AIで動画の絵コンテを生成!ChatGPTの使い方を映像制作のプロが紹介
2026.07.23
近年、生成AIを動画制作に活用する企業や個人が増えています。
なかでも、動画制作の設計図となる「絵コンテ」の作成にAIを取り入れるケースが増えており、企画立案からビジュアル制作までの工程を効率化できるようになりました。
では、生成AIを活用することで、絵コンテ制作の進め方はどのように変わるのでしょうか。
この記事では、ChatGPTを活用した絵コンテの企画立案の方法をはじめ、AIによる画像生成の手順、提案資料としてまとめる方法までをわかりやすく解説します。
また、AIで絵コンテを作成するメリット・デメリットや、精度の高い絵コンテを作るためのポイントについてもご紹介します。
- 絵コンテ作成に使えるAIツール4選(ChatGPT・Gemini・Canva・Adobe Firefly)
- ChatGPTができること・できないこと
- 企業担当者からみたChatGPTのメリット・デメリット
- 絵コンテにおけるプロンプト作成のポイント
- AIで絵コンテを作成したときの注意点
記事作成にあたり、映像・動画制作会社「ボーダーレス」のクリエイターが実際に各AIを使用し、機能や使い勝手、絵コンテ制作への活用方法を検証しました。ぜひ、動画制作や企画立案の参考としてご活用ください。
なお、AIツールの機能や料金、利用条件は変更される場合があります。商用利用を行う際は、最新の公式情報や利用規約、社内・クライアントのガイドラインもあわせてご確認ください。
絵コンテの基本的な役割や作成手順、書き方のポイントについて知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
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1. 絵コンテ作成にAIを活用する理由

絵コンテは、動画の品質を高めるだけでなく、制作をスムーズかつ効率的に進めるために、多くの現場で活用されています。
一方で、絵コンテの作成には企画の整理や構成の検討、イメージの可視化など、多くの時間と労力が必要です。そのため、日々の業務に追われる企業担当者のなかには、「伝わる絵コンテをもっと効率的に作りたい」と考える方も少なくないでしょう。
そこで注目されているのが生成AIです。
AIを活用することで、絵コンテ作成にかかる負担を軽減しながら、アイデア出しや構成設計を効率化できます。
AIは絵コンテ作成の効率化に役立つツール
AIは、絵コンテ作成の効率化に役立つツールです。
従来の絵コンテ作成では、ラフイラストを描いたり参考画像を探したりするために、時間や人員を確保する必要がありました。しかし、AIを活用すれば、文章で指示を出すだけでイメージ画像を生成できます。
また、ChatGPTをはじめとする生成AIは、無料または低コストで利用できるため、大きな予算をかけずに導入できる点も魅力です。
専任のデザイナーや映像制作者がいない中小企業でも活用しやすいでしょう。
AIを活用する主なメリット
- アイデアを短時間で可視化できる
- ストーリーや構成を整理しやすい
- 社内やクライアントとのイメージ共有がしやすくなる
- 絵を描くスキルがなくても絵コンテを作成できる
特に、動画制作の企画段階では「まずは映像のイメージを形にしたい」という場面が少なくありません。
AIを活用すれば、マーケティング担当者や少人数のチームでも、企画の方向性を確認するための絵コンテを効率的に作成できます。
動画制作の初期検討や社内提案のスピード向上にも役立つでしょう。
2. 絵コンテ作成に使えるAIツール4選

AIによる絵コンテ作成に興味はあるものの、「どのツールを使えばよいかわからない」という企業担当者もいるでしょう。
ここでは、絵コンテ作成に活用しやすい4つのAIツールを紹介します。
| ① ChatGPT/GPT Image | ② Gemini | ③ Canva | ④ Adobe Firefly | |
|---|---|---|---|---|
| クオリティ | ◎ | ○ | △ | ○ |
| 対応範囲 | ◎ 企画・プロンプト作成から画像生成、絵コンテ制作まで一気通貫で対応 |
○ 人物・キャラクター・物品などの画像生成に強い |
○ 画像生成に加え、絵コンテや提案資料のレイアウト作成に最適 |
○ 画像生成・補正・編集・Adobe製品との連携に強い |
| 導入のしやすさ | ◎ ブラウザからすぐ利用可能 |
◎ Googleアカウントですぐ利用可能 |
