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初心者でもわかるドキュメンタリー動画の作り方!企画・撮影・編集のコツとは?

【ドキュメンタリー動画】

2025.10.23

CGやアニメーションを使用しないリアルな描写が特徴の「ドキュメンタリー動画」。

大規模な予算を組まずに、視聴者の印象に残る動画を制作できることから、中小企業におすすめの動画形式です。

この記事では、

「自社の商品を題材にしたドキュメンタリーを制作してみたい」

「会社のブランディングや採用活動に動画の活用を考えている」

「高度な演出や編集が必要のない動画って何だろう?」

このような要望や疑問をお持ちの企業担当者様に向けて、ドキュメンタリー動画の作り方をわかりやすく解説します。

ドキュメンタリー動画のメリットや動画づくりで大切にしたい視点、そして内製化と外注のポイントも紹介するので、ぜひご活用ください。

INDEX

1. ドキュメンタリー動画とは「現実を基にした映像作品」

ドキュメンタリー動画とは、現実の出来事や人物、社会問題などを描写した映像作品を指します。

虚構(事実でないことを事実のように見せること)を加えずに、現実の出来事を基に制作する点がドキュメンタリー動画の特徴です。

派手なCGやアニメーションを使用しないため、動画全体に落ち着いた雰囲気があり、視聴者の信頼や理解を深めたいときに役立ちます。

ドキュメンタリー動画の活用方法

ドキュメンタリー動画は、以下の分野で活用できます。

  • 採用活動=採用動画
  • ブランディング=ブランディング動画
  • 商品・サービスの販売促進=販促動画

ドキュメンタリー動画では、働く社員の思いや働く姿などを、“リアルなストーリー”として描きます。

現場に軸を置いた制作方法は動画の説得力を高め、現実に存在する社員や開発メンバーを軸にした構成は、視聴者に共感・理解を促せます。

そのため、ドキュメンタリー動画では「採用=人材」「ブランディング=理念」「販促=商品」という三つの分野に導入できる動画形式です。

種類 目的
採用動画
  • 求職者に会社を知ってもらう
  • 応募者に「ここで働きたい」といった共感を促す
ブランディング動画
  • 企業の理念や価値観をわかりやすく伝える
  • 地域とのつながり、環境活動、創業者の思いを映像にする
販促動画(商品・サービスのPR)
  • 顧客の信頼感を高める
  • 商品やサービスの特徴を知ってもらう

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2. 中小企業の課題とドキュメンタリー動画のメリット

ドキュメンタリー動画は、中小企業が抱える課題の解決に役立ちます。ここでいう課題とは、広報活動・マーケティング活動・採用部門で直面しやすい問題です。ドキュメンタリー動画のメリットと合わせて確認しましょう。

中小企業が抱える課題

具体例は次のとおりです。

  • 広報活動に十分な予算を割きにくい
  • 担当スタッフが不足しやすい
  • 動画を作っても他社との差別化が難しい
  • 「現場の魅力をどう伝えるか」に悩まされている

動画制作を専門家に依頼すれば、質の高いドキュメンタリー動画を制作できます。

しかし、一定規模の予算を組みにくい場合、「制作費用を抑えつつ効果的な動画を作る」という現実的な対応が優先されるでしょう。

近年は制作アプリの普及や動画制作のノウハウを提供するブログなどによって、動画制作は身近な取り組みとなってきました。

ところが、企業動画は他社との差別化が難しいため、今度は「どこの動画も同じに見える」という新たな課題に直面しやすくなります。

ドキュメンタリー動画を導入するメリット

中小企業が抱えやすい課題に対して、ドキュメンタリー動画には次のメリットがあります。

  • 制作費を抑えながら、自社オリジナルの動画を制作できる
  • シンプルに制作した動画でも、企業の文化や価値観を伝えられる
  • 撮影知識や編集技術が乏しくても、自社らしさを表現できる

