすめ

ビデオルックに撮りたい場合、フレームレートは30fpsにすると良い。

③編集で加工する可能性がある →フレームレート60fpsがおすすめ

後ほど編集で加工する可能性がある場合、フレームレートは60fpsにすると良い。ただし、1秒間に60枚の静止画を撮影しているため原理的には動きにパラパラ感が出はじめる。

④基本的に画質の観点で120fpsを選ぶことはない

1秒間に120枚の静止画を撮影しているため、60fpsよりもさらにパラパラ感が出る。

2.使用用途から選ぶ

スローモーションやマスク、合成、カラー加工など、使用用途(後ほど行う予定の処理)に応じてフレームレートを選びましょう。

①24fps

後処理をしないことが前提の撮影のときに選ぶ。予めカメラで全て設定をしておく必要がある。

②30fps

24fpsと同じく後処理をする予定の撮影には向いていない。単にビデオルックで撮影したいときに選ぶ。

③60fps

後処理をしやすい。編集で加工する可能性があるときに選ぶ。スローモーションをかけるのにも向いている。1分の動画を2分まで引き伸ばしてスローモーションにできる。
例)色を変えたい、合成したい、スローモーションをかけたいような場合

④120fps

後で必ずスローモーションにすると決まっているカットのときに選ぶ。

3.フレームレートとシャッタースピードの関係性

フレームレートを選ぶときは、併せてシャッタースピードを調整する必要があります。

①60fpsの場合→1/120秒のシャッタースピード

基本的にシャッタースピードフレームレートの数字の2倍分の1に設定すると良いとされている。

②120fpsの場合→1/240秒のシャッタースピード

カメラによってぴったりの数値に設定できない場合は、1/250秒など近似値に設定する。

【豆知識】ゲームのフレームレートはどのくらい?

映画は24fps、地デジ放送は30fps、4K/8Kスーパーハイビジョン衛生放送は60fpsなど、現在日本で日常的に目にする動画のフレームレートは大体24~60fps程度が多いです。

では、ゲームのフレームレートはどのくらいなのでしょうか?

家庭用ゲーム機の最大フレームレートは60~120fps程度

ゲームのフレームレートと一口に言っても、ハードウェアやタイトルによってフレームレートの数値は異なります。

【主なゲーム機の最大フレームレート値】

  • Nintendo Switch…60fps
  • PS4…60fps
  • PS5…120fps

現行のニンテンドースイッチ最大フレームレートは60fpsです。ただし、旧タイトルや3Dアクションなどのタイトルでは30fps程度しか出ないことも多いといわれます。60fpsに対応しているニンテンドースイッチのゲームタイトルでは「マリオカート8デラックス」「大乱闘スマッシュブラザーズSP」「マインクラフト」などが有名です。

PS4最大フレームレートはスイッチと同じ60fpsでしたが、PS5では大幅にアップし最大120fpsになりました。4K/120fpsに対応したテレビとタイトルを揃えることで、ハイスペックな画質でゲームを楽しむことができます。

フレームレート120fpsでプレイ可能なPS5のタイトルには「フォートナイト」「コールオブデューティ:ヴァンガード」「コールオブデューティ:ブラックオプス コールドウォー」「デビルメイクライ5 スペシャルエディション」などがあります。

PCゲームのフレームレートは最低144fps以上といわれる

PCゲームの場合、フレームレートの目安は家庭用ゲーム機よりも高くなります。具体的には、144fps~240fpsのフレームレートが目安です。

フレームレートは「1秒間に何枚の画を表示することができるかどうか」の性能のことなので、フレームレートが高いほどヌルヌルした動きで俊敏なプレイが可能になります。

特にeスポーツなどの真剣勝負の場面や、FPS(ファーストパーソン・シューティング)のようなゲームの場合、コンマ1秒の動作が勝敗を分けることも少なくありません。PCゲームの世界ではフレームレートの高さが勝率に直結するともいわれます。

本気でPCゲームをやるのであれば、最低でも144fps以上のフレームレートが出せるグラフィックボードが搭載されたゲーミングPCを狙いましょう。ただし、フレームレートの数値だけが高くてもモニターがそれを表示しないのでは意味がありません。ハイスペックなフレームレートに合わせたゲーミングモニターや、諸々の周辺機器を揃えて、快適なプレイ環境を構築してみてください。

※上記は2023年2月時点の情報です

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