○ Canvaアカウントが必要 |
○ Adobeアカウントが必要 |
| 特に向いている用途 | 絵コンテ制作全般・企画・構成・演出検討 | キャラクターの統一・人物画像の生成 | 提案資料・プレゼン資料・絵コンテのレイアウト | 画像の補正・加工・ブラッシュアップ |
各ツールの機能や使いやすさについては、動画制作会社ボーダーレスのスタッフが実際に使用して検証しました。
ぜひ、自社の目的や用途に合ったツール選びの参考にしてください。
① ChatGPT/GPT Image(チャット ジー ピー ティー)
ChatGPTは、OpenAI社が開発したAIツールです。
今回検証したツールの中で、弊社の映像制作スタッフが「絵コンテ作成で最も使いやすい」と感じたAIになります。
ChatGPTには、クオリティの高い画像を生成する機能や制作者の意図を汲みとる能力もあります。
企画意図やプロンプトの整理、ストーリー構成やカット分解までを1つのツールで進められるため、動画制作全般を効率化できるでしょう。
ChatGPT/GPT Imageの長所
- 人物やキャラクター、構図や映像の雰囲気を再現する能力が高い
- 絵コンテ用のラフイメージ作りに最適
- 生成した画像は、PNG形式で保存可能(絵コンテの資料に、比較的きれいな画像を添付できる)
- プロンプト※をChatGPT内で作成・調整できる
※ユーザーがAIに入力する指示や質問のこと
ChatGPTでは、プロンプト自体の修正も行えます。
「もっとラフに」「実写寄りにして」「CM絵コンテっぽく」「情報量を減らして」といった修正指示によって、プロンプトの内容を整えられるのです。
ChatGPT/GPT Imageの注意点
- モデレーション機能により、画像生成できないケースがある
モデレーション機能とは、不適切な表現を削除したり非表示にしたりする機能です。
ChatGPTでは、言葉の表現を抽象化したり言い換えたりすることで、画像を生成できるケースもあります。
ただし、その場合は著作権や倫理観・コンプライアンス面に注意が必要です。
② Gemini(ジェミニ)
Geminiは、Google社が提供しているAIツールです。
人物やキャラクターを認識する能力が高く、キャラクターの統一感を出したいときに効果を発揮します。
1つのキャラクターを複数のカットに登場させたいときにも効果的です。
ただし、Geminiには以下のような気になるポイントがあります。
- 電子透かしが付与される場合がある
- 映像の細部がつぶれたり、再編集の際に画質が劣化したりする
- アスペクト比は利用環境によって指定方法が異なる
Geminiで生成した画像には、AI生成画像であることを識別するための不可視の電子透かしが付与される場合があります。
この電子透かしは画像上に見えるものではありませんが、AI生成画像であることを判別するための情報が埋め込まれています。そのため、利用する際はクライアントや納品先のガイドラインも確認しておくと安心です。
アスペクト比とは、「16:9」「9:16」「1:1」といった「横と縦の長さの比率」です。
Geminiは複数のアスペクト比に対応していますが、利用するツールや環境によって指定方法や出力の安定性が異なる場合があります。用途に合わせたサイズで問題なく生成できるか、事前にテストしておくと安心です。
上記のポイントが必ず起きるとは限りませんが、現在は柔軟性の高いChatGPTに移行するGeminiユーザーが増えている印象もあります。
③ Canva(キャンバ)
Canvaは、オーストラリアに本社を置くCanva Pty Ltdが提供するAIツールです。
Canvaの画像生成機能は、簡単なイメージ作成やアイデアの可視化に適しています。一方で、細かな描写や人物の演技、キャラクターごとの表現は、用途によっては調整が必要になる場合があります。
そのため、画像生成だけでなく、絵コンテや提案資料を見やすくレイアウトするツールとして活用するのがおすすめです。
たとえば、他のAIで生成した画像をCanvaに取り込み、タイトルや説明文、カット番号などを追加すれば、クライアントへの提案資料として見やすく仕上げられます。
このように、Canvaは画像生成とデザイン編集を組み合わせながら、絵コンテやプレゼン資料を効率よく作成できる点が大きな魅力です。動画制作の企画書や提案シートを作成・調整したい場合にも活用しやすいでしょう。
④ Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)
Adobe Fireflyは、Adobe社が提供するAIツールです。