ドキュメンタリー動画では、社員や現場の様子をそのまま撮影することで、オリジナリティを演出します。派手な演出や豪華な設備は必須ではありません。

社員の様子や現場の空気感をストーリー形式で紹介することで、視聴者に「社員の人間味」「仕事への誠実さ」も伝えられるでしょう。

ブランディングや販促を推進したいときは、「商品開発秘話」や「お客様事例」をドキュメンタリーで紹介することで、顧客の信頼・理解を促せます。

予算を抑えつつ自社ならではの魅力を動画にして発信したいときは、ドキュメンタリー動画がおすすめです。

3. ドキュメンタリー動画の作り方その1【企画編】

ドキュメンタリー動画は、「企画・撮影・編集」の3ステップで制作されます。はじめにドキュメンタリー動画の企画の立て方を紹介します。

企画の柱は3つ

ドキュメンタリー動画の企画では、以下の3項目を具体的に決めます。

  • ① 動画の目的
  • ② 誰を主人公にするか
  • ③ 課題解決の道すじ

① 動画の目的

「何のために動画を制作するか」を決めると、動画制作の土台ができます。

たとえば、採用活動の強化が目的なら、会社の雰囲気や社員の人柄を伝えることがテーマとなります。視聴者が「自分がこの会社に入ったらどうなるかな?」と具体的なイメージを持てるような動画を制作しましょう。

ブランディングの強化が目的なら、「事業にかける企業の思い」「企業として大切にしていること」をテーマに盛り込むのがいいです。企業の沿革をストーリー形式で伝えると、より印象に残る動画に仕上がります。

商品・サービスのPRが目的なら、「商品が生まれた背景」「開発のプロセス」を商品名・価格・発売日などと一緒に紹介しましょう。裏側のストーリーは、顧客の共感や認知を獲得するのに効果的です。

② 誰を主人公にするか

動画の主人公を決めると動画のストーリーが動き出します。

キャスティングの例は次のとおりです。

  • 社長や役員(経営権のある人)
  • 社員
  • 顧客
  • 開発メンバー

社長や役員、社員などは企業のイメージアップや知名度を高めたいときに効果的なキャスティングです。ほかにも、顧客の信用を獲得したいときは、客観的な評価を確認できるインタビュー動画などが効果的です。

動画の目的に沿った人やグループを選びましょう。

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③ 課題解決の軌跡を描く

ドキュメンタリー動画では、主人公が「課題」を解決するまでの軌跡を描く必要があります。

主人公の成長や挑戦の過程、思いを実現するプロセスなどを映像で表現することで、後味のよい動画に仕上がるからです。具体例は、「5.ドキュメンタリー動画で大切にしたいドラマティックな演出」で紹介します。

ドキュメンタリー動画を作る際は、「誰を主役にするか」×「どの時間を切り取るか」×「視聴者にどんな感情を届けたいか」を整理しておきましょう。

動画制作は「前準備」がポイント!~対象者との関係作りと事前取材

前準備で大切なことは、動画で紹介する対象者との関係構築と事前取材です。前準備をしっかりと行うケースと行わないケースとでは、動画の完成度に差が出ます。前準備のポイントを確認しましょう。

① 対象者との関係構築

対象者との関係を構築できると、撮影現場での自然な表情や本音を引き出しやすくなります。対象者の自然な表情や本音は、動画の説得力を高めてくれます。

撮影前に、打ち合わせや雑談を通じて「この人なら安心して話せる」と思ってもらえる雰囲気を作りましょう。

② 徹底的な取材(インタビューの前取材)

撮影のインタビューの前に対象者に取材を行うことも大切です。前取材から、動画の核となるテーマがわかることも少なくありません。

撮影前に対象者にヒアリングして、「人生の転機」「やりがいを感じる瞬間」「壁にぶつかった経験」などを教えてもらいましょう。

その際も“一問一答形式”ではなく、出演者に回答に「なぜそう思ったのですか?」と掘り下げていくことで動画の核となるテーマが見えてくるでしょう。

③ 周囲への取材

対象者の近くにいる人にも取材を行いましょう。たとえば、同僚・上司・家族・顧客などです。

こうした周囲の声を集めることで、「本人が語る話」と「周りが語る姿」を組み合わせることができます。

動画のテーマに沿った素材が集まると動画のストーリーに厚みが出ます。動画の訴求効果が高まるのです。

たとえば、採用動画なら、先輩社員や同僚の目線がよいでしょう。販促動画なら、消費者の意見や使用した感想などがおすすめです。

台本の作り方~完全台本と質問リストの意味

動画制作の台本とは、撮影の進行や動画全体の構成を書いたものになります。ドキュメンタリー動画の台本の作り方について、採用動画を例に確認しましょう。

① 完全な台本は不要

ドキュメンタリー動画では、セリフの一言一句まで決めるような完全な台本を作る必要はありません。その代わり、「これだけは撮影したい」という項目を意識しましょう。

あくまで一例ですが、社員教育に力を入れている企業なら、「新入社員が困難にぶつかって悩む様子」「後輩社員を先輩社員がフォローする場面」などは台本に記載すべきでしょう。