画像生成だけでなく、画像の補正や編集、加工にも優れており、絵コンテ制作をサポートするツールとして活用できます。
Adobe Fireflyの使用例
- 背景の不要物を消す
- 余白を拡張する
- 画像の一部を自然に修正する
- テイストや構図を調整する
Adobe FireflyはAdobe製品との連携が強く、Adobe PhotoshopやAdobe Illustratorと組み合わせることで、画像生成から補正、レイアウト調整まで効率よく進められます。
一方で、絵コンテ全体の構成やストーリー作成、カット演出の提案まで一つのツールで完結させるというよりは、生成したビジュアルの品質を高めたり、制作物をブラッシュアップしたりする用途に向いています。
企画のアイデア出しから画像生成、演出案の検討まで一気通貫で進めたい場合は、このあと紹介するChatGPTも有力な選択肢です。
3. AIで絵コンテを作るなら「ChatGPT」がおすすめ

ChatGPTは、企画の整理から絵コンテの作成まで幅広く対応できるAIです。
ここからは、プロの映像制作会社がChatGPTをおすすめする理由を3つ紹介します。
- おすすめ理由① 企画を整理できる
- おすすめ理由② 構成の作成スピードが上がる
- おすすめ理由③ プロンプトを適切な形へ整理できる
理由① 企画を整理できる
「こういう雰囲気にしたい」
「このシーンを面白く見せたい」
「クライアントに伝わるラフがほしい」
絵コンテや動画制作では、いつも完成イメージが固まっているとは限りません。
上記のような曖昧な構想から、動画制作がスタートすることも多いのです。
ChatGPTは、企画初期のアイデアを整理したいときに役立ちます。
作りたい映像や企画のポイントをAIに伝えることで、頭の中のイメージを映像・文章にして可視化できるのです。
曖昧な情報を整理すると、「映像のコンセプトは何がよいか」「コンセプトに合う登場人物は誰がいいか」といった構想も練りやすくなるでしょう。
カメラの位置や構図、演技や画角、トーンなどを考えたいときもChatGPTに相談できます。
理由② 構成の作成スピードが上がる
ChatGPTは、企画の整理だけでなく、構成の作成スピードを上げたいときにも効果的です。
ChatGPTの活用例
- 完成した企画をカットごとに映像化する
- カットごとに適切なプロンプトを作成する
- 映像に合わせたストーリーを練る
- 15秒・30秒などの尺に合わせて構成を作る
こうした活用によって、絵コンテの作成スピードを上げられます。絵コンテ完成後は、提案資料の説明文を考えてもらうことも可能です。
理由③ プロンプトを適切な形へ整理できる
プロンプトとは、AIに対して出す指示や依頼の文章のことです。
「30代の男性が会議室でプレゼンしている様子を描いてください」や「採用動画向けの絵コンテを作成してください」といった入力内容がプロンプトにあたります。
プロンプトの内容は、AIが理解しやすいように整理する必要があります。プロンプトに含める要素が多すぎると、どこかの映像が作成されなかったり、人物や配置が崩れたりするおそれがあるからです。
とはいえ、複雑な情報を整理して、適切なプロンプトを作成するのは容易ではありません。そこで、ChatGPTの出番です。
ChatGPTを活用すると、
① 複雑な情報を整理する
② 映像に適した内容に整える
といった一連の作業を効率的に進められます。
ChatGPTは、絵コンテのように「何が起きているのか」を視覚的に伝えるためのイメージ作成に適したツールです。
また、プロンプトの整理や改善も行えるため、より意図に近い画像を生成しやすくなります。プロンプト作成のポイントについては、「AI向けに絵コンテ用プロンプトを作成する」で詳しく解説します。
4. ChatGPTを使ったAIでの絵コンテの作り方|企画・画像生成・資料化

ChatGPTで絵コンテを作る方法を6つのSTEPに分けてみていきましょう。
- STEP 1:イメージの整理
- STEP 2:メインイメージ画像の生成
- STEP 3:ストーリーの作成
- STEP 4:絵コンテ用プロンプトの作成
- STEP 5:絵コンテ画像を生成
- STEP 6:絵コンテ資料としてまとめる
例として、ChatGPTでシュールコメディの絵コンテを作成します。
|
絵コンテの企画概要 |
|---|
|
「名誉を返上する」※を、“名誉を返す”と誤解した男のストーリー ※「名誉挽回」と「汚名返上」が混同された言葉 |
完成した絵コンテ
なお、動画用の絵コンテでは、完成度の高い一枚絵よりも「ラフなイラスト」の方が見やすい場合があります。