自社ならではの場面をカメラに収めることで、企業の特徴をわかりやすく表現した動画を制作できます。

② 質問リストは用意する

質問リストは、対象者への質問を箇条書きなどでまとめたものです。主役に自然に話してもらうためのガイドの役割を果たします。採用動画なら、

  • 「入社を決めた理由は?」
  • 「仕事で迷ったり悩んだりした瞬間は?」
  • 「やりがいを感じた瞬間は?」

さらに、対象者の回答を予測して、回答に対して深掘りするような質問を準備しておくと、回答の背景や感情を引き出しやすくなります。

③ シーン設計(撮影対象の範囲)

ドキュメンタリー動画では、主役のインタビューだけでなく、とりとめのない会社の日常や業務中の様子、同僚と雑談している様子などもカメラに収めましょう。

こうすることで、撮影前には予期していなかった思いがけないドラマを撮影できることがあります。

ドキュメンタリー動画の制作では、「ドラマが生まれそうな瞬間」を逃さない意識が重要です。

④ ストーリーボード(設計図レベル)

台本には、映像全体の流れを大まかに整理する「ストーリーボード」の役割があります。

以下の項目を台本にまとめておくと、撮影後の編集作業がやりやすくなります。

  • 撮影シーンの順番
  • 撮影シーンの構図
  • 各カットを撮影するときの狙い

ただし、台本作りには柔軟さも大切です。撮影中に新たなアイデアが浮かんだり発見があったりするかもしれません。浮かんだアイデアを後から追加できるように、動画には“余白”を残しておきましょう。

4. ドキュメンタリー動画の作り方その2【撮影・編集編】

ドキュメンタリー動画の企画の次に行う作業は「撮影」です。そして、撮影した映像を「編集」することでドキュメンタリー動画は完成します。まずは撮影のポイントを確認しましょう。

撮影で意識するポイントは「自然さ」と「臨場感」

撮影で意識するポイントは、出演者の自然な表情と現場の臨場感です。①インタビュー②カットの挿入③撮影環境の順番で確認しましょう。

① インタビュー

ドキュメンタリー動画のインタビューでは、対象者の自然な様子を撮影できるのが理想です。

出演者がカメラを意識し過ぎないための方法を3つ紹介します。

  • 雑談(最近のニュース・今日の天気・近所であった出来事など)から始める
  • 気分が落ち着く(または気分があがる)BGMをかける
  • カメラマン自身がリラックスする

対象者に合わせた方法を取り入れてみましょう。

② 動きのあるカットを意識

ドキュメンタリー動画に臨場感を出したいときは、以下のような動きのあるカットが有効です。 

  • 働く社員の手元
  • 出演者が歩いている姿
  • 顧客の笑顔

1つのカットを複数の角度から撮影すると動画に動きを出せます。「同じ出演者の手元のカット」「斜めからのカット」「正面からのカット」といったように複数の角度から撮影し編集でつなげてみましょう。動きのある動画は、視聴者が飽きることを防ぎます。

③ 撮影環境~音の記録と照明

ドキュメンタリー動画は、晴れの日に自然光をいかす環境で撮影しましょう。明る過ぎる照明の中で撮影するよりも動画に臨場感が出ます。

また、現場の環境音は、ドキュメンタリー動画の臨場感を高めます。「社員同士の会話や笑い声」「キーボードを叩く打鍵音」といった日常的に発生している音も拾いましょう。

編集は「テンポ・BGM・ナレーション」を工夫する

撮影の次に行う作業が「編集」です。編集とは、撮影した映像をつなぎ合わせたりBGMやナレーションを調整したりして、動画を魅力的に仕上げる作業を指します。編集で大切なポイントをチェックしましょう。