その点も踏まえて、具体的な作り方を確認していきましょう。
STEP 1:作りたい映像のイメージを整理する
ChatGPTで絵コンテを作るときは、はじめに“映像のアイデア”を整理しましょう。作りたい映像のイメージを整理することで、作品全体に統一感が生まれます。なお、この段階では曖昧なアイデアでも構いません。
- 「慣用句をテーマに、シュールなCMを作りたい」
- 「白背景で、派手な王様とボロボロの男を登場させよう」
- 「本当に名誉を返上している絵を作ってみたい」
- 「困惑している王様を描こう」
- 「30秒CMで制作したい」
こうした内容でも十分です。
次に浮かんだアイデアをChatGPTに入力します。「内容を整理して」「CM案として膨らませて」「絵にしやすい形にして」などと指示(プロンプトを入力)してみましょう。すると、ChatGPTは入力された内容をもとに、コンセプトや登場人物、構図などのアイデアを提案してくれます。
提案内容を参考にしながら、作りたい映像のイメージを具体化していきましょう。
STEP 2:メインとなるイメージ画像を生成する
動画のテーマを表現した1枚のメイン画像を作ります。
メイン画像があると、「ストーリーを膨らませる」「各カットの絵コンテを作る」「全体のテイストを統一する」といった作業がやりやすくなるからです。なお、プロンプトの書き方は、日本語でも英語でも問題ありません。ただし、英語入力の方が制作者の意図に沿ったイメージ映像を生成する傾向があります。
以下の流れでプロンプトを作成してみましょう。画像のクオリティが安定しやすくなります。
- 1. 日本語でプロンプトを作る
- 2. 作ったプロンプトを英語に変換する
- 3. 英語でAIに入力する
ここでのイメージ画像は、完璧に仕上げる必要はありません。ですが、伝わる絵コンテを作るために、以下の要素を整理しておくとよいでしょう。
- アスペクト比:16:9、9:16、1:1 など
- テイスト:実写、ラフイラスト、アニメ調など
- 背景:白背景、会議室、街中など
- 人物:年齢、服装、表情
- 動作:何をしているか
- 構図:アップ、引き、俯瞰など
- 避けたい要素:不要な文字、装飾など
メイン画像を作成する際、イメージに近づけようとして同じ画像を何度も修正し続けると、細部にノイズが発生したり、画質が劣化したりすることがあります。また、人物の表情や構図が崩れてしまうケースも少なくありません。
そのため、ある程度方向性が固まったら、同じ画像を繰り返し修正するのではなく、一度プロンプトを見直してみましょう。
修正内容を反映したプロンプトをもとに、新しいチャットや新しい画像生成で作り直した方が、安定したクオリティの画像を得やすくなります。
STEP 3:メインのイメージ画像から“ストーリー”を作る
メイン画像が完成したら、画像をChatGPTに添付して、CMや映像のストーリー案を作成しましょう。このとき、動画の尺に合わせて構成を考えると、絵コンテへ落とし込みやすくなります。
たとえば、30秒CMであれば、以下のように秒数ごとに役割を分ける方法があります。
- 0〜5秒:状況説明
- 5〜10秒:人物の行動
- 10〜20秒:誤解や展開
- 20〜25秒:オチ
- 25〜30秒:商品メッセージタイトル
あらかじめストーリーの流れを整理しておくことで、必要なカット数や演出内容を明確にでき、絵コンテの作成をスムーズに進められます。なお、構想初期の段階では、映像の「面白さ」や「テンポ」を確認する作業も大切です。
たとえば、映像の世界観やトーンを統一したい場合、「もっと軽いノリにしたい」「壮大すぎるから調整して」「ゆるい空気感にしたい」といった指示を出して、ストーリーを調整してみましょう。
STEP 4:絵コンテ用のプロンプトを作る
ストーリーが固まったら、各カットを画像化するためのプロンプトを作成します。このとき、カットごとに以下の内容を整理しておくと、AIが意図を理解しやすくなります。
- カット番号
- 秒数
- 画面内容
- 人物の位置関係
- 表情動作
- カメラサイズ
- 背景
- 演出トーン
- 文字の有無
- アスペクト比
また、絵コンテ用の画像は、最初から完成度の高いビジュアルを目指す必要はありません。むしろ、企画内容や演出意図が伝わることを優先し、「ラフイラスト調」「モノクロ鉛筆スケッチ風」「CM絵コンテ風」などのテイストで作成した方が、資料として見やすくなる場合があります。
社内確認やクライアントへの提案資料として活用する際も、情報が整理されたシンプルな画像の方が、映像の内容を共有しやすいでしょう。
STEP 5:各カットの絵コンテ画像を生成する
プロンプトができたら、まずは1カット分の画像を生成しましょう。生成された画像がイメージや提案意図と異なる場合は、プロンプトを調整して方向性を整えていきます。
例えば、次のような調整が有効です。
- 実写に近づけたい場合:実写風、広告写真風、シネマティック
- 絵コンテらしくしたい場合:ラフイラスト調、モノクロ鉛筆画、手描きコンテ風
- 情報を整理したい場合:白背景、登場人物を減らす、不要な文字を削除する
- クライアント提出用にしたい場合:構図をシンプルにする、余白を確保する、視認性を高める
生成結果に納得できたら、その調整内容を全カットのプロンプトへ反映します。
例えば、
「『名誉』以外の文字は表示しない」
「ラフスケッチ調で統一する」
といった条件を各カットのプロンプトに追加し、テイストや表現を揃えます。
準備が整ったら、各カットの画像を生成していきましょう。
調整後のプロンプトを使い、新しいチャットでカットごとに画像を生成します。また、1カット目の画像をリファレンス画像として添付すると、登場人物の見た目やシチュエーションの統一感を保ちやすくなります。これにより、複数のカットでも一貫性のある絵コンテを作成できます。
STEP 6:絵コンテ資料としてまとめる
作成した絵コンテを資料としてまとめる方法は2つあります。
1つ目は、ChatGPTを活用する方法です。
「絵コンテを資料用に整理して」「カット表を作成して」「提案資料向けにまとめて」などと依頼することで、画像の構成や説明文を整理し、資料化をサポートしてもらえます。
2つ目は、PowerPointやCanvaなどのツールで編集する方法です。
生成した画像を配置しながら、自分でレイアウトを調整できます。カット番号や秒数、演出意図などの情報は手動で入力する必要がありますが、デザインや構成を自由にカスタマイズできる点がメリットです。
資料に入れておくと便利な項目
- カット番号
- 秒数
- 画像
- 画面内容
- ナレーション / セリフ
- テロップ
- 演出メモ
- SE / BGM
- 補足コメント
ChatGPTを使った絵コンテの作り方は、以上です。
興味を持った方は、制作したい動画のテーマや自社の環境などと照らし合わせて、できることから始めてみてください。
5. AI絵コンテ作成でChatGPTができること・できないこと

絵コンテを作成するとき、ChatGPTには、できること・できないことがあります。ChatGPTの機能を整理しておきましょう。
ChatGPTができること
ChatGPTができることは、企画や構成の整理、画像の生成などです。
| 企画・構成の整理 |
|
|---|---|
| 画像の準備 |
|
| 絵コンテを資料化 |
|
| 演出・コピー |
|
ChatGPTができないこと
ChatGPTの苦手分野は、細かい表現や一貫性を求められる作業などです。
| キャラクターやビジュアルの雰囲気を維持する |
|
|---|---|
| 細かい描写や文字表現 |
|
| 実在デザインの再現 |
|
| 演出意図や映像イメージの再現 |
|
映像・動画制作には編集者の存在が欠かせない
ChatGPTなどのAIには、映像制作に役立つさまざまな機能があります。
しかし、「絵コンテをそのまま動画にする」「高品質な映像を自動で生成する」といった高度な作業はまだできません。
実写撮影をAIに完璧に代替させることは、現時点では不可能なのです。理想どおりの映像を完成させるためには、人の判断や調整が欠かせません
ChatGPTが活躍できる場面
- 企画初期のアイデア整理
- ラフ構成のたたき台作成
- クライアントとのイメージ共有
- 社内ミーティング・ブレインストーミング
- 短期間で複数案を出したいケース
6. 企業担当者から見たChatGPTでAI絵コンテを作るメリット・デメリット

ChatGPTを企業の動画担当者が活用するとき、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット・デメリットを確認して、自社の動画制作の参考にしてみましょう。
ChatGPTで絵コンテを作るメリット
ChatGPTで絵コンテを作るメリットは次の3つです。
- ① 演出イメージを可視化できる
- ② アイデア整理が容易になる
- ③ 社内確認・稟議に活用できる
① 演出イメージを可視化できる
ChatGPTを活用すると、演出イメージをラフ画像として可視化できます。といった抽象的な内容も、映像で第三者にわかりやすく伝えられるのです。