① テンポ

テンポがよいと、動画が最後まで視聴されやすくなります。視聴者の満足度アップにもつながるため、以下の編集方法で動画のテンポを調整しましょう。

  • テーマと関係のないシーン(余白)をカットする
  • 重要なシーンでは、会話・動作の「間」をあえて残す

重要なシーンでは、会話や動作の「間」をいかすと動画のリアルさが増します。

たとえば、出演者がインタビュアーに「仕事で迷ったり悩んだりした瞬間は?」と質問されて考え込むシーン。

これは、対象者が真剣に考えている様子を視聴者に伝える場面です。こうした間を残すことでドキュメンタリー動画らしい臨場感を出せます。

② BGM

BGMは、視聴者の感情を盛り上げたり動画への没入感を高めたりする要素です。

「静かな場面」「感動の場面」など、場面に応じたBGMを挿入しましょう。著作権フリーの音源を活用するときも、映像の世界観に合わせることが重要です。

ただし、BGMが主張し過ぎると、視聴者の意識がそちらに取られるおそれがあります。メリハリを大切にしましょう。

③ ナレーション

ナレーションとは、録音スタジオなどでアフレコ(アフター・レコーディング)によって録音される「後付けの音声」です。

映像に後から音声をつけるナレーションは、“第三の語り手”とも呼ばれており、映像だけで伝わりにくい時間軸や背景を補足する役割を果たします。

ナレーションの種類 具体例
心の声の代弁:対象者が直接言葉にできなかった感情を代わりに伝える 「この取り組みは、3年前の小さなアイデアから始まった」
ストーリーのつなぎ:シーンとシーンの間を自然につなげる 「本当は不安だったが、それでも挑戦を続けた」「そして、迎えた当日——」

ナレーションが不足していると視聴者が迷子になります。しかし、過剰だと映像や本人の言葉を邪魔してしまいます。

ドキュメンタリー動画の基本は、「映像や本人の言葉を主役にすること」です。ナレーションは、全体の補足や状況の整理、共感のポイントを明らかにするという意識で挿入しましょう。

④ 字幕

字幕は、画面の下に表示される会話・言葉をテキストに表す文章です。

字幕を挿入することで、聞き取りにくい専門用語や人の名前などが明らかになります。視聴者の理解を助けるのに効果的です。

また、字幕を挿入すると、「話の内容がわからない」という事態を防げます。近年、動画はSNS(InstagramやX、TikTokなど)にて無音声で再生されることが増えています。

字幕をつけて、SNSユーザーが視聴しやすい環境を整えましょう。字幕のある動画は展示会などの音声を出せない場面にも活用できます。

5. ドキュメンタリー動画で大切にしたいドラマティックな演出

ドラマティックな演出は、ドキュメンタリー動画の効果を高める方法です。視聴者の感情を揺さぶることで、自社の動画を長く憶えてもらえるようになります。

ドラマティックな演出で大切な4つの視点を確認しましょう。

  • ① 起承転結の構成を意識する
  • ② 感情の起伏を追う
  • ③ 映像の緩急
  • ④ BGM・映像効果で盛り上げる

① 起承転結の構成を意識する

起承転結は、わかりやすく印象的なストーリーを表現したいときに効果的な方法です。

商品の開発チームの軌跡を追ったドキュメンタリー動画を例に、起承転結を当てはめてみましょう。

項目 内容 具体例
動画の主人公、直面している課題を紹介する
  • 商品開発チームの紹介
  • 「既存商品では顧客のニーズに応えきれていない」「もっと使いやすい製品を作りたい」という課題を提示
困難や日常の奮闘を描く
  • 試作を繰り返し、失敗や壁にぶつかる様子
  • 社内会議での議論、ユーザーから厳しい意見を受ける場面
変化や挑戦の瞬間
  • 試作品が完成。「これならいけるかもしれない」と意気込む社員
  • 試用テストでポジティブな反応を得る
成果や未来への言葉で締める
  • 完成品を誇らしげな様子で見つめるチームメンバー
  • 「この商品を通じて、もっと多くの人の生活を良くしていきたい」といった開発者の言葉で締め