演出イメージを可視化すると、制作スタッフ内での認識のズレを防げます。また、クライアントとのイメージを共有したいときにも効果的です。
② アイデア整理が容易になる
ChatGPTは、アイデアを整理したいときにも役立ちます。
動画のターゲットや方向性、演出シーンなどを会話形式で整理できるため、自社に合ったテーマを見つけやすくなります。
③ 社内確認・稟議に活用できる
ChatGPTは、社内確認を進める場面や稟議書を作成するときに活用できます。
絵コンテの入った資料を準備することで、上司への提案やクライアントへの確認、外部の制作会社との情報共有などがスムーズに進むでしょう。
ChatGPTで絵コンテを作るデメリット
ChatGPTで絵コンテを作るデメリットは次の3つです。
- ①「それっぽく見える」ことで判断を誤る可能性
- ② 再設計が必要
- ③ 細部の表現がむずかしい
① 「それっぽく見える」ことで判断を誤る可能性
ChatGPTが生成した画像は、一見すると完成度が高く、実際の映像として成立するように見えることがあります。
そのため、生成された演出がすべて実現可能だと感じるかもしれません。
しかし、映像としては成立しているように見えても、撮影条件や予算、ロケーションなどの制約により、実際には実現が難しい演出が含まれている場合があります。
撮影がむずかしい演出の例
- 現実には撮影困難なカメラワーク
- 予算的にむずかしい演出
- 現実では不自然な構図
- ロケーションの都合を無視した表現など
「ChatGPTで作れる=制作可能」と捉えずに、自社で対応できる演出かどうか確認しておきましょう。
② 再設計が必要
ChatGPTが作った画は、あくまでイメージになります。実際の映像制作では、実現に向けた細かな調整が必要になるでしょう。
動画制作を始める際は、実際のロケーションやキャストを再確認して、実現可能か再設計しておきましょう。
動画制作で設計が必要な項目
- ロケーション
- キャスト
- 美術
- 衣装
- 照明
- 撮影時間
- 機材
- 予算
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③ 細部の表現がむずかしい
現在のAIは、細かな表現に課題があります。人物の細やかな表情や手の形、カットごとに分かれたキャラクターの造作、さらに小物や文字の正確性などの映像が崩れるケースも少なくありません。
画像を生成したあとは、目視によるチェックを行いましょう。
7. AI向けに絵コンテ用プロンプトを作成する

AIで絵コンテを作る場合は、プロンプトの内容に注意が必要です。
正確なプロンプトを作ることで、より自社のイメージに近い絵コンテを作成できます。
大切なことは、情報を整理して優先順位を明確にすることです。動画制作者が特に意識したいポイントを紹介します。
一番大事な要素を書く
プロンプトには、「何を見せたいカットなのか」を明確に盛り込みましょう。指示内容が曖昧だと、AIは背景や装飾などに重点を置いて画像を生成するおそれがあります。
具体性のあるプロンプトの例
- 王様が困惑している
- 男が巨大な“名誉”を押し付けている。
- 4人のキャラクターが横並びで立っている
人物の人数や位置関係を明確にする
人物が複数登場する場合は、「登場人物の数」「並び順」「身長差」などの情報を具体的に記載しましょう。
「誰が誰の肩に手を置くか」といった情報も記載したいところです。ただし、ポーズ指定が複雑すぎると、画像が破綻するおそれもあります。まずは必要最小限の情報で、プロンプトを作ってみましょう。
文字要素は最小限にする
AIで画像を生成する際は、文字の扱いに注意が必要です。特に日本語は文字化けや文字崩れが発生しやすく、意図したとおりに表示されないことがあります。
そのため、文字を含む画像を作成したい場合は、まず画像のみを生成し、その後PowerPointやCanvaなどでテキストを追加する方法がおすすめです。
どうしても画像内に文字を入れたい場合は、「『名誉』という文字のみ表示する」「それ以外の文字は入れない」のように、表示する文字を明確に指定すると、文字崩れを抑えやすくなります。
テイストを明確にする
絵コンテでは、完成度の高いビジュアルよりも、内容や演出意図が伝わるラフなイメージ画像の方が適している場合があります。
ただし、画像のテイスト(雰囲気)は事前に明確に指定しておきましょう。
テイストを統一しておくことで、後から生成する各カットの画像にも一貫性が生まれ、絵コンテ全体を見やすくまとめやすくなります。
テイストを決めるプロンプトの例
- 「rough storyboard sketch」→ ラフな絵コンテスケッチ
- 「monochrome pencil drawing」→ モノクロの鉛筆画
- 「Japanese TV commercial storyboard style」→ 日本のテレビCM風の絵コンテスタイル
- 「simple white background」→ シンプルな白背景
- 「clean readable composition」→ 見やすく整理された構図
修正を重ねすぎない
プロンプトを工夫しても、必ずしもイメージどおりの画像が生成されるとは限りません。
イメージとの差を埋めようとして同じ画像を何度も修正すると、画質の劣化やノイズの発生、人物の顔や手の崩れにつながることがあります。
修正を繰り返しているにもかかわらず思うような結果にならない場合は、一度プロンプトの内容を見直してみましょう。
また、同じチャット内で修正を重ねるのではなく、新しいチャットでプロンプトを再入力して画像を生成した方が、安定したクオリティの画像を得られる場合があります。
8. AIで絵コンテを作成したときの注意点

AIで絵コンテを作成する際の主な注意点は3つです。
まずは、AIが生成した画像はあくまで「提案用のイメージ」と捉えることです。クライアントに絵コンテを提出する場面では、「絵コンテの内容が、最終的な撮影やデザインを保証するものではありません」と念押ししておくのもよいでしょう。
次に、注意したいポイントが「情報漏洩」です。
AIを使用する際は、社内の未公開情報やクライアント情報の取り扱いに注意しましょう。商用案件では、ツールの使用方法や利用規約などを社内に浸透させておくことも重要です。
そして、著作権・肖像権・商標・既存キャラクターの扱いにも注意してみてください。
既存のキャラクターにそっくりなビジュアルや、実在人物を無断で再現することは、提案段階でもリスクのある行動です。法律関連の問題は、専門家や映像制作のプロに確認するのがよいでしょう。
9. AIより動画制作のプロに絵コンテを依頼した方がよいケース

「商品カットや使用手順を正確に表現したい」
「クライアントに提出するための精度の高い演出コンテが必要」
「出演者の感情や演技の細かなニュアンスまで表現したい」
このような場合は、AIだけで絵コンテを作成するのではなく、動画制作のプロに依頼することをおすすめします。なぜなら、映像の演出には人の感覚や経験が大きく関わるからです。
映像の空気感やテンポ、シーンごとの“間”、出演者の感情表現などは、単に映像として成立しているだけでは十分ではありません。ターゲットに意図したメッセージを伝えるためには、クリエイターの知識や経験に基づいた演出設計が欠かせないのです。
AIはアイデアの可視化や初期提案には有効ですが、細かな演出意図まで反映した絵コンテを作成したい場合は、プロの力を活用することも検討してみましょう。そのため、以下のようなケースにも当てはまるなら、プロの絵コンテマンや演出家に依頼した方が、結果的に成果のつながる映像を制作できます。
- 撮影現場にそのまま使える絵コンテがほしい
- アクションやダンスなどの複雑なカメラワークがある
- 複数の関係者で共有する正確な資料がほしい
- 権利やブランド管理が厳しい案件に携わっている
現時点で、弊社の制作スタッフがAIを動画制作に使用した感想は「AIは初期提案や方向性共有に向いているツール」です。
したがって、上記のような本番制作に近い段階では、撮影条件や演出意図を理解したプロの力が必要だと感じています。
株式会社ボーダーレスは、2007年の創立以来、「動画制作の完全内製化」という独自の体制で、商品・サービス紹介動画やブランディング動画、採用動画など、さまざまな映像制作を手がけてきました。
AIを活用した動画制作が注目される一方で、成果につながる映像を制作するためには、企画設計や演出、撮影・編集などの専門的なノウハウも重要です。
「どのような動画を作るべきかわからない」「自社に合った映像表現を相談したい」とお考えの方は、ぜひボーダーレスの映像・動画制作サービスをご覧ください。
お客様の目的や課題に寄り添いながら、企画から制作・運用までサポートいたします。
10. AIによる絵コンテ作成でよくある質問

AIによる絵コンテ作成について、企業担当者からよく寄せられる質問と回答を6つ紹介します。
AIの活用方法や注意点など、導入前に気になるポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
AIだけで絵コンテは作成できますか?