4つのパートに自社だけの物語を当てはめてみましょう。

② 感情の起伏を追う

感情の起伏を追うと、視聴者の感情を揺さぶる演出につながります。

苦労・不安・葛藤などの感情

  • 新商品開発で、試作品が失敗した瞬間・初めての業務で戸惑う社員の表情など
  • 視聴者は「自分も似たような経験があるかもしれない」と共感しやすい

達成感・感謝などの感情

  • 新商品が世に出る瞬間・顧客の反応を見て喜ぶシーンなど
  • 視聴者に感動や前向きな印象を残す

ほかにも、「チームで議論し、改善策を見つけて再挑戦する場面」などを挿入すると物語に厚みが出ます。

③ 映像の緩急

静かなシーンと動きのあるシーンを交互に挿入すると、ドキュメンタリー動画にメリハリが生まれます。メリハリがあると映画のような緊張感や感動を生み出せます。

【具体例】

静のシーン①

目の前の事務作業に集中する1人のスタッフ。集中した表情や作業している手元の映像をアップで映す

動のシーン①

商品の開発をめぐり会議で意見をぶつけ合うメンバーたち。各メンバーの表情をカメラに収める

動のシーン②

会議後の現場で作業に没頭するメンバーの映像。動きのあるカットを複数挿入する

ふたたび静のシーン②

完成した製品をシンプルに表示。商品名・会社名・発売日・価格などをテロップやナレーションとともに紹介する

このように「静と動」を対比させることで映画のような演出が可能になります。なお、静のシーンでは、あえて映像に余白(情報が少ない映像)を持たせることで、視聴者の感情を揺さぶる方法も有効です。

④ BGM・映像効果で盛り上げる

BMGと映像効果は、動画を盛り上げるための編集作業です。

【BGM】

おすすめの場面 具体例と期待する効果
クライマックス 盛り上がる音楽やテンポのある曲

達成感を演出
日常 静かでナチュラルな曲

リアル感を残す
エンドロール 動きの少ないカットとゆっくりとした曲

「映画を視聴したあとの余韻」と同じ感覚で、共感や記憶に残す

【映像効果】

種類 期待する効果
フェードイン/フェードアウト リアルな映像のまま時間や場所の変化を自然に見せる

視聴者に物語の流れや感情の余韻をスムーズに伝える
スローモーション 感情のピークを強調

余韻を残す

誰にでもある“ドラマ”をどう切り取るか

ドキュメンタリー動画では、一人ひとりの人生に訪れる“ドラマ”に焦点をあてます。動画の種類別に具体的なポイントをチェックしましょう。

① 社員ドキュメンタリー

社員の日常には、業務や会話の中にドラマが潜んでいる可能性があります。

「思うように書類を制作できない新人→先輩に相談→気づきが生まれて喜ぶ新人」といったように、小さなドラマを追ってみましょう。

ちょっとした戸惑いや発見、喜びの瞬間を発信することで視聴者の好印象を獲得できるはずです。

② 商品開発ストーリー

商品の開発を追うドキュメンタリー動画では、失敗や試行錯誤の瞬間をそのまま映像に残しましょう。

「試作品がうまくいかない→チームで議論→アイデアが生まれる」といった流れの中に、その場でしか生まれないドラマが潜んでいるかもしれません。

③ CSR活動

環境保護や地域貢献をテーマとするCSR活動では、人との触れ合いや気づきを捉えることが大切です。

「子どもが楽しそうに遊ぶ→それをみる社員の微笑み→未来への思いを語る社員」といったように、主役の感情の自然な変化を追ってみましょう。

予測不可能な瞬間を逃さない

ドキュメンタリー動画の撮影中に予測できない瞬間が生まれることもあります。

出演者の表情・仕草・会話・小さな行動に注目しましょう。台本にはない出演者の感情や撮影スタッフの気づき・発見があったら、ぜひ動画に盛り込んでみてください。

6. ドキュメンタリー動画の種類と事例

動画の目的・配信する場所・扱うテーマによって、動画はさまざまな種類に分けられます。

ドキュメンタリー動画の細かい種類と事例を以下の6つに分けて紹介します。

  • ① 社長・経営者ドキュメンタリー
  • ② 社員密着ドキュメンタリー
  • ③ 商品開発ドキュメンタリー
  • ④ お客様事例ドキュメンタリー(カスタマーストーリー)
  • ⑤ 工場・製造現場ドキュメンタリー
  • ⑥ 上記に分類されないドキュメンタリー

それぞれの特徴をつかみましょう。

社長・経営者ドキュメンタリー

採用活動・ブランディングの強化につながるドキュメンタリー動画です。

【VOL.1】中卒40歳・年商12億円経営者の1年間密着ドキュメント

「無印良品をよみがえらせた男…松井忠三」私の履歴書│BSテレ東

企業の経営権を持つ社長や経営者の考えや理念、会社や社員への思いを映像にすることで、文字では表現できない複数の情報を発信できます。

これらの情報は、ホームページやパンフレットなどでは表現しにくいものです。動画にすることでわかりやすく伝えられます。

社員密着ドキュメンタリー

採用活動の強化や社風のアピールに最適なドキュメンタリー動画です。

【裏側公開】品川駅で“橋”が動く!?未来へ繋ぐ、都市のインフラ整備最前線に潜入!

山内工業 株式会社|社員1日密着ドキュメンタリー

社員の一日を映像にすることで、現場の雰囲気や働くスタッフの表情や会話などをそのまま伝えられます。社員密着ドキュメンタリーを観て応募した人なら、自社とマッチする可能性が高いです。

社員の成長をストーリー形式で描写することで、入社後のキャリアを具体的に紹介する方法も有効です。

商品開発ドキュメンタリー

商品のプロモーションや販促に効果的なドキュメンタリー動画です。

あのヒット商品を支える!商品開発のウラ側 【ジョブレボ!厳選VTR集】#68 | BSジャパン

【覗いてみた】噂の新商品開発【裏側】

商品を開発した理由や名前の由来などを描くことで、知名度アップを図れます。また、商品にかける思いやこだわりを表現することで、自社ならではの魅力をアピールできます。

お客様事例ドキュメンタリー(カスタマーストーリー)

商品のお客さまやサービスの利用者に密着して、利用前後の変化を描くドキュメンタリー動画です。

【ドキュメンタリー映像】 ストーリーのある中古物件リノベーション【I.D.L COMPANY 】

導入前後の変化を描くことで、サービスのメリットや利用する人の感想などを直に確認できます。また、サービスを利用する人と提供する人の両者を描くことで、客観的な視点からサービスを評価しやすくなります。

工場・製造現場ドキュメンタリー

商品・サービスのブランディングに効果的な動画です。生活の安心につながる製造業や食品業界などで活用できます。

【弁当】注文数を予測する司令塔!巨大工場動かす「特命仕事人」『every.特集』

【工場の灯を消すな】創業80年・板金工場3代目が挑む事業拡大と採用戦略|町工場ドキュメンタリーvol.2h

ものづくりの現場は、顧客が目にすることの少ない「企業の舞台裏」です。表には出ない品質管理の徹底ぶりを見せることで、顧客の信頼獲得を目指せます。

その他のドキュメンタリー動画

扱うテーマや商品などによってさまざまな種類のドキュメンタリー動画があります。

それぞれの名称や目的を下表で確認しましょう。

種類 内容
創業ストーリー・企業ヒストリー 会社の成り立ちや歴史、成長の軌跡を描く
社会貢献・CSR活動のドキュメンタリー 環境活動や地域貢献など、企業の姿勢を伝える
イベント・展示会の舞台裏ドキュメンタリー 準備や運営の様子を追い、熱量や臨場感を伝える
海外進出・グローバル展開のドキュメンタリー 海外での挑戦や現地社員の活躍を描く・グローバルブランディング向け

7. ドキュメンタリー動画と他の動画との違い

ドキュメンタリー動画とショート動画・密着動画との違いを紹介します。各動画とドキュメンタリー動画との違いを押さえて、自社の企業活動に適切な動画を見極めましょう。

ショート動画との違い(認知 vs 共感)

ショート動画は、再生時間が短い動画を指します。

動画の再生時間が短い分、Web広告やSNS(YouTubeショート・Instagramリール)での瞬間的な拡散力にすぐれており、「知ってもらいたい」「目に留めてもらいたい」ときに効果的な施策です。

ショート動画 ドキュメンタリー動画
再生時間 短い(数秒から数十秒) 普通~長い(数分から数十分)
目的 商品やサービス、会社を知ってもらう 理解を深めてもらったり信頼を得たりする
配信媒体 YouTubeショート・Instagramリール・TikTok・X・Facebookなど YouTube・企業のWebサイトなど

ショート動画とドキュメンタリー動画は、競合するものではありません。状況に応じて、組み合わせることも使い分けることも可能です。

たとえば、SNSにショート動画を配信して興味を持ってもらい、YouTubeのドキュメンタリー動画まで促す。こうすることで、認知・理解・共感を醸成することが可能です。

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密着動画との違い(記録 vs ストーリー)

密着動画は、社員の1日や職場風景など、日常を“記録”する動画形式です。

この密着動画に、演出や構成でストーリー性を持たせて、視聴者の感情移入や学びを促すのがドキュメンタリー動画になります。

密着動画 ドキュメンタリー動画
撮影期間 短期(1日単位がほとんど) 短期から中長期(数日~数週間。場合によっては数カ月間)
目的 現場の雰囲気を映像や音声で伝える 感情移入や学びを促す
配信媒体 YouTubeショート・Instagramリール・TikTok・X・Facebookなど YouTube・企業のWebサイトなど