AIだけでも絵コンテを作成することは可能です。
例えば、企画段階のアイデア整理や、社内共有用のラフな絵コンテ、提案資料のたたき台作成などであれば、AIは十分に活用できます。
一方で、クライアントへ提出する正式な撮影用コンテや演出コンテでは注意が必要です。
AIが生成した画像には、構図や人物表現の不自然さ、演出面での実現性の問題が含まれる場合があります。そのため、実際の撮影や制作に使用する際は、人の手による確認や調整を行うことをおすすめします。
AIは絵コンテ作成を効率化するためのツールとして活用し、最終的な品質管理は人が担うのが理想的です。
AIで絵コンテを作成する場合、どのツールが一番おすすめですか?
現時点では、ChatGPTがおすすめです。
ChatGPTは、企画の整理やストーリー構成の作成、プロンプトの作成、画像生成、資料用の文章作成まで、一連の作業を1つのツールで進められます。
特に、アイデア出しから絵コンテ作成までを効率化したい企業担当者にとっては、使いやすい選択肢のひとつといえるでしょう。
ただし、AIツールの機能や仕様は日々進化しています。現在はChatGPTが有力な選択肢ですが、今後のアップデートによって各ツールの特徴や使い勝手が変わる可能性もあります。
導入を検討する際は、最新の機能や利用条件について、各ツールの公式情報もあわせて確認することをおすすめします。
AIで作成する場合、絵コンテのテイストは指定できますか?
はい、指定できます。
AIでは、プロンプト(指示文)の内容によって画像のテイストを調整できます。
例えば、実写風、ラフイラスト調、アニメ調、CM絵コンテ風、モノクロ鉛筆スケッチ風など、さまざまな表現に対応可能です。
絵コンテの場合は、完成度の高いビジュアルよりも、構図や演出意図が伝わりやすいラフなテイストの方が適しているケースもあります。
映像の目的や共有相手に応じて、最適なテイストを選択するとよいでしょう。
AIで一度作成したキャラクターを複数カット作成できますか?
はい、可能です。
一度作成したキャラクターを参考画像として使用することで、複数のカットに同じキャラクターを登場させられます。
ただし、AIはキャラクターの細部を完全に再現できるとは限りません。カットごとに髪型や服装、顔立ちなどが変化する場合があります。
統一感を持たせたい場合は、衣装・髪型・体型・配色・表情などの特徴をプロンプトに明記し、生成済みの画像もあわせて参照させることをおすすめします。
それでも細かな違いが生じることがあるため、重要な案件では人の手による確認や調整を行うとよいでしょう。
AIで絵コンテを作成する場合、文字入りの画像は作れますか?
はい、文字入りの画像を作成することは可能です。
ただし、AIの性能は向上しているものの、日本語を中心に文字が崩れたり、意図しない文字列が表示されたりする場合があります。
そのため、絵コンテ資料として活用する場合は、画像内に文字を入れるのではなく、PowerPointやExcelなどで後からテキストを追加する方法がおすすめです。
特に、セリフやテロップ、カット説明などの修正が発生しやすい要素は、画像とは別に管理した方が作業効率も高まります。
文字の正確性が求められる場合は、AIで画像のみを作成し、テキストは後から追加するようにしましょう。
AIで作成した絵コンテをクライアントへの提案に使えますか?
はい、企画の方向性を共有するための提案資料として活用することは可能です。
AIで作成した絵コンテは、演出イメージや構成案を視覚的に伝えられるため、社内確認やクライアントとの初期提案に役立ちます。
ただし、外部へ提出する際は注意も必要です。利用するAIツールによっては、商用利用に関する制限や、生成物の権利関係、透かし表示などのルールが定められている場合があります。
また、既存キャラクターや実在人物に似た表現が含まれていないか、著作権や肖像権の観点からも確認しておきましょう。
特に重要な案件や大規模なプロジェクトでは、映像制作の専門家や法律の専門家に相談しながら進めることで、トラブルのリスクを抑えられます。
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