密着動画は、テキストでは伝えにくい現場の雰囲気を知ってもらえる効果的な施策です。

ただし、実際にその会社で働いているかのような感覚をあたえて、視聴者に愛着まで感じてもらいたいなら、ただの密着動画では不十分でしょう。

「ただの記録」ではなく「心に残る映像体験」を作りたいときは、密着映像にストーリー性を付与したドキュメンタリー動画がおすすめです。

同じリアルでも、「密着=素材」「ドキュメンタリー=物語」という違いがあります。

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バラエティ風・企画風など「演出スタイル」の違いとは

ドキュメンタリー動画には、バラエティ風の演出・企画風の演出・リアル重視のスタイルがあります。それぞれの違いを確認しましょう。

演出方法 意味
バラエティ風 バラエティ番組のように面白おかしく紹介するスタイル
企画風 “ドキュメンタリーが生まれそうな企画”を実施して撮影するスタイル
ナチュラルスタイル 自然さを重視するため、日常や現場の空気をそのまま切り取るスタイル

1つ目のバラエティ風は、親しみやすさや軽快さを感じてもらいたいときに有効な演出方法です。

ジャンガ・テック/東京MX「カンニング竹山のイチバン研究所」 ドキュメンタリー

2つ目の企画風の特徴は、ドキュメンタリーが生まれそうな台本を作り、当日の流れに任せる点です。ストーリーを自然に生み出すことができるため、自然な感情を視聴者に感じてもらえます。

【セイバン公式】ランドセル選びドキュメンタリー篇

3つ目のナチュラル(リアル)スタイルは、自然さを重視して現場の空気をそのまま切り取るスタイルです。社員や顧客の素直な表情や行動を見せることで、共感を得ることを目的とします。

8. まとめ|自社ができる範囲から挑戦しよう

今回はドキュメンタリー動画の作り方を紹介しました。最後に、ドキュメンタリー動画を自社で制作する際のポイントを紹介します。

ドキュメンタリー動画の内製化しやすいポイント

ドキュメンタリー動画は、スマホや手持ちのカメラでも制作可能です。社員のインタビューや日常を追うならば、高価な多機能カメラは必須ではありません。

また、ドキュメンタリー動画の編集作業は「撮影シーンのつなぎ合わせ」「カット編集」が基本となります。BGM挿入や不要部分のカットなら、以下の記事を参考にしていただくことで、動画制作経験が乏しい方も十分に対応可能です。

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ドキュメンタリー動画の外注を検討したいポイント

ドキュメンタリー動画は、内製化向きの動画形式です。しかし、以下の項目に該当するときはドキュメンタリー動画の外注をおすすめします。

  • 撮影が複雑で人手や時間がかかりそうだ
  • 高品質な映像・高度な演出が欲しい
  • 撮影に特殊な機材が必要(ドローン撮影・スタジオ撮影・その他の特殊機材)
  • 感情の起伏やドラマ性を強調したい
  • BGM・ナレーション・映像効果を効果的に挿入したい
  • 戦略的なブランド動画や販促動画を制作したい
  • 外部の視点を取り入れて、動画の訴求力を上げたい(例:企業VPや商品開発ストーリーなど)

動画・映像を専門に行う制作会社は、動画制作の豊富な実績と経験を積み重ねています。こうした制作会社に依頼することで、自社の魅力を効率的に正しくターゲットに伝えられるのです。

動画制作の相場・費用の内訳や制作会社の選び方を知りたい方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。

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小規模制作から始めるのがおすすめ

いきなり品質にすぐれたドキュメンタリー動画を制作する必要はありません。

まずは身近な題材で練習して、徐々に動画づくりのコツを掴む方法もあります。

たとえば、新人社員の1日や小さなプロジェクトの裏側を「企画・撮影・編集」するやり方です。

動画制作の内製化を試してみて、予算・人手・時間などを確認し、それから「自作するか外注にするか」を判断する方法もあります。

慣れてきたら、イベントや商品開発ストーリーなど長尺のドキュメンタリーに挑戦してもよいでしょう。

内製で経験を積みつつ、必要に応じて外注を組み合わせることで、費用対効果とクオリティを両立させていきましょう。

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